2月29日の日記
2012年2月29日「DEVILOCK NIGHT THE FINAL」2日間に行ってきた日記。
去年も行ったんだけど、去年の会場はさいたまスーパーアリーナで、入るときにドリンク代を取られてペットボトル持ち込み禁止だったことと、昼休みに謎のプロレスイベントをやってたこと以外はなかなか良いイベントだった。
今年は最後ということで、場所を幕張メッセに移しステージ4つで2日間開催とフェスなみの大きさになり、メンバーも豪華だったので行った。2日通し券13,000円。
2月25日(土)1日目
12:00スタートの10-FEETか、12:30のMONOBRIGHTに間に合ったらいいなくらいの気持ちで、11:30に海浜幕張に到着。
CDJと比べるとハーフパンツにタイツといった軽装の若者客が多く、暴れる気満々という雰囲気が漂う。
会場へ向かう道を歩き始めるとすぐに「リストバンド交換列最後尾」という札を持ってやってくるスタッフとすれ違う。まだここからメッセまで相当距離があるのに、なんでそんな札がいるんだ!?とガクブルしながら、誘導に従って橋を渡り、9-11ホールに近づいて行くと、橋の途中で人波が止まる。そこからぎっしりと行列ができている模様。なんだこれ……。
行列の長さは橋を渡り終えてから1-8ホールのほうまでずーっと伸び(列の幅は6メートルくらい)、ホール入り口手前で折り返してまたずーっと伸び、最後に階段を下りて11ホールの端でリストバンド交換して入るようになっている。現時点で1キロは確実にあり、あとからあとから人が押し寄せて最後は3キロくらいの列になったらしい。
また、リストバンド交換の列とは別に、9-11ホールの壁沿いにも列ができていて、こっちの最後尾は1-8ホールの階段下(CDJにおける場外グッズ売り場)にあるのだが、こっちは駅から橋を渡らずに1-8ホール方面に直進した人たちのリストバンド交換列だった。
開場は11時のはずで、たまに少しだけ列が動くので一応中に入ってはいるようだが、このペースで進んでいたら中に入るのに1時間はかかるだろう。明らかに間に合わない10-FEETファンが気の毒だ。
スタッフがたまにいるんだけど特に何もしていなくて、この列に並んでいるとこのあとどうなるのかとかがわからず不安が募る。ただ、雨がやんでいたのだけは救いだった。
エモいバンドを聞きにきているわりにはみんなおとなしく列に並んでいて、根は真面目な日本人らしい。
列の長さ的にはコミケに比べたらどうってことないが、コミケの1/10しか人がいないのに、動線誘導のレベルはコミケの1/10。
列が1-8ホール前で折り返したあたりで突然列の進むスピードが速くなり、走りながら進む。階段を下りると入り口前にずらっと低い柵が並び、「傘置き場」と張り紙がしてある。柵にぎっしり傘がかけてあって、回収するときにどれが誰のだか絶対わからない状態になっていた。私は折り畳み傘だったので関係なかったけど。
あとで知ったが、リストバンド交換列がすごい長さになっていたのは、入り口で係員が一人一人にリストバンドを巻いていたかららしい。アルバイトの女の子が殺気立った人波に泣きそうになりながら必死でバンドを巻いていたかと思うとかわいそうになってくる。
途中からリストバンドをただ渡すだけにしたら列の進みが速くなった模様。
会場に入れたのは12:30くらい。
9-11ホール外の駐車場にクロークが設置されていて、ホールの中から大ステージで10-FEETが演奏しているのが聞こえてくる。
クロークも大混雑で列がどこなのかもよくわからないので、ひとまずホールの中に入って会場の様子を確認。
外の行列がまだまだ長いので中はガラガラなんじゃないかと思ったが、10-FEETはほぼぎっしり人が入っていた。大ステージの収容人数はおよそ2万人くらいかと思われるが、明らかにイベント全体の収容人数より客の数が多すぎる気がする。
大ステージの後ろにある物販とフードのエリアはむちゃくちゃに混み合っていて、階段を登りながら見下ろしたときの人の頭で真っ黒な光景は、コミケの東西通路から西館に出て、一番混雑しているタイミングで西館1階ロビーを見下ろした時みたいだった(比喩がわかりにくいw)。
階段がやたら暗くて足元がおぼつかなく、CDJだったら絶対こういうところに照明があるのにな……と思う。CDJの気配りを感じた。
いったん9-11ホールの2階に上がり、建物の外に出て1-8ホールまで橋を渡る。中ステージがホール1にあり、小ステージ2つがホール3にあり、真ん中のホール2が物販とフードエリアになっている。
この、大ステージから小・中ステージまでの移動距離がかなり長い。日曜の8ホールだけバトスピの関東エリア大会で使われていて、それ以外のホールはどこも使われていなかったので、せめて1-3ホールじゃなくて4-6ホールを使ってくれていれば、もう少し移動距離が短くて済んだのに……というか、最初から1-8ホールだけ押さえればなんの問題もなかったのに。
1-8ホールの廊下にあるコインロッカーを全部見て回ったが空きがなかったので、仕方なく入り口まで戻ってクロークに荷物を預けることにする。さっきよりずっと列が長くなっていたが仕方がない。
