九州旅行記前半

2010年11月23日
九州旅行記前半
九州旅行記前半
母親と2人で3泊4日の九州旅行に行ってきた。
パックツアーだったら安く上がったろうけど、行きたいところにだけ行き、食べたいものを食べるということで自分でプランを組んだ。
プランを考え始めたのは9月ごろなんだけど、その時点で長崎の軍艦島ツアー予約が2か月先でもほとんど満席になっており、その予約がとれる日程を優先してほかを固めていった。
ついでに全8ページの「旅のしおり」をインデザインで作った。

11/14(日)別府地獄めぐり

早起きして7:20くらいに家を出、8:30に羽田空港に着く。
超早割でチケットを予約したときに席を確保してなかったので、窓際が取れなかった。
中で食べるために豆パンをそれぞれ買って、端っこのターミナルから9:20の飛行機に乗る。
海外旅行で乗る国内線みたいな小さい機体で、反対側の非常口席が空いてたので母親はそっちに移り、寝不足だった私はずっと寝ていた。

11:35に大分空港に着き、そのままバスに乗って、ファミレスやショッピングセンターの並ぶ国道沿いにある、別府北浜バスターミナルで12:00ごろ下車。
海辺に昔からの温泉ホテルが並んでいるが、全体にかなり古びていて、阿寒湖温泉と同じ雰囲気を感じる。

13:00から別府地獄めぐり観光バスに乗る予定なので、1時間の余裕がある。
まず今夜泊まる花菱ホテルに荷物を預けて、近くの竹瓦温泉を見に行く。
ここは有名な古い公衆浴場で、建物がとても立派。窓が開いてて、中の男湯脱衣所が見える……。
砂湯もあるが、今は工事中だった。

周囲のややさびれたスナック街を歩くと、波止場神社というのがあって、まるで放棄されたようにがらんとして何もないが、格子組みの天井にはかつて立派だったろう絵がたくさん描いてあった。
バスターミナルの向かいにトキハという大きいスーパーがあったので、その地下で昼ご飯を調達する。
小さいいなりずしとからあげを買い、バスターミナルに併設されているホテルのロビーで食べる。

13:00発の、別府地獄めぐり定期観光バスに乗る。
バスガイドのお姉さんの滑舌がかなり悪く、台詞が圧縮されたように詰まっていて聞き取りにくい。まぁそんなに人材がいるわけでもないだろうし、若い女の子なら誰でもいいって感じなんだろうな。
お客の中に、ガイドさんのどんな説明にもいちいち大声で相槌をうつ子どもがいて、お姉さんが大ウケだった。
「昔からの伝統である七五調でのアナウンス」というのが名物らしく、時おり短歌の読み上げみたいに甲高い声で言葉尻を伸ばして歌うように文句を唱えるが、いまいち七五調には聞こえなかった。

別府地獄というのは、全部で8か所あり、6つはほぼ隣り合っていてあと2つはちょっと離れている。それぞれが温泉の源泉で、噴き出す様子が観光名所になっている。
1つずつ入るとそれぞれ400円前後の入場料をとられるが、8つ全部の共通券は2000円。バスツアーの料金は3600円なので、往復バスとガイドさんの分が1600円ということになる。

そこらじゅうの家並み(瓦屋根ばかり)からもくもくと白い煙があがっている、いかにも別府らしい景色を見ながら山を登り、鉄輪温泉へ。
バスを降り、ガイドさんに連れられて歩く。

1つ目は海地獄。
入り口には鮮やかなピンクや紫に咲く熱帯スイレンと、体重20キロまでの子どもが乗れるサイズにまで成長するオオオニバスの池があり、その奥にもうもうと煙をあげる源泉がある。煙の晴れ間からきれいなトルコブルーの水面が見える。
温泉卵を作るための籠が温泉に漬けてあった。

2つ目は坊主地獄。
泥からボコボコと硫黄くさいガスが湧いていて、丸く膨らむ様子から坊主の名がついたらしい。
阿寒湖の「ボッコ」もこれと同じだった。
湧きあがってブハッと崩れるところを写真に撮ろうとするが、カメラを向けるとなんだかおとなしくなってしまう。

3つ目は山地獄。
ここは岩がごろごろしている崖からもうもうと煙が噴出しているだけだが、動物園が併設されている。
巨大なカバが池にじっと沈んでいて、客が買って投げ込める餌として柵の横にニンジンがいっぱい置いてあるが、子どもが投げつけてもびくともしない。「またニンジンかよ!」と思ってそう。
あと、やたら木の杭を舐めまくっているラマや、温泉の煙を浴びて暮らす猿、餌が欲しそうにこっちを見ている象などもいて、けっこうな規模だった。
こないだの井の頭公園で見た限り、象って一日に相当な量な餌を食べるはずなんだけどちゃんと養えているのか?

