トルコ旅行記 完全版 4日目
2010年7月25日7月2日(金) 4日目
同じく6時起床、朝ご飯は円卓でビュッフェ、フレンチトーストが甘くなかったり、またジュースが人工甘味料の味だったりというのはあったが、コーンフレークにレーズンのジャムを入れたり、パンにあんずジャム(出来合いのじゃなくてちゃんと煮て作ったやつ)をつけてチャイを飲み。満足。
朝から近くのパムッカレへ向かう。山の斜面の一部が真っ白になっていて、遠目に見るとスキー場みたい。
ここはギリシャ時代の温泉保養地だが、病人がここにやってくるとまず審査があって、治りそうもない患者はネクロポリス(死の都)に送られそのまま死んで埋葬されたらしい。
タチアオイが群生しているヒエラポリス遺跡を抜けて、石灰棚のところへ。
石灰岩でできた、温泉が流れる白い段々畑みたいなもので、ずっと下の公園の池まで見通せる。温泉開発によってここには水があまり出なくなり、時間によって一部の場所に流しているだけらしい。
木の通路を通り、お湯につかれるほうまで行って、いったん解散。
そこらじゅうに犬がごろごろしていて、暑いので地面でグッタリ死んだようになっているのだが、みんな耳にマークがつけてある。
白い段々畑の間にお湯が流れる水路があり、日本人は裸足になってそこに座って足湯。白人たちは水着で寝そべったり、もっと奥の水につかったりと、リゾートを堪能している。日本人はみんな厚着で日傘をさしている。
水路はちょっとぬるっとしているがあったかくて水流が強く気持ちいい。段々畑のほうにたまった青色の水は冷たい。石灰岩のギザギザが一面にあって、裸足で歩くとけっこう痛い。しかも、段々畑からもし転がり落ちたら相当下まで落下すること必至。一応警備員がいて、あまりふちに近づくと笛をピピーと鳴らす。ずっと下を見ながら恐る恐る歩く。
しばらくして足を水たまりで洗って乾かして靴を履いたらとても気持ちよかった。
奥の遺跡の壁を越えて別の木の道を歩くが、奥側の段々畑にはまったく水が流れていなくて真っ白いだけだった。
集合場所へ移動。建物の中に「アンティーク・プール」というのがあり、これはギリシャ時代の本物の遺跡が中に沈んでいるプール。入場料を25リラ(1500円)も取る観光客仕様で、むっちりと肥った白人たちがいっぱい入っていた。
そのまわりに売店があり、ここで飲むヨーグルトの「アイラン」を2リラで買う。まったく甘くなくてスッキリした味。
集合を待ちながらカメラ女子と話す。かわいいストラップをつけていたので聞いたら、自分で企画したものらしい。
今朝がたからの写真を見せると(昨日までのはPCに移してしまってもうない)、「レンズが明るいから光って見えますね、いい意味で」と言われる。うーん、そうなのか? よくわからない。「今までほとんどずっと明るいレンズだったからよくわからない」と答える。
また、彼女はレンズフードを持ってこなかったので、こういうまぶしいくらいの日には持ってくるべきだったと言っていた。それは確かにそうかも。
一緒にいた、一人客でカメラ女子と仲良くなっていた女の子に、二人してレンズフードの役割について説明する。
集合時間になっても二人見当たらない。添乗員さんが探しつつバスに戻ると、その二人はバスにいた。当初言われていた集合場所が建物の外だったのだが、みんななんとなく日陰を求めて中に入り、中で集合していたのだった。外にいたその人たちは迷いつつバスまで戻り、運転手さんから電話してもらって事なきを得た。
パムッカレを出てコンヤまで長い道のり。どのルートを通るのか地図を見てもよくわからないが、湖が見えれば見当がつくはず。
しかしほぼずっと寝ていて、湖はまったく気付かなかった。
その間、広い広い平野にオリーブ畑やさくらんぼなどの果樹園、はるか向こうに木の少ない山、という景色がかわりばえせずずっと続く。