1000円払って黒い袋をもらう。無駄にジップロックがついているロゴ入りの立派な袋だが、黒いから引き取るときに中身がわからなくて間違えやすいし、サイズも小さくて荷物を一杯入れるとせっかくのジップロックが閉まらない。CDJの25リットルごみ袋でいいのに……。
荷物を入れて、2階廊下にあったクローク棚へ預けに向かう。
廊下をふさぐ形で行列ができていて、1-8ホールへ向かう人が後ろの狭いすき間をすり抜けていくのがなかなかの惨状。
クロークの作りは見た目CDJと似ているが、やり方が大きく違う。
CDJでは、受付時に袋と番号札をくれる。袋に荷物を詰めるのと合わせて番号札に自分の名前と電話番号を書き、番号札と同じ番号の棚に行って荷物を預ける。名前と電話番号を書いた札は袋に張り付け、番号だけを引換証として受け取る。
荷物を引き取るときは、同じ棚に引換証を持って行く。係員に名前と電話番号を伝えると、袋に書いてあるものと照合したうえで袋を返してくれる。
今回デビロックでは、受付時にくれるのは袋だけ。なので、袋に詰めたら適当に手近な棚の前に並ぶことになるので、混雑度にムラができる。しかも、荷物を預ける際に一人ずつ番号札に名前と電話番号を書かされる。そこでまた時間がよけいにかかる。その番号札は複写式になっていて、係員は一方を袋に貼り、もう一方を引換証として渡してくれる。つまり引換証には名前と電話番号が書き込まれた状態になっている。
荷物を引き取る際には、引換証と同じ番号の袋を返してもらうだけ。
つまり、もしこの引換証を会場で落とし、誰か悪意のある人が拾った場合、他人の荷物を持ち帰ることが簡単にできる。悪意がなくても、終演後の混雑の中で違う袋を渡されるなどし、荷物が行方不明になったという例が実際にあったらしい。これは本当にありえない。
受付時に袋と一緒に番号札を渡すことも、荷物の受け取り時に本人確認をすることも、ごく簡単なことなのになぜやらないのか?
スタッフのうち誰一人としてCDJに行ったことがないわけはないだろう。どうして「CDJと同じやり方にしましょう」とならなかったのか?理解できない。
ともあれしばらくクロークの列に並んでいると、奥のからっぽで誰もいない棚のあたりにスタッフが何人もやってきて、円陣を組んで何やら話している。「何やってんだ? 反省会か? いいから早く受付増やせよ! この行列見えてんだろうが!!」と思う。
そして、新しい受付が増えそうだと見るや、行列の客がどっと横滑りしていく。また、手前のほうのテーブルでは「これ以上並ばれても受付できません! あと5人くらいしか空きがないです!」と係員が叫んでおり、そこに我慢強く並んでいた客たちが「(°Д°)ハァ?」って顔をしながら新しくできた受付の方に流れ、また列を作る。
というわけで、クロークもなかなかの惨状だったがひとまず荷物を預け終わり、大ホールに戻ってきたのは13:30。
入場が遅れたので10-FEETが30分押しで始まったらしく、さらに演奏中に最前列の柵が壊れて中断するというトラブルもあって、13:20開始予定だったLOW IQ 01もまだ始まる気配がない。
後ろのほうで座って待つ。会場内がけっこう寒く、長袖Tシャツにアウトドア用パーカーを着ていてもうすら寒かった。
20分遅れくらいでLOW IQ 01が始まる。
「俺は生中継やるよ!」みたいなMCをしていて、なんのこっちゃと思ったが、10-FEETなど多くのバンドは「アーティストの都合で」スカパー中継がなかったことをあとで知った。ホルモンやACIDMANやHIATUSなどかなりのバンドが放映されなかったらしいので、スカパーの前に正座して待ってた人にとってはガッカリだろうが、無料放送ならそんなものだろう。
会場内のスクリーンの画質がかなり良くて、曲が始まるたびに中継用に曲名が出るのが良かった。
10-FEETよりは圧倒的に空いていた。ってかこのイベントだったらTOTALFATが大ステージでLOW IQ 01は中ステージでもよかったんじゃ……。
見終わってから、中ステージのほうへ移動。
わかってはいたけど、クロークにコートを預けた後で建物の外を通らなきゃいけないのはかなり厳しい。半袖1枚の人とか、氷の入った飲み物を飲みながら歩いてる人とかいたけど、すごいなぁ。
フードエリアが大混雑でとても食べられそうにないので、2階通路の途中にあったメッセの売店で唐揚げ串200円、チュリトス300円、おにぎり150円を買って食べる。ペットボトルが300円という暴利にびっくりした。CDJのときに200円でも高いと思ってたのに……。
15時過ぎ、すでに始まっていた中ステージのMAN WITH A MISSIONに入る。前方は入場規制がかかってたけど後方は大丈夫。それでもかなり人が入ってた。
狼のマスクをかぶってて最近人気急上昇のバンドということくらいしか知らなかったんだけど、思ったよりキャッチーな曲でかなり好感触。「Smells Like Teen Spirit」がノリノリだった。
あのマスクはビークルのお面みたいなもので、最初だけつけてて演奏中は暑いから脱ぐんだろうと思ってたら、律儀に最後までずっとかぶっていた。
