10月6日の日記

2010年10月6日
10月6日の日記
「東京周辺ヒルトップ散歩」という本を見ていて、埼玉の
加治丘陵というところに、「ムーミン谷」と呼ばれる公園が
あると知り、そこへハイキングに行ってきた。

朝、下手くそなおにぎり2つと卵焼きと肉団子の弁当をこしらえ、
ペットボトルに詰めた麦茶とチョコレート、ネットで検索して
プリントした地図2枚、日焼け止めと虫さされの薬、日よけ帽子と
文庫本を肩掛けカバンに入れる。
池袋から西武池袋線の急行に乗って、40分で元加治駅に着く。

11時半ごろ、地図を握りしめて歩き始める。
入間川沿いを歩くルートもあってこれもなかなかよさそう
だったけど、ムーミン谷が優先なので山道のほうにする。
橋を渡りつつ入間川を見下ろすと、巨大な鯉?が何匹も流れの
中にじっと固まって泳いでいた。

じきに人家の間の道が突然途切れて、地図によればそのまま
まっすぐなのに「道どこ?」と思ったら、いきなり山道だった。
スニーカーじゃなくて登山靴で来るべきだったか?と後悔する
ほどの、細い山道でやや滑りやすい土で急な上り坂。
誰も先に歩いた人がいないのか、何度か道を横切るクモの糸が
顔に引っかかって閉口した。

湿気が多くてキノコが生え、足の長いクモが歩く腐葉土の道を
汗をかきかき登ると、尾根の上に出た。
相当登ってきたので、両側がすごい崖になって落ち込んでいる。
足を滑らせて落ちたらひとたまりもなさそうな急崖。
しばらく行くと地図に「眼下にムーミン谷」と書いてある
地点に来るが、木を透かして見てもよくわからない。
さらに奥のグラウンドや、そこにいる芥子粒のような人は見えた。

尾根道を登り終えると、古いサイクリングコースにぶつかり、
その交差点に「見晴らし台ベンチ」という地点があったが、
森に囲まれていて別に見晴らしは良くない。
ただ、ちょうど12時ごろだったし広い場所なのでそこに座って
弁当を食べた。
寄ってくる虫を帽子で払いながら、「卵焼きうめー!」。

そこからは、サイクリングコースを下っていく。
アスファルトで舗装されたやや細い道で、歩きやすい。
ここにはほかにも歩いている人がいた。
ムーミン谷まで行くには、持ってきた地図に従うならぐるっと
グラウンドのほうまで大回りしないといけないなぁ……と
思いながら歩いていたら、「公園こちら」の看板を発見。
持ってきた地図には書いてない道だが、そっちへ進む。

あの崖の高さからすると、相当な距離を下らなければ
ならないはずだがと思いながらしばらく行くと、すごく
急な長い階段が現れる。
運よく、ちょうどそこを登ってきた人がいたので「ここを
降りれば公園ですか?」と聞いたら合ってた。
「すごい急だから、下るのも大変ですよ」と言われるが、
ムーミン谷に行くのが今回の目的なので嫌も応もなく下る。

ちょっと足ガクガクになりかけつつ降りると、子どもたちの
大騒ぎが聞こえてくる。
遠足の小学生が公園でお弁当を食べて遊んでいるらしい。
正しい名前は「あけぼの子どもの森公園」というその谷には、
不思議なオブジェのような橋やベンチがあり、池のほとりに
「ムーミンの水浴び小屋」があり、よくスナフキンが
釣りをしているあの橋のミニチュア版もある。

「ムーミン屋敷」は、雰囲気はファンタジーっぽいけど
実際のムーミンの家と全然違う……。
子どもに混じって中に入ると、暖炉や長持や螺旋階段など
とてもメルヘンチックで、きれいな造りの小部屋がいっぱい。
子どもがかくれんぼをして家じゅう走り回っていたので
蒸し暑かった。
隠れるところがいっぱいある家なんだけど、子どもを見てると
本当にうまく隠れられそうなところには隠れない。
それよりも「ほかの子はどこに隠れるのかなー?」とお互い
様子を見てはちょろちょろと場所を変えてばかりいる。
そうこうするうちに鬼がやってくると「早いよ!まだなのに!」
とケンカになるというパターン。

あと「森の家」という建物があり、ここはムーミンに関連する
本をたくさん集めてある展示館なので、子どもに不人気。
木の階段がワックスでぴかぴか。
ここでちょっと休憩し、13時すぎに出発。

さっき下りてきた急な階段を、気合いを入れてまた上る。
呼吸を整え、足を出すテンポを一定に保つよう心掛けて、
でも途中しばし休みながら上ったら意外と楽だった。

そこからサイクリングロードの分岐まで戻り、桜山展望台へ。
地図にある「近道の看板」ってのがどれのことかわからなくて
道を間違えそうになったが、なんとかたどりつけた。

ここにも遠足の子どもがいっぱいいた。
立派な展望台に上って景色を見ると、かなり木が邪魔とはいえ
茶畑や遠くまで伸びる高架線、山脈が360度方向に見える。
もっと天気がよくて空気が澄んでたら、池袋や新宿や
スカイツリーまで見えることもあるようだ。

子どもたちの出発と時間をずらすため、ここでしばし読書。
それから森の中の旧サイクリングロードを行く。
さっきより道幅も広く、舗装されていて虫もいないし、
これならスニーカーじゃなくてハイヒールでも十分歩ける。
100メートルごとに標識があってわかりやすいし、
高低差もあまりないので、トレイルランニングにうってつけ
だと思ったけど、荷物が邪魔で走れなかった。

サイクリングロードが尽きると、最後は車道を歩いて駅まで。
武蔵野音大の横を歩き、フルートや歌声が聞こえてくる。
二車線の広い車道なんだけどほとんど使われていないようで、
ここも楽だった。

仏子駅に戻るところでちょっと道を間違えたが、無事戻って
電車でぐっすり寝ながら帰ってきた。
狙ったわけではないのに自宅に着く寸前で持ってきた文庫を
ちょうど読み終わったのがうれしかった。

帰りに池袋でちょっと寄り道したけど、帰宅したのが4時くらい
だったかな?
コース自体はたぶん5、6キロくらいで、実質歩いていた時間は
そんなにない軽いハイキングだったけど、最初はクモの糸に
ぶつかるたびに「うひゃあひゃあ」ってなってたのに、最後は
どうでもよくなってたのが、人間の順応性ってすごいと思った。
でも、服の上から何箇所か蚊に刺されたのはうざい……。

よく歩いていい汗かいた、秋の一日。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

日記内を検索