7月1日(木)3日目

昨日と同様のスケジュールで、6時起床、荷物を出して朝食へ。
固めに焼いたパンがおいしく、チョコペーストをつけて食べる。あとバラのジャムとあんずのジャムが珍しかったのでお土産に持ち帰る。
皮のないソーセージみたいなのもおいしかった。豚は食べないから鶏だろうか?
ミックスジュースを飲んだら、喉に引っかかる甘さで、残す。たぶん人工甘味料の味だと思う。

テーブルで、昨日のFXのおじさんがあちこちで危険な目にあったという話をきく。北京でぼったくりにあって2人で16万取られたけど、地元の人に言ったら「それは良心的でよかったですね」と言われたとか。
けっこう旅慣れてるみたいだから団体旅行じゃなくてもよさそうなものなのに。

バスに乗る際、前から3列目を指定される。今日は一人席。
エイドレミットから南下し、ベルガマ近辺のトルコ石の店に連れて行かれる。
ツアーだからこういうショッピングの機会が計3回入ってくるのは仕方がない。

まず店員さんが、なかなか達者な日本語でトルコ石の本物と偽物はどうやって見分けるかとか(結局は割ってみないとだめらしい)、説明してくれる。
ふつうのつるっとしたトルコブルーのトルコ石だけじゃなく、アンティークトルコ石といって土っぽい色の石がまだらに入って複雑な模様になっているものを多く陳列してある。こっちは地球みたいできれい。かなり緑がかっていて、模様のせいでいかにも一点もの!って感じ。

でも、値段はタグの裏に書いてあるのでいちいち店員に聞かないといけない。
ひとつまみもないほどの石を4つクローバー型に連ねたネックレストップが7万くらいする。「もっと安いのがよければあっちには3万円からあります」と言われて、こりゃないなと思う。
店員がずーっとついてきて説明を続けようとするので、トイレを借りると言って店の外に出る。
まわりにはみごとになんにもない。幹線道路わきにぽつんと店だけあって、まわりは荒れ地。
ラベンダーみたいな花やキョウチクトウが咲いていて、強い日差しをよけつつそれらの写真を撮っていたら、2匹の子どもを連れた野良犬が道路を横断し、木の下で休んでいたのを見つけた。

しばらくするとFXのおじさんが出てきて、「奥さんにこのデザインを買って来いと厳命されていた」とのことで、小さいのが二列に連なったデザインの指輪を15万円で買ったという。
おまけでもらった、小さいトルコ石の粒がついた安全ピンを私にくれた。
奥さんに「旅行は面倒だから一人で行って来い」と言われた、という男の人がほかにも二人いた。まぁ「ダンナがいないあいだ羽が伸ばせるわー」的な気持ちもわからんでもない。

添乗員さんが12月生まれなので、トルコ石は誕生石。ちょうど30歳になったらしく、今回の旅行の記念にとペンダントを購入してさっそくつけていた。
私は確か30歳だからということで今のデジカメを買ったんじゃなかったかな。私にとっては、カメラは宝石よりずっと大事だし使いでがある。人それぞれ。

だんだん人が外にたまってきて、最後の人が買い物を済ませるのを待ってバスに戻り、エフェスの手前のオープンテラスのレストランで昼ごはん。

また団体旅行用の奥の部屋で、メニューは野菜のスープ、ビーツやニンジンを千切りにして盛り合わせたサラダ(オリーブオイルとレモンをかけて食べる)、ズッキーニとニンジンの入ったやわらかいオムレツ……というかキルシェっぽいもの(すごい薄味)、そしてシシカバブ。牛肉とタマネギとトマトが長い鉄串に刺さってて、下に固いナンがしいてあり、それに挽き割り小麦?のピラフとピリ辛のタマネギ、いためたポテトにヨーグルトソースをかけたポテトサラダが添えてある。デザートはチョコレートムースと丸くくりぬいたスイカ。
エルマチャイ(アップルティー)を3リラで注文。リンゴジュースを温かい紅茶に足したような感じで、薫り高くおいしい。