ただスクリーンに顔を映せないらしく、スクリーンには常に下が見切れた状態の狼のアップか、ギターの首から下か、ドラムの背中くらいしか写っていなくて、シュールだった。
続いて今日の本命、16時からのTOTALFATを待つ。
中ステージには転換の間にDJがいて大音量で音楽をかけているので、会話はしづらいけど、退屈せずに待っていられるのはいい。
最初は真ん中へんにいたけど、前方ブロックの客が出て行ったらガラガラになったのでそっちに移動する。
このステージの客入れ替えの動線もやや疑問で、両端にある狭い通路だけを通って出入りしなければならず、必然的にノロノロした行列になり、行儀の悪い客がどんどん柵を飛び越えていくから危ない。一方、中央には広い横長の空間ががらんとあいている。最初は通路だと思っていたがよく見たら立ち入り禁止で、何のためのスペースなのか不明。
CDJのときもアースステージを出るときはそこそこ渋滞になるけど、それでもあれだけの人数をスムーズに出し入れしているのって、実は相当すごいことなのだなと気付いた。デビロックと比較してCDJ(というか運営のロッキン・オン)のすごさが浮き彫りになった。
あと、会場内がやたら汚いのも違いを感じるところ。清掃スタッフがいないのかゴミ箱が少ないのかそもそも客の質が違うのか、あちこちにゴミや水のこぼれた跡がある。
禁止なのにステージの写真を撮ってる客がやたら多いところを見ると、客の質が大きいのかも……。
やっぱり少し押してTOTALFATが始まった。
最初からOVERDRIVEで飛ばし、頭をからっぽにして思い切り歌って踊って楽しめる音楽だった。満足。
サマーフリークエンスでタオルを投げるのがすごい好きなんだけど、あんまり投げてる人いなかった。それどころじゃないのだろうか。下手に投げるとタオルなくしそうになるしな……。
大ホールのホルモンへ民族大移動。CDJではホルモンでアースが入場規制になったので今回も入れなくなるんじゃないかと思っていたが、後ろの方なら大丈夫だった。ただ、最後方ブロックはエコーがひどくて音が二重になるし、MCで何言ってるかよく聞き取れない。「ムックとワンオクにデブが挟まれて、汚しに来ました」とか言ってた。
いつも思うけどみんなで頭を振ってる光景は、ライティングが赤いせいもあって非常に宗教っぽい。
このあとワンオク、ブラフマンと続くので見たい気持ちもあったけど、会場に入るときのあれこれでくたびれてしまったし、どっちかというと明日が本番なので、今日は大事を取って18:30くらいで引き上げることに。
2月26日(日)2日目
今日はスムーズに中に入れたが、昨日よりかなり客の数自体が少ない。
クロークの袋が昨日と一緒だったので、流用すれば1000円浮くかと思ったが、昨日貼られた番号札をきれいにはがすことができなかったので、あきらめて新しい袋を買い、2階に預ける。
12時からのBirthdayを後ろの方で待つ。
最初に挨拶も何もなく、時間ぴったりに唐突に始まった。
ライジングサンのときにピザを食べながら聞いてたのを覚えているが、相変わらずやたら渋くてカッコイイ。
続いてストレイテナー。やっぱり全体的に人が少なめなので前のブロックに行く。昨日はありえない列だったトイレも、このときはほとんど並ばなかった。
左から人が入ってくるから右は空いてて、ホリエ側の前方5列目くらいに行く。ホリエさん「オレ人気ないな」と思うだろうか……。
キングメイカーはライブで初めて聴いたがかなりカッコ良かった。
最近聞いてないディスコグラフィとイノセントをやってくれてうれしかった。やはり名曲。
最後にメロストとバーサーカーで締めるのは定番で「いやーよかったねー」という感じで終われるのはいいけど、いつまでもこれらの古い曲に頼っていてはいけないという説も。
近かったのでホリエさんが絶唱してるのがよく見えたし、OJも楽しそうに煽りに来てくれた。満足。
次は9mmだけど、フェスでいつも見てるし新規発掘ということで、中ステージのPay money To my Painに行く。ちなみにミリも知らない。
外見はかなりパンクっぽい。ボーカルがキャップかぶっててマイクを下向きに持って、腕全体と首回りにびっしり刺青がある。喉仏に刺青入れるなんてすごく大変そうだ。
その外見イメージにふさわしいデス調のやかましい中に、美メロが入ってきて雰囲気が変わる。Picturesという曲が特に美メロ。
続いてNCISなのでそのまま待つんだけど、この時のDJが喋りっぱなしでめちゃめちゃうるさかった。客が入れ替えで出ていくときに「行きたい奴は行けばいいけどさ」みたいなことを言ったり、「レゲエもノレるんだぜ、全然知らない曲でもイイと思える奴は手を挙げろ」とか「音楽がなかったら生きていけないって奴はどこにいるんだ」とか、ひっきりなしに客に呼びかけているのが押しつけがましく、いちいち無視するのにもストレスがたまる。とにかくいちいち喋らないで曲だけかけててくれよという感じ。
待ちくたびれた頃に少し押してNCISが始まる。
うぶギターの音量が大きくてボーカルが小さく、バランスが悪い気がした。CDJでもそうだったので、みんなギターが聞きたいってことなんだろうけど……。