休憩に止まったドライブインは、ハチミツヨーグルトが有名なところだという。水を切った固いヨーグルトに松の木のハチミツを入れてケシの実をふりかけるというもので、5リラ。ハチミツヨーグルトは普通に家でもよく食べるしなー、と思って食べない。
あと売店ではバラ水やバラ石鹸などを売っているが、とくにあげるあてもないので買わなかった。
昼ご飯は13:30ごろレストランの大きな円形ホールにて。
よく出てくる千切りにした野菜のサラダ(オリーブオイルとレモン)、いんげんとニンジンのオリーブ煮(味がないので塩をかけて食べる)、そして串からは抜いてある羊ミンチ肉のケバブに焼きトマト。
このケバブがおいしくて、「これこれ、この味をトルコ料理に求めていたんだよ! もっと早くこれを出してくれよ!」と思った。
それから、薄い生地にひき肉を乗せたトルコ風ピザ(トルコ語だとピデ)があって、これもおいしい。
デザートはビュッフェで、山積みにしたダークチェリーをたくさん食べた。あとはプディングとか甘いのばかり。
このへん寝てばかりいてあまりよく覚えてないんだけど、お土産用のターキッシュ・デライト(トルコ語ではロクムといい、ナッツ入りの求肥みたいな名産のお菓子。そこまで甘くはない。ナルニアでエドマンドが冬の魔女に頼んで出してもらってたのがこれ)をここらへんのドライブインでたくさん買い込んだはず。メモにも書いてないしレシートもないのでよくわからない……。
ひたすらバスで寝ていたら大きな町に入った。
やたらと新しくて道路幅が広くて路面電車が走りカラフルな集合住宅が整然と並んでいて、ここはどこだろう?と思っていたらもうコンヤの街だった。
まだ16:30くらいで、地図を見た限りもっとかかると思っていた。
ここでメヴラーナ博物館に行く。
白い服を着てグルグル回り続ける「セマー」(俗に回教とも言う)の開祖であるメヴラーナのお墓がここにある。
入り口の上には美しいアラビア文字の額がかかっている。
今までのツアーではギリシャ遺跡ばかり見てきたので、いよいよイスラム文化が始まりテンションあがる。
入る前に、建物の外にあるお墓を撮っていたら、そこに祈る人がやってきた。立ったまま、両手を胸の前あたりで上に向け、軽くすぼめた姿勢で何かつぶやいている。
中に入るときにちょうど、一日五回のお祈りの時間になり、朗々とアザーンが響く。
今まで、あんなにモスクがいっぱいあるのにバスやホテルの中にいるとアザーンが聞こえなくて、トルコでは金曜しか放送しないとか決まりがあるのか?と思っていた。
入り口で靴にビニール袋をかぶせる。
中は写真撮影禁止とのことなので、必死に目を凝らす。
小さい字を連ねて大きい字を書いたり、文字の芸術作品がたくさんある。木でメッカの風景を浮き彫りにしたものや、とても古くて勝ちがつけられないほど立派なお祈り用の絨毯もある。
メヴラーナ本人と、父親と息子の大きなお墓があり、豪華な布で棺が覆われ、ターバンがついている。ほかにも棺はいっぱいあるが、ターバンの色や形で生前の職業などがわかるらしい。
メヴラーナが来ていたという服や当時の楽器が展示されている。バイオリンにそっくりの弦楽器があるが、指板や弦を巻くところなど、つまりバイオリンなら黒くなっている部分がみんな象牙細工でできていて、さらに「f」型の共鳴板の穴がアラビア文字のような不思議な形の切りこみになっている。美しい。
ほかにはシンバルや太鼓など。
ミフラーブ(メッカの方角を示す簡素な祭壇)の隣には、もっとも価値のある古いじゅうたんがかけられ、ムハンマドのあごひげ一本をおさめた黄金の箱が安置されている。
「ムハンマドのあごひげはバラの香りがする」と言われ、箱を入れたガラスケースには空気穴があけてあり、みんなそこに鼻をくっつけて匂いを嗅ぐ。
私も嗅いでみたら、箱の下に敷いてある織物に炊きしめてあるとおぼしき、お香の香りがした。