土産物屋がついてるので帰りに冷やかす。エフェスの娼館跡で発掘されたらしい巨根の人形の置物がいっぱい並んでる。

エフェスの遺跡に到着。上から下へ見て回る。
ここは古代ギリシャ人が建設した都市国家。
面積が広く、いろいろな建築物が残っていて見ごたえがある。その分観光客も多い。

公衆トイレだったという、穴がいっぱい並んでるところがあって(中央に噴水があって音消しになっている)、どれどれと穴に座ってたら「シャッター押しましょうか?」と言ってくれる人がいたので、ふんばってるポーズで(笑)撮ってもらう。

勝利の女神ニケのレリーフ前で、「ニケの翼がNIKEのロゴになった」という話を聞く。
セルスス図書館という、二階建ての建物の入り口部分が非常に大きくて立派。その下の日陰に観光客がびっしり座っている。
その手間に娼館の広告が彫ってあったらしいんだけど見逃した。

文字がいっぱい彫られた石壁の前にモデル立ちで腕を広げてカッコつけて立ち、みんなに写真を撮らせている白人の女の子がいた。謎。

奥へ進むとすごく大きなオデオン(議会にも使われる円形劇場)がある。今でもコンサートに使われていて、24000人収容できるらしい。
音響効果がすごくて、舞台に立って声を出すとうまく反響して、ずっと後ろのほうの席でもはっきりとよく聞こえる。

クレオパトラとシーザーも歩いたといわれるアルカディアン通りを歩く。本来はこの先は港だったが、今は土砂が堆積して平野が続いている。
脇に墓地跡があり、海を望んだ高台に半円を描いて棺が静かに並んでいる。FF9の黒魔道師の村の墓地みたいだなと思った。

エフェスからパムッカレまでの長い移動の最中、今度は革製品の店に寄る。
ツアー客を細長い部屋に入れてファッションショーを見せる。
冷たいリンゴジュースが配られる。
カッコいいお兄さんとお姉さんが、タグが付いたままの売り物のジャケットやコートを着たり脱いだりして歩いてみせる。
リバーシブルのジャケットが大変薄くて色がきれい。
デザイン的にはまぁまぁ。ベルトが後ろでクロスしたデザインの茶色の半コートがあって、あれはいいなーと思っていた。

すると今度はモデルさんが客席に降りてきて、4人つかまえてモデルに仕立てる。
2番目にイケメンのお兄さんにつかまえられてしまった。
舞台の奥には服がいっぱいかかったハンガーがあって、その中からお兄さんが、さっき私がいいなと思ったコートをさっと引っ張り出して着せてくれた。おお、運命!?
着てみるとやたら軽い。お兄さんと腕を組んで舞台に出、「ベルトをほどいて前を開けてポーズを取れ」と指示されたのでそのようにする。
最後は全員並んで手をつないでお辞儀。

そのあとショップに連れて行かれ、また店長がいろいろ説明する。
日本語がやはり達者で、「みなさんこんにちは。トルコ語でこんにちはは、メルハバ。私はご覧のとおり、L幅」とか、皮の見本を持って見せながら「これは羊の皮、こちらは最上級の子羊の皮、そして毛が生えてるのが私の皮です」とか、うまい。

さっき着せてもらったコートを探すと、1225ドルという値札がついている。高っ。
店員が来て「94000円くらいだけど、今はシーズンオフだから84000円まで下げます。店長に相談したら80000円になるかもしれない」と言われる。
ベージュもあったんだけど「茶色のほうが合わせやすい」と言われる。あと「ヨーロッパのトップブランドの革製品はなめしと縫製をトルコでやっているものが多い」のだそうで、「これにバーバリーの裏地がついたら40万円になる」とも。どこまで本当かわかったものじゃないけど。