相変わらずおにいのドラムは正確で安定感がある。NCISは演奏は文句なくうまいし歌も太い声で力があり、曲もそこそこキャッチー。なのにどうしていつまでも中ステージ、ギャラクシーステージサイズなのだろうか。もっと売れてもいいのに、というかELLEファンが流れてきてたらもっと客は多いはずなのに流れてきてないのはなぜだろう。
このあとご飯タイム。小中ホールの方はあまりめぼしいものがなくて、パスタにした。明太子800円。ゆでてある麺を湯通ししてソースをつけるだけで、冷凍パスタみたいな味。まずくはないけど、せいぜい400円ってところ。800円払うなら、一切れ300円のピザを2つ食べるのが正解だったかも。
次のUNISON SQUARE GARDENが始まるまで小ステージの反対側でやっているTHE MACKSHOWというバンドを聞きながら待つ。リーゼントにサングラスに黒い革ジャンを着たスリーピースで、音楽はロカビリー。そこそこ年季の入ったベテランっぽくて、声もいいし演奏もうまくてノリノリ。最前列にいるお姉さんも黒い革ジャン着てる。
15分押しでUNISONが始まる。「俺たち浮いてない?」というMC。このボーカルの、高音を操る歌のうまさはシリアルのトツに並ぶ。さわやか系だがかなり盛り上がっていた。
18:20からスペアザが始まるので、出口付近で様子を見ながら25分くらいに中ステージに移動。前方は規制で後ろの方にしか入れなかった。
AIMSで始まったが、こんなに回りが盛り上がってないAIMSは初めてで、やっぱりアウェーなんだなと思った。また、人が多くて服に吸い込まれるのか音がやたらとモワモワしていた。
アドリブを差し挟みながらPBをやって、「コラボイヤーはもう終わったんですけど、せっかく最後なので」とオオキ・ホリエを呼ぶ。ハンドマイクで二人似たような帽子をかぶっている。
音がとりづらそうで耳を押さえて歌っていた。聞けたのは貴重だし嬉しかったんだけど全体的に音がこもっていて残念。
次にモンゴル800のキヨサクの曲をしみじみとやって4曲で終了。
そのあとDJの鹿野さんが飛び出してきて「東京マラソン4時間半で走り終えてから来ました!ランナーズハイです!」と言ってて、すげーなと思った。
大ステージへ行こうとホールを出るとき、小ステージから「スペシャルゲスト、TK」って声が聞こえて、「TKって誰だよ、小室哲哉かよwww」時雨のTKならまだありえるけど、まぁ聞き間違いだろうって笑ってたら、帰ってからツイッターで本当に小室哲哉が来ていたと知って驚愕した。カイキゲッショクのステージに白塗りメイクして出てたらしい。今ってそんなこともしてんのか。
20時からのACIDMANは右横前方で見た。曲名の字幕が出なくなってた。放送しないからか?
オープニングの手拍子で迎え入れる演出はかっこいい。
インストや知らない曲をやり、ちょっと珍しいセットリスト。
「終わりがあれば必ず始まりがあります、でもACIDMANは終わらないので……今日のライブは1回終わりますけど」とか、「まだまだやめるつもりはないんで」とか、2回も言った。そんなにベスト盤を出すと解散するって思われるのか?
次が最後のHIATUSだけど、その前にクロークに荷物を取りに行き、中くらいの位置に戻ってくる。21:20スタートと時間が遅いのでけっこう帰る人も多く、フロアに余裕がある。
21:30過ぎに始まり、客席からの「大丈夫?」的な呼びかけに答えたMCで「バレてんのか、じゃあしょうがないな。おとといくらいに全然声が出なくなっちゃって。星のめぐりって言うのか、こういう大事なときに一番いいコンディションでライブできる人もいれば俺みたいに全然ダメな人もいて」と言ってて、そう言われれば声の調子が悪そうだった。ただMCのかすれ具合よりは歌ってる時のほうが平気そう。「俺のこと大嫌いって奴もいるだろうけど、今日だけ力を貸してほしい、一緒に歌ってくれたら嬉しい」と言い、最後のほうで「みんな歌ってくれてありがとう。お返しに、お前たちがなんか困ったことがあったら俺が絶対助けるからな!」的なすごい頼もしい発言があって、ファンの心をつかむのがうまいなぁと思った。
苦しそうながらも美しい歌を必死に歌い続ける姿が、24時間テレビでボロボロになりながらゴールへ向かうマラソンじみて、謎の感動を生みだす。
私も広い空間に両腕を伸ばし、空に向かってエネルギーを送りだすように歌う。
どんなバンドも目の前で見れば感動するものだけど(目の前で見てもダメなレベルのライブを見に行くことはない)、これだけステージから距離が離れていても打ちのめされる圧倒的なバンドはHIATUSと東京事変だけ。
「東京に出てきてから友達って言える人は5、6人しかいないけど、遠藤さんはそのうちの一人で兄貴のように慕ってて」といったMCがあり、アンコールで一人だけ出てきたときに「アニキぃ……」と言いながら崩れ落ち、袖から出てきた遠藤さんに支えられて2回も抱き合うという名場面があって、涙をぬぐいながら「今日が人生で一番カッコ悪いことになっちゃってもいーや」と言って西門の昧爽のアコースティックバージョンを歌った。すごいきれいだったけど、音源探しても見つからなかった。DVDとかに入ってるんじゃないかと思ったが、DVD自体新しいのが出てないっぽい?