それから手書きの古いクルアーン(コーラン)の本がいっぱいある。
金銀色とりどりで緻密に飾り立てた豪華本、人差し指と親指をくっつけて作った丸くらいの大きさしかない八角形の豆本もあれば、両手でやっと抱えられるかどうかという巨大な本もあるし、ページ全体がぜんぶ金で塗られ、その上に羽根と花の装飾をちりばめたもの、黒地に金で文字を書いたものなどなど。
絵だけの本も巻き物も、米に聖句を書きこんだものもあり、見飽きない。
外に小さい部屋があって、文字がびっしり書かれた石の棺がおさめられ、中でその棺のあちこちにキスしたりぬかづいている信者がいるのを、外から観光客が眺めていた。
バラ園を抜けて土産物屋で集合。アッラーの名前を彫った石の飾りが欲しいなと思ったけど、汚し塗装があまりきれいじゃなかったので買わない。
写真入りの日本語版ガイドブックを買おうかと真剣に悩んでいたら集合時間が来てしまった。
そこを出て、神学校インジェ・ミナーレの門の前で降りて写真だけ撮る。
「デンマークから来た」という若者たちがたむろしていて、やたらと人懐こく一緒に写真を撮りたがっていた。
今日のホテル、「デデマン・コンヤ」に到着。
かなり早い時間にチェックインできた。
洗練された高級ホテルで、プールに入るのに25リラもとる。
部屋の窓から広場に立つ大きなトルコ国旗が見える。
今まで書き忘れてたけど、トルコにはあちこちに巨大な国旗がはためいている。街中にも未開の地にもどこにでもあり、色あせないあざやかな赤色で、風が強いのでよくはためいている。
テレビをつけたらちょうどオランダ対ポルトガル戦が終わろうというところだったので、最後まで見る。
その後、晩ご飯まで時間があるので、ホテルの向かいにある大きなスーパーへ行く。
最初に入った建物はがらんとしたホームセンターだった。
その隣がスーパーだった。スーパーの手前には服のアウトレットや携帯電話の店が並んでいる。
スーパーは巨大で、出来合いのお惣菜を売っている一角を通ると、すごくおいしそうに見える。今まで食べてきた料理よりずっとおいしそう。
目立つところにはお試し、というかプロモーション商品のお菓子や飲み物が積み上げてあって、べらぼうに安い。
よくイベント会場に設置してある、タンクに入った水が1つ60円だったり、スイカが1キロあたり30円だったりする。
外国で魚売り場を見るのは珍しいなと思う。
お湯で作るカップパスタを発見したが辛そう。
お湯を注いで作るトルコ風のスープ(59クルシュ)を2つ買った。
あとヘーゼルナッツペーストの小瓶が3個セットになってるやつ(9.49リラ)。ヌテラとかよりヘーゼルナッツだけのほうがだいぶ高いが、おいしそう。
ハリボーのグミの、日本だと300円くらいするピーチの袋が1リラだったのでカッとなって買う。
あとお土産のガム7.4リラ、歯みがき粉1リラ、ビスケット50クルシュなど、小さくて軽いものを探す。
親にピクルスを買おうかなと思ったけど、万一瓶が割れたりしたら目も当てられないからやめる。紅茶はいっぱい家にあるからチャイの大袋とかは意味がないし。
合計20.57リラをレジで払う。
トルコではウェイトレスという職業がないようで、飲食店のウェイターや店の売り子は全員男性なんだけど、レジ打ち係は女性だった。
20時からホテルのレストランで晩ご飯。
今回はビュッフェじゃない。高級ホテルだけあって飲み物の単価もだいぶ高くなっていたので、頼まなかった。
まずマッシュルームのスープ(うまい)が出てきて、次にペンネアラビアータ、それからローストビーフ。肉が赤くなくて大味。マッシュポテトはおいしい。でもこれってトルコ料理じゃない……。