高いとは思うのだが、今持ってるかなりすりきれたスエード風の上着や、裏地が破けてきたツイード風の茶色のジャケットの代わりとして、長年着られると思えば、これも一つの縁かなぁ……などと考える。
私は基本的に旅先で自分用のお土産をあまり買わないが、服や靴は今までもけっこう買っている。その場所のことを思い出すし、日本では売ってないと思うとちょっとうれしい。

8万よりは安くならないの?と言ってみたら、店長に相談して78000円と言われる。ここでさらに75000円なら買う、とか言ってみればよかったんだけど、それまでにもかなり長時間店員を拘束してしまったしなぁ……と弱気になってしまい、それで買うことに。
契約が成立すると店員さんたちが拍手でレジにご案内。

たぶん値段なんてあってないような商売だから、いくら物がいいとはいっても原価は2、3万円とかなんじゃないかなぁ。もっと頑張ればよかったとあとで後悔するものの、もともと欲しかったこちらの足元を見られてしまった。

とはいえ、ツアーのほかの人たちに「ショーで着せてもらったやつを買いました」と言ったら、みんなに「あれすごく似合ってた」と言われまくる。生涯でこんなに服を「似合う」と言われたことは今までないってくらい連呼されて、気を良くする。
秋になったら着よう。

店を出てしばらくすると幹線道路をそれて田舎道に入る。
荷台に村の女性たちをいっぱい乗せたピックアップが走っていたり、家の前に小さいテーブルを出してトルコ式麻雀やバックギャモンをやっている男たちがいたり、「ふれあい街歩き」的な世界になり、日常生活が見えてテンションあがる。

しかしその一帯を抜けると今度は温泉リゾート地になり、ホテル「ポラット・サーマル」に到着。温泉やプール・エステなどがあり敷地がだだっ広い。
部屋は全部1階で、渡り廊下を通っていく。素朴な感じの小さいベッド二つにキルティング風のふとんがかかっていて、窓からは超巨大パラボラアンテナが見える。テレビは小さくて古い。冷蔵庫は空っぽで霜が降りている。

ロビーに集合してレストランで晩ご飯。今回もビュッフェで、スイカ細工が飾ってある。
その場で作ったパスタを供しているのだが、具は一緒なのに作るたびにちょっとずつ味が違う。シェフの気まぐれパスタ? その場で揚げてシロップに漬けた焼き菓子もあった。
ズッキーニにライスを詰めてヨーグルトソースをかけた一種の前菜が、不思議な風味でおいしかった。鶏肉グリルはあまり味がない。マーボー茄子みたいな料理もあった。ちょっと赤いペーストみたいのを取ってみたら辛いサラダだったり、ヨーグルトときゅうりを和えたのとか、トルコ料理をいろいろ体験。

その後、部屋でいったん水着に着替え、水着で廊下を歩いて温泉へ。建物の中でタオルを借りる。
温泉はプールの横に別にあり、プールみたいな感じだけど中央に湯が噴き出る火山型の噴水があり、水は泥色に濁っている。
入るための階段がぬるぬるしていて、さらに床に足をつけると砂がいっぱい沈んでいて足指の間からニュルニュルする。斬新な感覚。でもあったかくて気持ちいい。
すでに日本人の男の人が二人入っていて、関西からJTB旅物語のツアーで来た人らしい。
関西人同士の会話はさすがおもしろいなぁ、と思いつつふよふよと泳いでみたりする。

しばらくしてのぼせたので部屋に帰ると、プールの上にきれいに星が出ている。部屋に眼鏡を取りに戻ってからもう一度、明りのない中庭に出て空を見上げると木々の間にいっぱい星が見える。
でも周りが暗すぎてちょっと怖い。

水着のままシャワー浴びて洗って干して、カメラの中にたまった写真をPCに移して充電もする。
23時過ぎに寝たが夜中に蚊がいたので、起きて叩き殺す。空港で買ったムヒが役立った。


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