ダブルアンコールにこたえて遠藤さんが出てきて「(細美さんは)もう歌えないと思います」と言ってから、「今まで15年ありがとう」みたいな挨拶をした。
今回のイベントではいろんなバンドがしきりに「遠藤さんありがとう」と持ち上げていたけど、だったら責任者としてウェブサイトのトップに謝罪文を出すなり、2日目冒頭のステージで喋るなり、お客さんにいろいろ迷惑をかけたことに対して何らかの誠意を見せてほしかった。この挨拶でも特にそういったコメントはなく、たぶんアーティストたちに対しては世話も焼いているだろうしいい人なんだろうけど、お客の楽しさとか快適さとかはろくに考えてないんだろうなあ、と思った。私はこの人がどういう人かもよく知らないで適当に言ってるけど。
2日目は客が少なかったので1日目のことが嘘のように快適だったし、そもそも大規模野外フェスとかだったら1日目のゴタゴタなんて目じゃないくらい過酷なんだろうし、これで最後なんだから別にいいっちゃいいけど、面子やライブそのものが良かっただけに運営が本当にもったいなかった。CDJの快適さに慣れすぎているなぁと思った。
去年も行ったんだけど、去年の会場はさいたまスーパーアリーナで、入るときにドリンク代を取られてペットボトル持ち込み禁止だったことと、昼休みに謎のプロレスイベントをやってたこと以外はなかなか良いイベントだった。
今年は最後ということで、場所を幕張メッセに移しステージ4つで2日間開催とフェスなみの大きさになり、メンバーも豪華だったので行った。2日通し券13,000円。
2月25日(土)1日目
12:00スタートの10-FEETか、12:30のMONOBRIGHTに間に合ったらいいなくらいの気持ちで、11:30に海浜幕張に到着。
CDJと比べるとハーフパンツにタイツといった軽装の若者客が多く、暴れる気満々という雰囲気が漂う。
会場へ向かう道を歩き始めるとすぐに「リストバンド交換列最後尾」という札を持ってやってくるスタッフとすれ違う。まだここからメッセまで相当距離があるのに、なんでそんな札がいるんだ!?とガクブルしながら、誘導に従って橋を渡り、9-11ホールに近づいて行くと、橋の途中で人波が止まる。そこからぎっしりと行列ができている模様。なんだこれ……。
行列の長さは橋を渡り終えてから1-8ホールのほうまでずーっと伸び(列の幅は6メートルくらい)、ホール入り口手前で折り返してまたずーっと伸び、最後に階段を下りて11ホールの端でリストバンド交換して入るようになっている。現時点で1キロは確実にあり、あとからあとから人が押し寄せて最後は3キロくらいの列になったらしい。
また、リストバンド交換の列とは別に、9-11ホールの壁沿いにも列ができていて、こっちの最後尾は1-8ホールの階段下(CDJにおける場外グッズ売り場)にあるのだが、こっちは駅から橋を渡らずに1-8ホール方面に直進した人たちのリストバンド交換列だった。
開場は11時のはずで、たまに少しだけ列が動くので一応中に入ってはいるようだが、このペースで進んでいたら中に入るのに1時間はかかるだろう。明らかに間に合わない10-FEETファンが気の毒だ。
スタッフがたまにいるんだけど特に何もしていなくて、この列に並んでいるとこのあとどうなるのかとかがわからず不安が募る。ただ、雨がやんでいたのだけは救いだった。
エモいバンドを聞きにきているわりにはみんなおとなしく列に並んでいて、根は真面目な日本人らしい。
列の長さ的にはコミケに比べたらどうってことないが、コミケの1/10しか人がいないのに、動線誘導のレベルはコミケの1/10。
列が1-8ホール前で折り返したあたりで突然列の進むスピードが速くなり、走りながら進む。階段を下りると入り口前にずらっと低い柵が並び、「傘置き場」と張り紙がしてある。柵にぎっしり傘がかけてあって、回収するときにどれが誰のだか絶対わからない状態になっていた。私は折り畳み傘だったので関係なかったけど。
あとで知ったが、リストバンド交換列がすごい長さになっていたのは、入り口で係員が一人一人にリストバンドを巻いていたかららしい。アルバイトの女の子が殺気立った人波に泣きそうになりながら必死でバンドを巻いていたかと思うとかわいそうになってくる。
途中からリストバンドをただ渡すだけにしたら列の進みが速くなった模様。
会場に入れたのは12:30くらい。
9-11ホール外の駐車場にクロークが設置されていて、ホールの中から大ステージで10-FEETが演奏しているのが聞こえてくる。
クロークも大混雑で列がどこなのかもよくわからないので、ひとまずホールの中に入って会場の様子を確認。
外の行列がまだまだ長いので中はガラガラなんじゃないかと思ったが、10-FEETはほぼぎっしり人が入っていた。大ステージの収容人数はおよそ2万人くらいかと思われるが、明らかにイベント全体の収容人数より客の数が多すぎる気がする。
大ステージの後ろにある物販とフードのエリアはむちゃくちゃに混み合っていて、階段を登りながら見下ろしたときの人の頭で真っ黒な光景は、コミケの東西通路から西館に出て、一番混雑しているタイミングで西館1階ロビーを見下ろした時みたいだった(比喩がわかりにくいw)。
階段がやたら暗くて足元がおぼつかなく、CDJだったら絶対こういうところに照明があるのにな……と思う。CDJの気配りを感じた。
いったん9-11ホールの2階に上がり、建物の外に出て1-8ホールまで橋を渡る。中ステージがホール1にあり、小ステージ2つがホール3にあり、真ん中のホール2が物販とフードエリアになっている。
この、大ステージから小・中ステージまでの移動距離がかなり長い。日曜の8ホールだけバトスピの関東エリア大会で使われていて、それ以外のホールはどこも使われていなかったので、せめて1-3ホールじゃなくて4-6ホールを使ってくれていれば、もう少し移動距離が短くて済んだのに……というか、最初から1-8ホールだけ押さえればなんの問題もなかったのに。
1-8ホールの廊下にあるコインロッカーを全部見て回ったが空きがなかったので、仕方なく入り口まで戻ってクロークに荷物を預けることにする。さっきよりずっと列が長くなっていたが仕方がない。
1000円払って黒い袋をもらう。無駄にジップロックがついているロゴ入りの立派な袋だが、黒いから引き取るときに中身がわからなくて間違えやすいし、サイズも小さくて荷物を一杯入れるとせっかくのジップロックが閉まらない。CDJの25リットルごみ袋でいいのに……。
荷物を入れて、2階廊下にあったクローク棚へ預けに向かう。
廊下をふさぐ形で行列ができていて、1-8ホールへ向かう人が後ろの狭いすき間をすり抜けていくのがなかなかの惨状。
クロークの作りは見た目CDJと似ているが、やり方が大きく違う。
CDJでは、受付時に袋と番号札をくれる。袋に荷物を詰めるのと合わせて番号札に自分の名前と電話番号を書き、番号札と同じ番号の棚に行って荷物を預ける。名前と電話番号を書いた札は袋に張り付け、番号だけを引換証として受け取る。
荷物を引き取るときは、同じ棚に引換証を持って行く。係員に名前と電話番号を伝えると、袋に書いてあるものと照合したうえで袋を返してくれる。
今回デビロックでは、受付時にくれるのは袋だけ。なので、袋に詰めたら適当に手近な棚の前に並ぶことになるので、混雑度にムラができる。しかも、荷物を預ける際に一人ずつ番号札に名前と電話番号を書かされる。そこでまた時間がよけいにかかる。その番号札は複写式になっていて、係員は一方を袋に貼り、もう一方を引換証として渡してくれる。つまり引換証には名前と電話番号が書き込まれた状態になっている。
荷物を引き取る際には、引換証と同じ番号の袋を返してもらうだけ。
つまり、もしこの引換証を会場で落とし、誰か悪意のある人が拾った場合、他人の荷物を持ち帰ることが簡単にできる。悪意がなくても、終演後の混雑の中で違う袋を渡されるなどし、荷物が行方不明になったという例が実際にあったらしい。これは本当にありえない。
受付時に袋と一緒に番号札を渡すことも、荷物の受け取り時に本人確認をすることも、ごく簡単なことなのになぜやらないのか?
