7月5日(月)7日目
 
いつもよりのんびりで7時起き。ゆっくり寝た。
枕チップは1リラにした。
朝食は、前ひっくり返したシリアルを今度は気をつけて運ぶ。
スパイスをきかせたフライドポテトがおいしかった。アップルジュースはやはり人工甘味料の味がした。

8時にホテルを出る。
チェックアウトしてフロントで「ここから一番近い地下鉄の駅はどれですか?」と言いながらガイドブックの路線図を見せる。
ここからタクシーで5分くらいのところに地下鉄の駅があって街に出られるという話を昨日聞いていたので。
すると、「道を渡ったすぐのところ」と言われる。持っていたガイドブックがちょっと古くて、今はもっと路線が伸びていた。ガイドブックの路線図に「今ここ」と書きこんでくれる。

確かに、ホテルを出ると道路の向かいに赤と青のそれらしい看板が見える。
しかし、道路の車線がかなり広くて、中央分離帯にしっかりしたフェンスが立っていて渡れない。左右を見渡しても、横断歩道も歩道橋も見当たらない。
しかたなく左手にしばらく歩いて、けっこう歩いてやっと横断歩道で渡れた。
駅に着くまで20分くらいかかってしまった。
他の人の様子を見ていたら、フェンスの壊れたところをくぐって渡っていた。ああすればよかったのか。

なんとか工科大学前、という地下鉄の駅に降りて、自販機で1.5リラのトークンを買う。プラスチックの青いコインみたいなもので、これを切符がわりに自動改札に通す仕組み。

あと何分何秒で次の電車が来るかが電光掲示板に表示されていて便利。
タクシム行きが来て乗り込むと、座席がツルッとしたトルコブルー色で、車内も広いし新しくてきれい。
ドアの上に駅名表示が出ているんだけど、矢印のつき方が日本の地下鉄とかのと逆で、反対方向行きに乗ってしまったのかと焦った。

車内では音楽を聴いている人はいるが、本を読んでいる人や携帯をいじっている人は一人もいない。寝るわけでもなく、みんなじっとしてる。

タクシム駅に着き、フニッキュラーとかなんとかいう(てきとう)地下ケーブルに乗り換える。
これも1.5リラのトークンが必要。
トークンを1個買って、さっきのと同じものなのを確認。このあともう一回電車に乗るので、もう一個買っておけばいいんじゃね?と気付く。

地下ケーブルはよく山にあるケーブルカーがトンネルの中に収まってる感じで、やや下っている。駅に巨大なケーブル巻き上げ機がある。
乗って市内路線図を眺めているうちに3分くらいでカバラシュに着き、今度はトラム(路面電車)に乗り換える。
地上の観光地周辺をずっと行き、オープンテラスでお茶飲んでる人の目の前とか、ほんとに店の軒先すぐを通るのでおもしろい。

だんだん観光客が乗ってきて混んでくる。
途中で降りてガラタ塔に行くのもアリだと思ったけど、あまり予定を詰め込みすぎると疲れちゃうし焦ってよくないので、今日はグランドバザールに行くだけにしようと決める。

グランドバザールの駅で降りて(駅名忘れた)、人波の行くほうへ流されていくと、すぐに門があり、中はアーケード。
宝石を扱う広い通りが南端にあって東西に伸びており、今いるのはその西の端。この通りを東の端まで行けばヌルオスマニエ門がある。

アーケードは格子状にずっと広がっていて、道幅がけっこう広い。エジプトで行ったバザールのほうが狭かった。
金や宝石(アクセサリーもあれば塊や粒になった地金もある)、ぴかぴかの銀器、アンティーク道具(六分儀、カメラ、ランプ、懐中時計、剣、水差し、などなど宝の山)、絵皿と鍋敷き、色とりどりのモザイクランプ、螺鈿細工の飾り箱やバックギャモン&チェス盤(表裏で両方遊べる。小さい箱になっていて中にコマが入っているものもある)、絨毯、革の服、あやしげなお土産用Tシャツ、明らかに偽物くさいブランドのカバンやコート、お菓子とティーバッグ……といった、おもに観光客向けの小さい店がびっしりと並んでいる。地元民はあまり来なさそう。
ところどころにカフェがある。