同卓の夫婦は浦和レッズの年間シートを持っているサポーターらしいが、旦那さんのほうが仕事で台湾の行きつけのホテルで、「日本人が立てこもって包丁持って暴れてるから何とかしてよ」と支配人に言われ、「同じ日本人なんだしここはひとつ」などとよくわからない説得をさせられて生きた心地がしなかったとか、北京発イラン行きの飛行機がオイル漏れを起こしてスチュワーデスがお祈りを始め、もうだめかと思ったがウルムチに不時着し、北朝鮮から積んでいたミサイルの可能性もある謎の荷物を積み替えるまで36時間ホテルに缶詰めにされたとか、面白い話を聞かせてくれた。
近くに別の日本人の団体客がいて、「お誕生日おめでとうございまーす!」と拍手していた。トルコ国旗をプレゼントされていた。
部屋に戻り、ウルグアイ対ガーナ戦をテレビで流しつつ風呂に入る。バスルームのスピーカーからテレビの音声が流れる仕様になっている。
サッカー中継ももちろんトルコ語なんだけど、ボールを持っている選手の名前を連呼し、ゴールに近づくと呼び声が熱を帯びるので、ゴールしたことは最低わかる。あと「オフサイド」とか「ファウル」もそのままなのでわかる。
幅は狭いが長くて足がすっかり伸ばせるバスタブでリラックス。
あと部屋にインターネットのジャックがあり「ワイヤレスでもケーブルでもインターネットは無料」とホテルのパンフレットに書いてあったので、さすが高級ホテルだぜラッキーと喜んでケーブルをPCにつないだが、「サーバが見つかりません」と言われる。
フロントに言うと、「ユーザーネームとパスワードが必要なんですよ」的なことを言われて印刷してくれるが、どうやらそういう問題じゃない。それ以前に、ケーブルがつながってない状態。
でもまぁ、今絶対にネットをつながないといけないってわけでもないし、またフロントに行ったりするのも面倒くさいのであきらめて、写真だけ整理して23:30に寝る。
枕チップ2リラ。
全体的にこの日はやや中休みっぽい日だった。ちょっと疲れがたまってきたころだったのでちょうどよかった。
同じく6時起床、朝ご飯は円卓でビュッフェ、フレンチトーストが甘くなかったり、またジュースが人工甘味料の味だったりというのはあったが、コーンフレークにレーズンのジャムを入れたり、パンにあんずジャム(出来合いのじゃなくてちゃんと煮て作ったやつ)をつけてチャイを飲み。満足。
朝から近くのパムッカレへ向かう。山の斜面の一部が真っ白になっていて、遠目に見るとスキー場みたい。
ここはギリシャ時代の温泉保養地だが、病人がここにやってくるとまず審査があって、治りそうもない患者はネクロポリス(死の都)に送られそのまま死んで埋葬されたらしい。
タチアオイが群生しているヒエラポリス遺跡を抜けて、石灰棚のところへ。
石灰岩でできた、温泉が流れる白い段々畑みたいなもので、ずっと下の公園の池まで見通せる。温泉開発によってここには水があまり出なくなり、時間によって一部の場所に流しているだけらしい。
木の通路を通り、お湯につかれるほうまで行って、いったん解散。
そこらじゅうに犬がごろごろしていて、暑いので地面でグッタリ死んだようになっているのだが、みんな耳にマークがつけてある。
白い段々畑の間にお湯が流れる水路があり、日本人は裸足になってそこに座って足湯。白人たちは水着で寝そべったり、もっと奥の水につかったりと、リゾートを堪能している。日本人はみんな厚着で日傘をさしている。
水路はちょっとぬるっとしているがあったかくて水流が強く気持ちいい。段々畑のほうにたまった青色の水は冷たい。石灰岩のギザギザが一面にあって、裸足で歩くとけっこう痛い。しかも、段々畑からもし転がり落ちたら相当下まで落下すること必至。一応警備員がいて、あまりふちに近づくと笛をピピーと鳴らす。ずっと下を見ながら恐る恐る歩く。
しばらくして足を水たまりで洗って乾かして靴を履いたらとても気持ちよかった。
奥の遺跡の壁を越えて別の木の道を歩くが、奥側の段々畑にはまったく水が流れていなくて真っ白いだけだった。