スタッフのうち誰一人としてCDJに行ったことがないわけはないだろう。どうして「CDJと同じやり方にしましょう」とならなかったのか?理解できない。
ともあれしばらくクロークの列に並んでいると、奥のからっぽで誰もいない棚のあたりにスタッフが何人もやってきて、円陣を組んで何やら話している。「何やってんだ? 反省会か? いいから早く受付増やせよ! この行列見えてんだろうが!!」と思う。
そして、新しい受付が増えそうだと見るや、行列の客がどっと横滑りしていく。また、手前のほうのテーブルでは「これ以上並ばれても受付できません! あと5人くらいしか空きがないです!」と係員が叫んでおり、そこに我慢強く並んでいた客たちが「(°Д°)ハァ?」って顔をしながら新しくできた受付の方に流れ、また列を作る。
というわけで、クロークもなかなかの惨状だったがひとまず荷物を預け終わり、大ホールに戻ってきたのは13:30。
入場が遅れたので10-FEETが30分押しで始まったらしく、さらに演奏中に最前列の柵が壊れて中断するというトラブルもあって、13:20開始予定だったLOW IQ 01もまだ始まる気配がない。
後ろのほうで座って待つ。会場内がけっこう寒く、長袖Tシャツにアウトドア用パーカーを着ていてもうすら寒かった。
20分遅れくらいでLOW IQ 01が始まる。
「俺は生中継やるよ!」みたいなMCをしていて、なんのこっちゃと思ったが、10-FEETなど多くのバンドは「アーティストの都合で」スカパー中継がなかったことをあとで知った。ホルモンやACIDMANやHIATUSなどかなりのバンドが放映されなかったらしいので、スカパーの前に正座して待ってた人にとってはガッカリだろうが、無料放送ならそんなものだろう。
会場内のスクリーンの画質がかなり良くて、曲が始まるたびに中継用に曲名が出るのが良かった。
10-FEETよりは圧倒的に空いていた。ってかこのイベントだったらTOTALFATが大ステージでLOW IQ 01は中ステージでもよかったんじゃ……。
見終わってから、中ステージのほうへ移動。
わかってはいたけど、クロークにコートを預けた後で建物の外を通らなきゃいけないのはかなり厳しい。半袖1枚の人とか、氷の入った飲み物を飲みながら歩いてる人とかいたけど、すごいなぁ。
フードエリアが大混雑でとても食べられそうにないので、2階通路の途中にあったメッセの売店で唐揚げ串200円、チュリトス300円、おにぎり150円を買って食べる。ペットボトルが300円という暴利にびっくりした。CDJのときに200円でも高いと思ってたのに……。
15時過ぎ、すでに始まっていた中ステージのMAN WITH A MISSIONに入る。前方は入場規制がかかってたけど後方は大丈夫。それでもかなり人が入ってた。
狼のマスクをかぶってて最近人気急上昇のバンドということくらいしか知らなかったんだけど、思ったよりキャッチーな曲でかなり好感触。「Smells Like Teen Spirit」がノリノリだった。
あのマスクはビークルのお面みたいなもので、最初だけつけてて演奏中は暑いから脱ぐんだろうと思ってたら、律儀に最後までずっとかぶっていた。
ただスクリーンに顔を映せないらしく、スクリーンには常に下が見切れた状態の狼のアップか、ギターの首から下か、ドラムの背中くらいしか写っていなくて、シュールだった。
続いて今日の本命、16時からのTOTALFATを待つ。
中ステージには転換の間にDJがいて大音量で音楽をかけているので、会話はしづらいけど、退屈せずに待っていられるのはいい。
最初は真ん中へんにいたけど、前方ブロックの客が出て行ったらガラガラになったのでそっちに移動する。
このステージの客入れ替えの動線もやや疑問で、両端にある狭い通路だけを通って出入りしなければならず、必然的にノロノロした行列になり、行儀の悪い客がどんどん柵を飛び越えていくから危ない。一方、中央には広い横長の空間ががらんとあいている。最初は通路だと思っていたがよく見たら立ち入り禁止で、何のためのスペースなのか不明。
CDJのときもアースステージを出るときはそこそこ渋滞になるけど、それでもあれだけの人数をスムーズに出し入れしているのって、実は相当すごいことなのだなと気付いた。デビロックと比較してCDJ(というか運営のロッキン・オン)のすごさが浮き彫りになった。
あと、会場内がやたら汚いのも違いを感じるところ。清掃スタッフがいないのかゴミ箱が少ないのかそもそも客の質が違うのか、あちこちにゴミや水のこぼれた跡がある。
禁止なのにステージの写真を撮ってる客がやたら多いところを見ると、客の質が大きいのかも……。
やっぱり少し押してTOTALFATが始まった。
最初からOVERDRIVEで飛ばし、頭をからっぽにして思い切り歌って踊って楽しめる音楽だった。満足。
サマーフリークエンスでタオルを投げるのがすごい好きなんだけど、あんまり投げてる人いなかった。それどころじゃないのだろうか。下手に投げるとタオルなくしそうになるしな……。