片隅に、チャイのコップをせっせと洗ったり並べたりしている狭いスペースがあった。ここからそこらのお店にチャイを配達するのだろう。
配達のおぼんを担ぎ、料理なんかも載せてる男の子を見かけた。

タイルが貼られた水道もあった。
香水の店でテレビ局が撮影をやっていた。子どもを連れて喋ってる人がガラビアを着ていたので、たぶんドバイあたりのテレビ。でかい噴霧器で撮影スタッフにも香水を噴きかけまくっていた。

うろうろして、まず3リラのターキッシュ・デライトと5リラのエルマチャイのティーバッグを、「合わせて6リラなら買う」と言ってみたら、7リラになった。

折りたたみのチェス箱がかわいくていいなと思ったが、30リラとか40リラとかするので買えない。
この辺の小さな店ではクレジットカードも使えないし。
あと、青い目玉が表紙の皮から飛び出ているような作りの手帳があって、ネクロノミコンっぽくていい!いやがらせのプレゼントとかにもうってつけ!と思ったが、やはり40リラとかする。手づくりの一品モノなので高いらしい。

財布の残りは14.5リラ。
グランドバザールの外に出てトラムの通りを少し戻ってみる。
道端にお墓があったので入って日差しをよけ、ちょっと広めの通り沿いに歩いていたら、さっきの目玉がついた手帳を店の前に出しているところを発見。しかもお店のドアにはクレジットカードが使えるシールが貼ってある。
これなら買える!と思い、交渉する。
45リラのアルバムが欲しい。これに今回の旅行の写真をまとめて入れたらすごくいい!と思った。
「30リラなら買うよ」「40じゃないと売れない」「35リラは?」「5リラの差はたいした額じゃないけど、それが僕のプロフィットになるんだ、40じゃないとだめ」などと話すが、なんとクレジットカードが使えないと言われる。
「向こうに銀行があるからATMでおろしてきて」と言われる。

ATMにクレジットカードを入れ、今14リラ持ってるから26リラおろそうとする。すると「最低50リラです」みたいな表示が出たので、50リラおろそうとすると、今度は「account balance not enough」と言われ、意味がわからない(ちなみに残高不足という意味だった)。

なんか小さい都市銀行みたいなやつだからダメなのかな?と思い、別の大きい銀行の、行列ができているATMに並んだけど、やっぱり同じことだった。
よく考えてみたら、もしかしてクレジットカード作るときにキャッシング枠を作らなかったのかもしれない。そんなことってあるのかな……全然覚えてないけど。

あとはグランドバザールの中に両替所があるんだけど、日本円を万札しか持ってないし、それ以前に日本円はスーツケースの中だった。
そんなわけで結局あきらめる。
まぁ表紙はかっこよかったけどアルバム自体の作りはすごい安っぽかったし、mixiのアルバムで写真公開したほうがみんなに簡単に見てもらえていいよね、と前向きに考える。

鍋敷きが欲しかったので絵皿の店を見て歩く。だいたいはチューリップとかタイルの絵柄なんだけど、珍しくアラビア文字でアラーの名前が書いてあるのがあって、印刷はチープだけど、神様の名前を鍋敷きにしちゃうってのが逆にありがたいというか、鍋がおいしくなりそうだなと思った。

6リラだと言われたが、財布を開けて「もうこれしかない」と言いながら小銭入れに入っていた4.5リラのコインを出したら、「日本人だからOK」と言われる。
あとごく小さいお土産用の絵皿もかわいかったけど、こっちは手書きだから1枚4リラと言われ、買わなかった。

丁稚みたいな若い男の子が新聞紙に包んでくれたので「テシェッケルエデリム」(ありがとう)と言ったら、「なんで感謝するの?」みたいな返事をされた。新聞紙で包むのは当たり前でしょってことか。