4つ目はかまど地獄。
ここはいろんなタイプの源泉をとりそろえ、「地獄の一丁目」から六丁目まである。ここにあった赤い泥がボコボコ湧いてる池が、全部の中で一番地獄っぽい見た目だった。

5つ目は鬼山地獄。
ここは温水で大量のワニを飼っており、ちょうど14:30の餌やりの時間だった。
係のお兄さんが骨付きの生鶏肉を素手で持って柵の上から差し出すと、池に密集したワニたちがすごい大ジャンプをしてそれに跳びつく。
集まった客はワニがジャンプするたびに「キャー!!」と大喜び。これだけキャーキャー言われればワニも頑張る甲斐があるというものだ。
しかしあのお兄さんは、いつかワニに指を食いちぎられないか心配。

6つ目は白池地獄。
ここは乳白色の広い温泉のほか、温水でピラニアやピラルクなどの熱帯魚を飼っている。
水槽のある一帯が暗くて非常に時代がかった看板がかかっており、昭和レトロな雰囲気。
ここの別府地獄自体は昭和初期から続く観光地らしいので、昔は着物を着た客が「はー、これがアマゾンのピラニアというものかー」と感心していたのだろう。

ここで地獄ゆで卵を2つ買い、いったんバスに戻って移動する。
乗り場の向かいに「秘宝館」が建っていて、ますます昭和レトロな雰囲気。

7つ目は血の池地獄。
煙もうっすらと赤く染まった赤い温泉で、かつて爆発を起こしたときの写真を見せながら温泉軟膏の販売をやっていた。
次に行く龍巻地獄は間歇泉なんだけど、噴出予定時間がちょっと遅れているとのことで、時間にゆとりができたので足湯につかった。かなり熱くて、足がじんじんしてサッパリした。

最後の8つ目は龍巻地獄。
30分起きに噴きあがる間歇泉で、時間に合わせて行く。
円形劇場みたいな観客席に座ってしばらく待っていると、ボコボコ言ってから噴水のように激しく噴きあがってきたが、噴水の真上に岩で天井を作ってあるのでそこにぶつかり、途中で断ち切られてしまう。完全に上まで噴き上がると隣の建物がびしょぬれになるからだと思うが、もったいない。

噴出間隔が30分と短いのが世界的に特殊らしいが、1回の噴き上がっている時間も15分くらいあって珍しく長いと思う。
といっても、一度噴きだしたらあとは何も様子に変化がないので、じっと見てても飽きる。

全部観終わってバスに戻り、うとうとしながらバスターミナルまで戻って16時。
このあと、「別府海浜砂湯」まで行く予定になっている。
路線バスないし電車で行けるが、どっちも本数が少なそうだし、17時の閉園まであまり時間がないので、タクシーに乗る。

16:15ごろ海辺の砂浜にある砂湯に到着。
しかし、17時終了だと思っていたら「16時受付終了」の文字が!! きいてないよー!
受付で「せっかくタクシーで来たのに! なんとかなりませんか?」とゴネてみるが、「冬は砂の温度が下がるのが早く、今日は客も多くてたくさん掘り返したからもう冷えている」と言われ、入れなかった。無念。

もともと観光バスは15:30に戻ってくる予定で、それなら間に合っていたんだけど、龍巻地獄の時間がちょっと遅れていたのがまずかった。
さらに、観光バスがバスターミナルまで戻ってくる途中に砂湯の横を通り過ぎていたので、16時で閉まるとわかっていれば途中で降ろしてもらうんだった。
竹瓦温泉ならもっと遅い時間まで開いてるが、運悪く今は砂湯が工事中。
リサーチ不足を悔やむ。