大ホールのホルモンへ民族大移動。CDJではホルモンでアースが入場規制になったので今回も入れなくなるんじゃないかと思っていたが、後ろの方なら大丈夫だった。ただ、最後方ブロックはエコーがひどくて音が二重になるし、MCで何言ってるかよく聞き取れない。「ムックとワンオクにデブが挟まれて、汚しに来ました」とか言ってた。
いつも思うけどみんなで頭を振ってる光景は、ライティングが赤いせいもあって非常に宗教っぽい。
このあとワンオク、ブラフマンと続くので見たい気持ちもあったけど、会場に入るときのあれこれでくたびれてしまったし、どっちかというと明日が本番なので、今日は大事を取って18:30くらいで引き上げることに。
2月26日(日)2日目
今日はスムーズに中に入れたが、昨日よりかなり客の数自体が少ない。
クロークの袋が昨日と一緒だったので、流用すれば1000円浮くかと思ったが、昨日貼られた番号札をきれいにはがすことができなかったので、あきらめて新しい袋を買い、2階に預ける。
12時からのBirthdayを後ろの方で待つ。
最初に挨拶も何もなく、時間ぴったりに唐突に始まった。
ライジングサンのときにピザを食べながら聞いてたのを覚えているが、相変わらずやたら渋くてカッコイイ。
続いてストレイテナー。やっぱり全体的に人が少なめなので前のブロックに行く。昨日はありえない列だったトイレも、このときはほとんど並ばなかった。
左から人が入ってくるから右は空いてて、ホリエ側の前方5列目くらいに行く。ホリエさん「オレ人気ないな」と思うだろうか……。
キングメイカーはライブで初めて聴いたがかなりカッコ良かった。
最近聞いてないディスコグラフィとイノセントをやってくれてうれしかった。やはり名曲。
最後にメロストとバーサーカーで締めるのは定番で「いやーよかったねー」という感じで終われるのはいいけど、いつまでもこれらの古い曲に頼っていてはいけないという説も。
近かったのでホリエさんが絶唱してるのがよく見えたし、OJも楽しそうに煽りに来てくれた。満足。
次は9mmだけど、フェスでいつも見てるし新規発掘ということで、中ステージのPay money To my Painに行く。ちなみにミリも知らない。
外見はかなりパンクっぽい。ボーカルがキャップかぶっててマイクを下向きに持って、腕全体と首回りにびっしり刺青がある。喉仏に刺青入れるなんてすごく大変そうだ。
その外見イメージにふさわしいデス調のやかましい中に、美メロが入ってきて雰囲気が変わる。Picturesという曲が特に美メロ。
続いてNCISなのでそのまま待つんだけど、この時のDJが喋りっぱなしでめちゃめちゃうるさかった。客が入れ替えで出ていくときに「行きたい奴は行けばいいけどさ」みたいなことを言ったり、「レゲエもノレるんだぜ、全然知らない曲でもイイと思える奴は手を挙げろ」とか「音楽がなかったら生きていけないって奴はどこにいるんだ」とか、ひっきりなしに客に呼びかけているのが押しつけがましく、いちいち無視するのにもストレスがたまる。とにかくいちいち喋らないで曲だけかけててくれよという感じ。
待ちくたびれた頃に少し押してNCISが始まる。
うぶギターの音量が大きくてボーカルが小さく、バランスが悪い気がした。CDJでもそうだったので、みんなギターが聞きたいってことなんだろうけど……。
相変わらずおにいのドラムは正確で安定感がある。NCISは演奏は文句なくうまいし歌も太い声で力があり、曲もそこそこキャッチー。なのにどうしていつまでも中ステージ、ギャラクシーステージサイズなのだろうか。もっと売れてもいいのに、というかELLEファンが流れてきてたらもっと客は多いはずなのに流れてきてないのはなぜだろう。
このあとご飯タイム。小中ホールの方はあまりめぼしいものがなくて、パスタにした。明太子800円。ゆでてある麺を湯通ししてソースをつけるだけで、冷凍パスタみたいな味。まずくはないけど、せいぜい400円ってところ。800円払うなら、一切れ300円のピザを2つ食べるのが正解だったかも。
次のUNISON SQUARE GARDENが始まるまで小ステージの反対側でやっているTHE MACKSHOWというバンドを聞きながら待つ。リーゼントにサングラスに黒い革ジャンを着たスリーピースで、音楽はロカビリー。そこそこ年季の入ったベテランっぽくて、声もいいし演奏もうまくてノリノリ。最前列にいるお姉さんも黒い革ジャン着てる。
15分押しでUNISONが始まる。「俺たち浮いてない?」というMC。このボーカルの、高音を操る歌のうまさはシリアルのトツに並ぶ。さわやか系だがかなり盛り上がっていた。
18:20からスペアザが始まるので、出口付近で様子を見ながら25分くらいに中ステージに移動。前方は規制で後ろの方にしか入れなかった。