ちなみにトルコ語でしゃべれるようになったのはメルハバ(こんにちは)とギュナイドゥン(おはよう)とテシェッケルエデリム(ありがとう)だけだった。どこに行っても日本語が通じるからトルコ語をしゃべる必要がなく、しゃべらないから覚えない。

ぼちぼち時間なので集合場所に行く。
ヌルオスマニエ門の前には修復中のモスクがある。
白と青の、王子様のような衣装を着て杓?ロッド?を持った男の子が、親(こっちは普通の服)に連れられて中に入っていくのを見かけた。七五三みたいなものか?と思ったがあとで調べたら割礼式の前のお祈りらしい。文化の違いを感じる。

しばらくするとオプショナルツアーに行っていた人とも合流。ツアー全体としての集合場所は、そこからすぐのお店の前。
日本語の案内が出ている店で、表には「からすみあります」と書いてある。
干しナツメやハチミツと迷ったが、お土産にバラのジャム4リラ×2個を買って、残金は2リラ10クルシュ。わずかに126円。

バスに乗って昼ご飯。海沿いのレストランへ。
瓶入りのさまざまなピクルス?が壁や台にいっぱい並べてある。ショーに使われるらしいステージもある。

メニューはくだいたレンズ豆のスープ、野菜入りの春巻、そしてドネルケバブ。最後の食事でついに来た。日本でもよく見かける、筒状につるした肉をこそげとる奴。マッシュポテトとピラフつき。おしかったが、けっこうみんな残してて、残すくらいなら欲しかった。チャイは4リラでお金が足りなかった。

食べたあと時間があったので、レストランの前の道路を渡り、中央分離帯の柵をまたぎ越えて海沿いの遊歩道に出て写真を撮っていたら、あとからドラ息子もやってきて、シャッター押してあげたりしていると、ガイドさんが出てきて「あぶない! そっちへ行くのは禁止です!」と怒られる。
柵を渡って戻る。確かに車のスピードが速いけど、最初は左だけ見て渡って、真ん中まで行ってから今度は右だけ見て渡ればいいから、そこまで危険じゃないと思う。
「こないだここでドイツ人のお客さんが二人ひかれて死んだ」と言われたが、ほんとか?

そこからすぐ空港につく。
空港に入るときにスーツケースのX線検査があって、8人に1人の割合でスーツケースを開けさせられる。ランダムだと思うけど、「荷物がぐちゃぐちゃだから選ばれたのかしら」といやがっていた。

革製品と絨毯を買った人だけ免税手続きっぽいものがある。
スーツケースから革ジャケットを出して、TAXオフィスで何か書類にサインする。といっても私が払ったお金が戻ってくるわけではなくて、お店のための手続きらしい。

スーツケースにまた戻して、機内用に作ってあった荷物に入れ替え、ガイドさんとお別れ。
みんながそれぞれここでチップをあげる決まりだとすると、私2リラしか持ってないから困るなと思ったが、そういうことはなかった。
ただ、みんなが飛行機に持って入れない水のペットボトル(トルコでもらったやつじゃなくて日本からわざわざ持ってきたやつ)をあげていた。
ここでドラ息子は盛大に水をこぼし、「あらあら最後まで問題起こして……」という顔をされていた。

中に入り、搭乗時間まで2時間余裕がある。
1時間かけてお土産屋と免税店めぐり。
オリーブオイルの200ミリリットル缶入り3.5ユーロというのを買うかどうか悩んで買わない。
キットカットのアニーバーサリーボックス3.5ユーロをカードで買う。

残った2リラの使い道がない。
カフェやスタバがあり、トルコ物価なら何か飲めるかな?と思ったが、カフェラテのショートが6リラと、普通に日本と同等の値段。トルコアイスも5リラする。「のびーる」と言いながらパフォーマンスしているのを、無反応でぼーっと見てる日本人観光客二人がいた。