集合場所へ移動。建物の中に「アンティーク・プール」というのがあり、これはギリシャ時代の本物の遺跡が中に沈んでいるプール。入場料を25リラ(1500円)も取る観光客仕様で、むっちりと肥った白人たちがいっぱい入っていた。
そのまわりに売店があり、ここで飲むヨーグルトの「アイラン」を2リラで買う。まったく甘くなくてスッキリした味。
集合を待ちながらカメラ女子と話す。かわいいストラップをつけていたので聞いたら、自分で企画したものらしい。
今朝がたからの写真を見せると(昨日までのはPCに移してしまってもうない)、「レンズが明るいから光って見えますね、いい意味で」と言われる。うーん、そうなのか? よくわからない。「今までほとんどずっと明るいレンズだったからよくわからない」と答える。
また、彼女はレンズフードを持ってこなかったので、こういうまぶしいくらいの日には持ってくるべきだったと言っていた。それは確かにそうかも。
一緒にいた、一人客でカメラ女子と仲良くなっていた女の子に、二人してレンズフードの役割について説明する。
集合時間になっても二人見当たらない。添乗員さんが探しつつバスに戻ると、その二人はバスにいた。当初言われていた集合場所が建物の外だったのだが、みんななんとなく日陰を求めて中に入り、中で集合していたのだった。外にいたその人たちは迷いつつバスまで戻り、運転手さんから電話してもらって事なきを得た。
パムッカレを出てコンヤまで長い道のり。どのルートを通るのか地図を見てもよくわからないが、湖が見えれば見当がつくはず。
しかしほぼずっと寝ていて、湖はまったく気付かなかった。
その間、広い広い平野にオリーブ畑やさくらんぼなどの果樹園、はるか向こうに木の少ない山、という景色がかわりばえせずずっと続く。
休憩に止まったドライブインは、ハチミツヨーグルトが有名なところだという。水を切った固いヨーグルトに松の木のハチミツを入れてケシの実をふりかけるというもので、5リラ。ハチミツヨーグルトは普通に家でもよく食べるしなー、と思って食べない。
あと売店ではバラ水やバラ石鹸などを売っているが、とくにあげるあてもないので買わなかった。
昼ご飯は13:30ごろレストランの大きな円形ホールにて。
よく出てくる千切りにした野菜のサラダ(オリーブオイルとレモン)、いんげんとニンジンのオリーブ煮(味がないので塩をかけて食べる)、そして串からは抜いてある羊ミンチ肉のケバブに焼きトマト。
このケバブがおいしくて、「これこれ、この味をトルコ料理に求めていたんだよ! もっと早くこれを出してくれよ!」と思った。
それから、薄い生地にひき肉を乗せたトルコ風ピザ(トルコ語だとピデ)があって、これもおいしい。
デザートはビュッフェで、山積みにしたダークチェリーをたくさん食べた。あとはプディングとか甘いのばかり。
このへん寝てばかりいてあまりよく覚えてないんだけど、お土産用のターキッシュ・デライト(トルコ語ではロクムといい、ナッツ入りの求肥みたいな名産のお菓子。そこまで甘くはない。ナルニアでエドマンドが冬の魔女に頼んで出してもらってたのがこれ)をここらへんのドライブインでたくさん買い込んだはず。メモにも書いてないしレシートもないのでよくわからない……。
ひたすらバスで寝ていたら大きな町に入った。
やたらと新しくて道路幅が広くて路面電車が走りカラフルな集合住宅が整然と並んでいて、ここはどこだろう?と思っていたらもうコンヤの街だった。
まだ16:30くらいで、地図を見た限りもっとかかると思っていた。
ここでメヴラーナ博物館に行く。
白い服を着てグルグル回り続ける「セマー」(俗に回教とも言う)の開祖であるメヴラーナのお墓がここにある。
入り口の上には美しいアラビア文字の額がかかっている。