AIMSで始まったが、こんなに回りが盛り上がってないAIMSは初めてで、やっぱりアウェーなんだなと思った。また、人が多くて服に吸い込まれるのか音がやたらとモワモワしていた。
アドリブを差し挟みながらPBをやって、「コラボイヤーはもう終わったんですけど、せっかく最後なので」とオオキ・ホリエを呼ぶ。ハンドマイクで二人似たような帽子をかぶっている。
音がとりづらそうで耳を押さえて歌っていた。聞けたのは貴重だし嬉しかったんだけど全体的に音がこもっていて残念。
次にモンゴル800のキヨサクの曲をしみじみとやって4曲で終了。
そのあとDJの鹿野さんが飛び出してきて「東京マラソン4時間半で走り終えてから来ました!ランナーズハイです!」と言ってて、すげーなと思った。
大ステージへ行こうとホールを出るとき、小ステージから「スペシャルゲスト、TK」って声が聞こえて、「TKって誰だよ、小室哲哉かよwww」時雨のTKならまだありえるけど、まぁ聞き間違いだろうって笑ってたら、帰ってからツイッターで本当に小室哲哉が来ていたと知って驚愕した。カイキゲッショクのステージに白塗りメイクして出てたらしい。今ってそんなこともしてんのか。
20時からのACIDMANは右横前方で見た。曲名の字幕が出なくなってた。放送しないからか?
オープニングの手拍子で迎え入れる演出はかっこいい。
インストや知らない曲をやり、ちょっと珍しいセットリスト。
「終わりがあれば必ず始まりがあります、でもACIDMANは終わらないので……今日のライブは1回終わりますけど」とか、「まだまだやめるつもりはないんで」とか、2回も言った。そんなにベスト盤を出すと解散するって思われるのか?
次が最後のHIATUSだけど、その前にクロークに荷物を取りに行き、中くらいの位置に戻ってくる。21:20スタートと時間が遅いのでけっこう帰る人も多く、フロアに余裕がある。
21:30過ぎに始まり、客席からの「大丈夫?」的な呼びかけに答えたMCで「バレてんのか、じゃあしょうがないな。おとといくらいに全然声が出なくなっちゃって。星のめぐりって言うのか、こういう大事なときに一番いいコンディションでライブできる人もいれば俺みたいに全然ダメな人もいて」と言ってて、そう言われれば声の調子が悪そうだった。ただMCのかすれ具合よりは歌ってる時のほうが平気そう。「俺のこと大嫌いって奴もいるだろうけど、今日だけ力を貸してほしい、一緒に歌ってくれたら嬉しい」と言い、最後のほうで「みんな歌ってくれてありがとう。お返しに、お前たちがなんか困ったことがあったら俺が絶対助けるからな!」的なすごい頼もしい発言があって、ファンの心をつかむのがうまいなぁと思った。
苦しそうながらも美しい歌を必死に歌い続ける姿が、24時間テレビでボロボロになりながらゴールへ向かうマラソンじみて、謎の感動を生みだす。
私も広い空間に両腕を伸ばし、空に向かってエネルギーを送りだすように歌う。
どんなバンドも目の前で見れば感動するものだけど(目の前で見てもダメなレベルのライブを見に行くことはない)、これだけステージから距離が離れていても打ちのめされる圧倒的なバンドはHIATUSと東京事変だけ。
「東京に出てきてから友達って言える人は5、6人しかいないけど、遠藤さんはそのうちの一人で兄貴のように慕ってて」といったMCがあり、アンコールで一人だけ出てきたときに「アニキぃ……」と言いながら崩れ落ち、袖から出てきた遠藤さんに支えられて2回も抱き合うという名場面があって、涙をぬぐいながら「今日が人生で一番カッコ悪いことになっちゃってもいーや」と言って西門の昧爽のアコースティックバージョンを歌った。すごいきれいだったけど、音源探しても見つからなかった。DVDとかに入ってるんじゃないかと思ったが、DVD自体新しいのが出てないっぽい?
ダブルアンコールにこたえて遠藤さんが出てきて「(細美さんは)もう歌えないと思います」と言ってから、「今まで15年ありがとう」みたいな挨拶をした。
今回のイベントではいろんなバンドがしきりに「遠藤さんありがとう」と持ち上げていたけど、だったら責任者としてウェブサイトのトップに謝罪文を出すなり、2日目冒頭のステージで喋るなり、お客さんにいろいろ迷惑をかけたことに対して何らかの誠意を見せてほしかった。この挨拶でも特にそういったコメントはなく、たぶんアーティストたちに対しては世話も焼いているだろうしいい人なんだろうけど、お客の楽しさとか快適さとかはろくに考えてないんだろうなあ、と思った。私はこの人がどういう人かもよく知らないで適当に言ってるけど。
2日目は客が少なかったので1日目のことが嘘のように快適だったし、そもそも大規模野外フェスとかだったら1日目のゴタゴタなんて目じゃないくらい過酷なんだろうし、これで最後なんだから別にいいっちゃいいけど、面子やライブそのものが良かっただけに運営が本当にもったいなかった。CDJの快適さに慣れすぎているなぁと思った。
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