10月21日の日記

2010年10月21日
次々と「ぐるっとパス」観光記。

●船の科学館

何年ぶりかでゆりかもめに乗り、お台場の景色を楽しんだ。

この「船の科学館」、お台場になーんにもなくて、無辺の
荒野をゆりかもめだけが走っていたころから存在していた
だけのことはあって、かなり古びた展示が多い。

船の模型がずらっといっぱいあって、特に軍艦コーナーなんか
好きな人はそうとう好きだろうと思う。
「未来の船」コーナーがやたらレトロフューチャーな一方で、
尖閣諸島や竹島などについて解説した、最近改装されたらしい
コーナーもある。

タービンとか水の抵抗とか内部構造についてのコーナーは
何を言ってるのかさっぱりわからない。
船マニアと鉄道マニアは、かなり近いところにいると思った。
船にも鉄道と似たロマンがあるが、鉄道より少し非日常寄り。
私も三本マストの帆船や潜水艦は好きだ。

売店にはさまざまな船の模型や、ロープワークの本がいっぱい。

外に南極探検船の「宗谷」と、青函連絡船の「羊蹄丸」が
展示してあり、羊蹄丸のほうに入ってみた。
昔の青森の街並みや駅を実物大で再現したコーナーが面白かった。
古い煙草や雑誌が並ぶ当時の売店や、古いレジのある洋食屋がいい。

ざわざわした雑踏の物音とやや棒読みのなまった話し声が
スピーカーから流れていて人の気配が感じられるのに、
いるのは全部蝋人形で、なぜか開いたり閉まったりしている
ドアがあったりして、なんとも不思議な雰囲気。

華やかなりしころの青函連絡船の映像が流れていて、
最後の連絡船が出航するときの光景にちょっと泣きそうになった。
私も2回くらいは乗ってるはず。

人がいなさすぎてちょっと怖いくらいだったので、夏場の土日
とかに行ったほうがよかったかも。
上にバイキングのレストランがあったんだけど、稼働可能なのか?

●日本科学未来館

ここはプラネタリウムが有名で、以前すごい並んで見たことがある。
投影される星の数が多すぎて全体的にボワーッと明るく見え、
高性能で星が多けりゃいいってもんじゃないんだなと思った。

今はプラネタリウムはお休みで、「これしかやってないんですよ」
みたいな感じで案内された、3Dで世界遺産を映すという番組を見た。
ニュージーランドのテカポ村、エジプトのピラミッド、それから
伊勢神宮と原爆ドームをメインに映し、それに各地の世界遺産を
宇宙から「だいち」が撮影した写真が入る。

3D映像は暗いし白い部分が赤と緑にチカチカして見えるので
正直まだまだ見づらいけど、いずれ技術が進歩して肉眼くらい
きれいに見えるようになったら、もはや観光に出かける必要は
なくなるんじゃないか?と思った。
空撮もすごいけど、普通なら絶対行けないところ(伊勢神宮の
大鳥居を船でくぐるとか、原爆ドームの中とか)を3Dで体験
できるのが面白い。

展示のほうは、宇宙ステーション「きぼう」の中を再現した
コーナーがリアルでよかった。個人スペースは半畳くらいしか
なくて、パソコンとCDケースが壁にひっついてる。

さっきの「船の科学館」とは雲泥の差の、新しくておしゃれな
展示なんだけど、どうもそれぞれが散発的というか、全体を通じて
何が言いたいのかよくわからない展示が多い感じがする。
説明文も難解なものが多いし。

韓国の若者が団体で来ていたのと、ほかにも外国人がやたら
多くて、見た感じ7割くらいの客が日本人ではなかった。
たまたまかもしれないけど。

カフェで380円のホットドッグを食べた。
あとで知ったが、ロッテリアが併設されていたのでそっちに
行けばもっと安上がりだったけど、こっちはブックカフェ仕様に
なっていたので、「パワーズ・オブ・テン」を読みながら食べた。
はるかな宇宙から原子のクオークに至るまで、ひたすら
10倍ずつ拡大していくのを見るのはとても神秘的で楽しい。

●紙の博物館

下記の芝居を見に行くついでに王子へ行った。

さすがに仕事柄知識のある分野の展示なので、興味深い。
日本の紙の古紙利用率が60%以上あるって知らなかった。
あと透かしのうち濃淡のある白黒透かしは民間で作ることを
禁じられているってのも知らなかった。

新聞用紙の、160キロだかあるロールが置いてあって、
伸ばすと王子から有楽町まで届いて、東京ドームに敷きつめられる
くらいの広さらしいんだけど、それでも4000部しか刷れないという。
新聞スゲー。

革を模した立体的な紙の細工「金唐革紙」がすごかった。
なぜか美術展をやっており、けっこう有名な作家の地味~な
小品がいろいろあって、マニア垂涎って感じだった。

子どもたちが紙に関する質問を書くコーナーがあり、
どんな質問があるのかひと通り見てみたが、そんなの
館内に答えがあるでしょ!的な質問がほとんど。
ほかには「紙を発明した人は誰ですか?」と「紙って何種類
あるんですか?」という質問が多かった。

●北区飛鳥山博物館

芝居のついでの紙の博物館の、さらについでで見に行ったけど、
予想外に良い博物館だった。

そんなに広くないけど、展示室は広々していて見やすく、
よくできた動画もいろいろあり、工夫されていて楽しい。
説明文がわかりやすく、散発的でないのもありがたい。
石器の作り方とか、飛鳥山での花見弁当の再現とかが良かった。

コンセプトとしては、以前行った新宿歴史博物館同様、
このあたりの歴史を縄文時代から今に至るまで追うもので、
貝塚のはぎとり標本とか、土偶とか、新宿よりも見事。
江戸時代にはこのあたりは一面鷹場だったらしい。

かなり質のいい博物館なので、お近くの方はお勧めです。
あまりに空いてて学芸員の人が気の毒なので……。

帰りに飛鳥山公園を歩き、王子駅に降りるところで
「アスカルゴ」というミニ・モノレールに乗った。無料。
観覧車のカゴみたいな乗り物がゆっくり山を昇り降りする。
ほとんど客がいなさそうなのに、ちゃんと上と下に一人ずつ
係員がいて、北区すごいなと思った。


今まで歴史と名のつくものにはまったく興味がなく、
郷土史なんかいったい何が面白いの?って感じだったけど、
最近こういう博物館を見たりして急に身近になってきた。


●観劇 チャリT企画「ザ・コーブ」

芝居の稽古風景をそのまま舞台で見せるオープニングで、
演劇ならではの、「今の、何か違うでしょ! 何が足りないか
わかる? 言ってみて!」というような、すぐに観念的な
精神論を語りだすウザさがすごい伝わってきた。

熊野さんは髪が伸びてやたらイケメン風になっており、
美声とあいまって、学生服で伏し目で哀しそうな表情をしていると
まるで少女マンガのように美しい。
不良が自白するシーンでうっすら浮かべた微笑みが、耽美というか、
不健全なオーラを放っていてたまらない。

ストーリーは「イルカやクジラは食べていいけど犬はダメか?」とか
「やってなくても罪を認めてかぶったほうがカッコいいか?」とか
そういう話をしつつもグダグダっと笑える感じで、いつも通り。
ラストで食べ物を投げ合うところもあり、あー今日もチャリTは
通常営業だなーって感じだった。

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