仕方ないので、近くにあった海辺の足湯につかる。
横のほうを見ると最後の受付に間に合った人が砂湯で埋まっているのが見える。

海を見ながらしばらく足湯であたたまり、路線バスに乗ってホテルまで戻ったら17時ごろ。
部屋は港の見える8畳和室で、1人3360円(食事なし)という激安価格だが、備品とかもちゃんとしてる。
テレビはアナログで、NHK以外3つしか入らないけど。
あと、部屋が新館なんだけど、本館を通らないと外に出られなくて遠いのがちょっと不便。

部屋にあった「かぼすゴーフレット」を食べてお茶を飲み、18時ごろ晩ご飯を食べに出かける。
さっきのトキハの上にレストラン街があり、地元料理のお店に入って大分名物「鳥天とだんご汁定食」を頼む。
鳥天はからあげよりあっさりしててジューシー。だんご汁に入っているのはだんごというよりうどんで、ほうとうっぽい感じだった。
時間が早いとはいえ、日曜の夜なのに客が全然いなくて静かだった。

トキハの地下で大分土産をいろいろ見るが、荷物を増やしたくないので「鱚の浜焼き」だけ買った。
明日の朝ご飯用に、コンビニでパンとヨーグルトを買ってホテルに戻る。
トキハとホテルの間の交差点には信号がなく、地下道を渡らなければならないのだけど、短い別府滞在中になんだかんだで7、8回くらい渡った。

本館7階の展望風呂+うたせ湯につかる。熱いのとぬるいのと二種類あるのがありがたい。夜なので景色は何も見えず。
テレビを見つつ22:00には寝る。早寝早起き。

11/15(月)阿蘇

7:00起床。
新館屋上の露天風呂に行く。
上空が開いてるほか、湯船につかると視線のあたりに窓がきってあり、そこから港が見える。
露天風呂って普通は洗い場がないけど、ここにはちゃんとシャワーとかも備わっていて、真面目にそこで髪を洗ってる人もいたが、風が吹きつけててめちゃくちゃ寒そう。

昨日買っておいたパンとヨーグルトで軽く朝ご飯をすませ、お茶を入れて水筒に詰める。
近くにロイヤルホストがあったので、めったに食べられないモーニングというのもアリかと思っていたんだけど、9:00オープンだったので間に合わなかった。

9:00に阿蘇経由熊本行きの高速バス「あそ号」に乗車。
バス停がわからなくてバス会社に電話した。

車内でさまざまな観光案内や地域に伝わる民話、民謡などがかかる。
最初すごく空いていたが、昨日の鉄輪温泉を通り過ぎ、湯布院まで行くとそこそこ人が乗ってきた。
ただ、大分から熊本まで全部乗るのではなく、途中ちょっとだけ乗る人もけっこういた。

紅葉が始まった山道をバスはうねうね曲がりながらひたすら進む。木がなくススキだけが一面にびっしり生えた丘がどこまでも連なっているところは、フワフワしていて日本むかしばなし的な不思議な情景だった。
牧ノ戸峠を越える時は雲の中に入って、一面すごい霧だった。
2回くらいトイレ休憩で止まったけど、たいして土産物屋を見る時間もなく、阿蘇カルデラに入る。
大観峰はいつの間にか通り過ぎていた。街を見下ろす景色のいいところを通ったけど、あそこだったのかな?

草千里では観光客が馬に乗っていたが、写真で見るような緑色ではなくて一面すっかり枯れ草の色だった。
春に野焼きをしてから牛馬の放牧をするので、このへんの山肌にはまったく木がない。スキーにはうってつけだと思うけど、このへん雪降るのか?

かわいい形の米塚を通り過ぎ、阿蘇西駅で下車。
このバスは昼食つきなので、レストランで「高菜飯と団子汁定食」を食べる。
昼食とロープウェーでの火口観光を含めて90分あるという話だったが、霧のためかバスが遅れていて75分しかない。
大急ぎで食べる。高菜飯は大変おいしく、その他のおかずもなかなかだった。こういう食堂であてがわれるご飯としてはずいぶんレベルが高い。

それからお金を払ってロープウェーに乗る。
一面赤い岩だらけで何もなく、荒涼とした山肌および放棄されて崩れた歩道を見下ろす。乗っている時間はあまり長くないが、中でスザンヌの観光案内が流れた。

そんなに上昇したというほどでもないのに、火口の気温は7度。風がびゅうびゅう吹いていてめちゃくちゃ寒い。
ロープウェーから降りた客たちをガイドのおじいさんが集め、火口まで連れて行って説明してくれる。