今までのツアーではギリシャ遺跡ばかり見てきたので、いよいよイスラム文化が始まりテンションあがる。
入る前に、建物の外にあるお墓を撮っていたら、そこに祈る人がやってきた。立ったまま、両手を胸の前あたりで上に向け、軽くすぼめた姿勢で何かつぶやいている。
中に入るときにちょうど、一日五回のお祈りの時間になり、朗々とアザーンが響く。
今まで、あんなにモスクがいっぱいあるのにバスやホテルの中にいるとアザーンが聞こえなくて、トルコでは金曜しか放送しないとか決まりがあるのか?と思っていた。
入り口で靴にビニール袋をかぶせる。
中は写真撮影禁止とのことなので、必死に目を凝らす。
小さい字を連ねて大きい字を書いたり、文字の芸術作品がたくさんある。木でメッカの風景を浮き彫りにしたものや、とても古くて勝ちがつけられないほど立派なお祈り用の絨毯もある。
メヴラーナ本人と、父親と息子の大きなお墓があり、豪華な布で棺が覆われ、ターバンがついている。ほかにも棺はいっぱいあるが、ターバンの色や形で生前の職業などがわかるらしい。
メヴラーナが来ていたという服や当時の楽器が展示されている。バイオリンにそっくりの弦楽器があるが、指板や弦を巻くところなど、つまりバイオリンなら黒くなっている部分がみんな象牙細工でできていて、さらに「f」型の共鳴板の穴がアラビア文字のような不思議な形の切りこみになっている。美しい。
ほかにはシンバルや太鼓など。
ミフラーブ(メッカの方角を示す簡素な祭壇)の隣には、もっとも価値のある古いじゅうたんがかけられ、ムハンマドのあごひげ一本をおさめた黄金の箱が安置されている。
「ムハンマドのあごひげはバラの香りがする」と言われ、箱を入れたガラスケースには空気穴があけてあり、みんなそこに鼻をくっつけて匂いを嗅ぐ。
私も嗅いでみたら、箱の下に敷いてある織物に炊きしめてあるとおぼしき、お香の香りがした。
それから手書きの古いクルアーン(コーラン)の本がいっぱいある。
金銀色とりどりで緻密に飾り立てた豪華本、人差し指と親指をくっつけて作った丸くらいの大きさしかない八角形の豆本もあれば、両手でやっと抱えられるかどうかという巨大な本もあるし、ページ全体がぜんぶ金で塗られ、その上に羽根と花の装飾をちりばめたもの、黒地に金で文字を書いたものなどなど。
絵だけの本も巻き物も、米に聖句を書きこんだものもあり、見飽きない。
外に小さい部屋があって、文字がびっしり書かれた石の棺がおさめられ、中でその棺のあちこちにキスしたりぬかづいている信者がいるのを、外から観光客が眺めていた。
バラ園を抜けて土産物屋で集合。アッラーの名前を彫った石の飾りが欲しいなと思ったけど、汚し塗装があまりきれいじゃなかったので買わない。
写真入りの日本語版ガイドブックを買おうかと真剣に悩んでいたら集合時間が来てしまった。
そこを出て、神学校インジェ・ミナーレの門の前で降りて写真だけ撮る。
「デンマークから来た」という若者たちがたむろしていて、やたらと人懐こく一緒に写真を撮りたがっていた。
今日のホテル、「デデマン・コンヤ」に到着。
かなり早い時間にチェックインできた。
洗練された高級ホテルで、プールに入るのに25リラもとる。
部屋の窓から広場に立つ大きなトルコ国旗が見える。
今まで書き忘れてたけど、トルコにはあちこちに巨大な国旗がはためいている。街中にも未開の地にもどこにでもあり、色あせないあざやかな赤色で、風が強いのでよくはためいている。
テレビをつけたらちょうどオランダ対ポルトガル戦が終わろうというところだったので、最後まで見る。
その後、晩ご飯まで時間があるので、ホテルの向かいにある大きなスーパーへ行く。
最初に入った建物はがらんとしたホームセンターだった。
その隣がスーパーだった。スーパーの手前には服のアウトレットや携帯電話の店が並んでいる。