待合所に座って日記メモを手帳に小さい字でちまちま書いていたら、隣に座ったトルコ人のおじさんに、「それってあとで読めるの?」と聞かれ、「メイビー(笑)」と答える。
あとツアーのアンケート用紙が配られたので、ここで書いて添乗員さんに渡す。

時間が来て、手荷物チェックしてさらに中の待合室に移る。
そこに水のペットボトルの自販機があって、ちょうど2リラだったので1本買う。
1リラコインが何度入れても吐き出されてきてしまって、係員さんが取り替えてくれた。

帰りの飛行機はトルコブルーの椅子で、足置きがあるのがすごくよかった。ゲームはちょっと少なくて、マインスイーパがあったけどコントローラーだとやりづらい。左右両クリックもできないし。ただ、残機が3機あるシステムだったので簡単にクリアできる。
逆に映画とCDは多い。のだめの映画があった。
エルトン・ジョンのベスト盤を聴きながら夜ご飯。

チキンかパスタが選べて、パスタにしたらトマトとナスのペンネで、ペロリと全部たいらげる。キドニー豆の煮込みと、トマト・キュウリ・チーズにオリーブオイルとレモンをかけるやつ、くるみと洋ナシのケーキはおいしかった。
食後に「ティー」をもらったら緑茶だった。
そのあと朝ごはんまで寝たり起きたり。

7月6日(火)8日目

朝ごはんはフィル・コリンズのベスト盤を聴きながらスクランブルエッグ、焼きトマトとソーセージ入りのホットサンド、オリーブとチーズの盛り合わせ、ベリーヨーグルト。これが最後のチェリージュースを飲む。チェリージュースだけは人工甘味料の味がしない。

トルコ時間18:30に出発して、トルコ時間朝4:00、日本時間10:00ごろに到着。
すごいスムーズにスーツケースが出てきたので、さくっと添乗員さんにお礼を言って、10:15には京成線のホームに来たんだけど、10:30まで電車がなかった。
13:00には帰宅。
気温はそんなに変わらないが、湿度がまるで違うので日本のほうがはるかに暑苦しく感じる。


まとめ

・トルコは物価が安く、ごはんがおいしく、治安があまり悪くないので暮らしやすい。
・観光客の行くところばかりに行ったというのもあるが、日本語の通じる割合はハワイ並み。
・今回の旅のハイライトは、夜行列車の中でリンゴかじってるところだった。
・リュステム・パシャ・ジャーミイもよかった。エフェスのでっかいオデオンと、トロイ遺跡の寂れた雰囲気も良かった。
・カッパドキアは洞窟の中に入れなかったのが残念だった。また機会があったら洞窟ホテルに泊まったりしたい。10日間のツアーだったら泊まれたな。
・今回ほとんど前情報なしに出かけたので、「テレビでよく見るあれがココかー」というような、確認するだけにならなくてよかった。
・「他人と当たり障りのない世間話をする」というスキルがもともとほぼゼロなので(趣味が共通してればその話はできる)、今回の旅でそのスキルは上がった。といっても、レベル99まであるうちの4~5レベルくらいだけど。
英会話教室でのフリートークみたいに、相手の話す内容からどんどん糸口をつかんで話を広げていかないと会話が続かないんだけど、もともと他人に興味がないので続かない。別にあなたの家族のこととかどうでもいいしー、みたいな。かといって自分のことばかりべらべらしゃべってもやはり話がおもしろくないという自覚はあるので、結局話が続かない。
・添乗員さんが「何度ツアーに行ってもやはり一期一会の縁」みたいな挨拶をしていて思ったけど、私は物との縁はけっこう大切にするけど、人との縁はあまり大切にしてないなと。というか、無意識的に縁を切りたがってるフシすらある。もう二度と会うことのないであろう人と仲良くしてもあんま意味ない、みたいに思っちゃうんだけど、本来それも旅のだいご味の一つだよね。いわんや日常においてをや。

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