あたりには低い円柱の形をした防空壕(っていうのか?)がいくつも建っていて、万一噴火したときはこの中に入ってしのぐらしい。でも、落石は防げても溶岩とか来たらやばくないか?
ガイドさんに連れられてその中に入って風をよけつつ、以前の噴火時の写真を見せてもらったりする。火口への飛び込み自殺が絶えないらしい。
ボランティアなのかなと思っていると、最後にガイドさんお手製?のお守りを売り始める。かわいそうだけど誰も買ってなかった。

火口をのぞくと、深いところの薄青い水面からもくもくと煙が出ていて、蔵王のお釜よりはるかに荒々しい感じ。
ただ強風と寒すぎるのとで、じっと立っていられない。
火口より右方面はガスが濃くて立ち入り禁止になっていたので、左方面の展望台に行くが、上っても街が展望できるだけで火口は見えなかった。
ガスの濃さは四段階のうち上から2つ目だったので、けっこう濃かったらしい。確かにロープウェーを降りた瞬間かなり硫黄の匂いがしたけど、すぐ慣れた。

お土産に黒糖ドーナツ棒を買い、阿蘇を離れて熊本へ。
熊本駅まで行かずに熊本城の近くで降りて、17時ごろ泊まるホテル日航熊本に到着。
繁華街の大通りに面していて、向かいはツルヤという九州ローカルっぽいデパート。「クマモン」という、うつろな目をしたクマのイメージキャラがでかでかと貼ってある。
昨日のホテルと段違いの豪華なロビーには暖炉が燃え、大きなクリスマスツリーもある。
まぁ値段が、朝食付きとはいえ倍くらいするから。

チェックインするときに「お好みの朝刊をサービスでお部屋にお届けします」と言われる。家で朝日新聞を取ってるので、「朝日以外なら何でもいいです」と答えながら、「すごい右寄りの人だと思われてるだろうな」と思った。結果、地方紙の熊本日日新聞というのにしてくれた。
部屋は窓の正面に熊本城が見える。バスタブ・シャワーとトイレが別なのはいいんだけど、トイレは洗面所と一緒なので、できればそこも分けてほしかった。

熊本城はもう閉まってしまうので明朝行くことにして、適当に晩ご飯を探しつつ散歩に出かける。
ホテル隣の上町アーケード入り口で熊本物産展をやっており、いろいろおいしそうなお菓子や野菜や漬物を見る。安くておいしそうだけど、かといって野菜やホールケーキを買うわけにもいかない。残念。

アーケードを上がってから一本裏にある「上乃裏通り」に入る。
古い町屋を小洒落た飲み屋や雑貨屋に改造した店が並び、裏原宿みたいな雰囲気の狭い道。
途中にある普通のお寺にふらっと入ったら、上のほうで断ち切れた幹から細い幹が何本も上に伸びているという、不思議な再生のしかたをした木があった。

今度は下町アーケードを歩き、そろそろお腹がすいてきたのでスナック街を抜けて熊本ラーメンの店を探す。
桂花の本店を発見したけど、桂花は東京にもあるからということで結局るるぶに載っている「元祖熊本ラーメン こだいこ」という店に行った。

店内に色紙がいっぱい貼ってあった。
とんこつラーメンだけど、豚骨以外何も入ってない純粋とんこつで、独特の匂いはあるが食べるとあっさりしている。
麺は卵入りで太くてやわらかめ、ちぢれてない。「麺とスープのバランスが崩れるから替え玉をしない」ことにこだわりがあるらしい。
具は福岡のラーメンと一緒だけど、トッピングとして黒くなるまで焼いた刻みニンニクを入れる。
おいしくないわけではないけど、とんこつオンリーだと味がちょっと平面的な感じがするのと、麺があまり好きなタイプではなく、これなら一蘭行くな、って感じだった。やっぱ博多ラーメンが最強かも。

帰りに、ホテルの1階にあるパンとケーキの店でロールケーキを買う。大変おいしかった。
クイズ番組を見て(3泊のうちここだけ地デジだった)、お風呂に入ってたら蚊がいて、フロントに「蚊取り線香ありますか」と聞いたら、「それなら部屋を替えます、デラックスツインがありますので」と言われる。ラッキー。
メイクアップルームみたいなのが増えた角部屋で、トイレも別になっていたが、方角が変わったのでお城は見えなくなった。
22時就寝。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

日記内を検索