スーパーは巨大で、出来合いのお惣菜を売っている一角を通ると、すごくおいしそうに見える。今まで食べてきた料理よりずっとおいしそう。
目立つところにはお試し、というかプロモーション商品のお菓子や飲み物が積み上げてあって、べらぼうに安い。
よくイベント会場に設置してある、タンクに入った水が1つ60円だったり、スイカが1キロあたり30円だったりする。
外国で魚売り場を見るのは珍しいなと思う。
お湯で作るカップパスタを発見したが辛そう。
お湯を注いで作るトルコ風のスープ(59クルシュ)を2つ買った。
あとヘーゼルナッツペーストの小瓶が3個セットになってるやつ(9.49リラ)。ヌテラとかよりヘーゼルナッツだけのほうがだいぶ高いが、おいしそう。
ハリボーのグミの、日本だと300円くらいするピーチの袋が1リラだったのでカッとなって買う。
あとお土産のガム7.4リラ、歯みがき粉1リラ、ビスケット50クルシュなど、小さくて軽いものを探す。
親にピクルスを買おうかなと思ったけど、万一瓶が割れたりしたら目も当てられないからやめる。紅茶はいっぱい家にあるからチャイの大袋とかは意味がないし。
合計20.57リラをレジで払う。
トルコではウェイトレスという職業がないようで、飲食店のウェイターや店の売り子は全員男性なんだけど、レジ打ち係は女性だった。
20時からホテルのレストランで晩ご飯。
今回はビュッフェじゃない。高級ホテルだけあって飲み物の単価もだいぶ高くなっていたので、頼まなかった。
まずマッシュルームのスープ(うまい)が出てきて、次にペンネアラビアータ、それからローストビーフ。肉が赤くなくて大味。マッシュポテトはおいしい。でもこれってトルコ料理じゃない……。
同卓の夫婦は浦和レッズの年間シートを持っているサポーターらしいが、旦那さんのほうが仕事で台湾の行きつけのホテルで、「日本人が立てこもって包丁持って暴れてるから何とかしてよ」と支配人に言われ、「同じ日本人なんだしここはひとつ」などとよくわからない説得をさせられて生きた心地がしなかったとか、北京発イラン行きの飛行機がオイル漏れを起こしてスチュワーデスがお祈りを始め、もうだめかと思ったがウルムチに不時着し、北朝鮮から積んでいたミサイルの可能性もある謎の荷物を積み替えるまで36時間ホテルに缶詰めにされたとか、面白い話を聞かせてくれた。
近くに別の日本人の団体客がいて、「お誕生日おめでとうございまーす!」と拍手していた。トルコ国旗をプレゼントされていた。
部屋に戻り、ウルグアイ対ガーナ戦をテレビで流しつつ風呂に入る。バスルームのスピーカーからテレビの音声が流れる仕様になっている。
サッカー中継ももちろんトルコ語なんだけど、ボールを持っている選手の名前を連呼し、ゴールに近づくと呼び声が熱を帯びるので、ゴールしたことは最低わかる。あと「オフサイド」とか「ファウル」もそのままなのでわかる。
幅は狭いが長くて足がすっかり伸ばせるバスタブでリラックス。
あと部屋にインターネットのジャックがあり「ワイヤレスでもケーブルでもインターネットは無料」とホテルのパンフレットに書いてあったので、さすが高級ホテルだぜラッキーと喜んでケーブルをPCにつないだが、「サーバが見つかりません」と言われる。
フロントに言うと、「ユーザーネームとパスワードが必要なんですよ」的なことを言われて印刷してくれるが、どうやらそういう問題じゃない。それ以前に、ケーブルがつながってない状態。
でもまぁ、今絶対にネットをつながないといけないってわけでもないし、またフロントに行ったりするのも面倒くさいのであきらめて、写真だけ整理して23:30に寝る。
枕チップ2リラ。
全体的にこの日はやや中休みっぽい日だった。ちょっと疲れがたまってきたころだったのでちょうどよかった。
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