7月5日(月)7日目 イスタンブール→グランドバザール
 
いつもよりのんびり起き、朝食は、前ひっくり返したシリアルを今度は気をつけて運ぶ。

8時にチェックアウトして、フロントで「ここから一番近い地下鉄の駅はどれですか?」と言いながらガイドブックの路線図を見せる。
ここからタクシーで5分くらいのところに地下鉄の駅があって、街に出られるという話を昨日聞いていたので。
すると、「道を渡ったすぐのところ」と言われる。持っていたガイドブックがちょっと古くて、今はもっと路線が伸びていた。ガイドブックの路線図に「今ここ」と書きこんでくれる。

確かに、ホテルを出ると道路の向かいに赤と青のそれらしい看板が見える。
なんとか工科大学前、という地下鉄の駅に降りて、自販機で1.5リラのトークンを買う。プラスチックの青いコインみたいなもので、これを切符がわりに自動改札に通す仕組み。

あと何分何秒で次の電車が来るかが電光掲示板に表示されていて便利。
タクシム行きが来て乗り込むと、座席がツルッとしたトルコブルー色で、車内も広いし新しくてきれい。
車内では音楽を聴いている人はいるが、本を読んでいる人や携帯をいじっている人は一人もいない。寝るわけでもなく、みんなじっとしてる。

タクシム駅に着き、地下ケーブルに乗り換える。
これも1.5リラのトークンが必要。
トークンを1個買って、さっきのと同じものなのを確認。このあともう一回電車に乗るので、もう一個買っておけばいいんじゃね?と気付く。

地下ケーブルはよく山にあるケーブルカーがトンネルの中に収まってる感じで、やや下っている。駅に巨大なケーブル巻き上げ機がある。
3分くらいで着き、今度はトラム(路面電車)に乗り換える。
地上の観光地周辺をずっと行き、オープンテラスでお茶飲んでる人の目の前とか、ほんとに店の軒先すぐを通るのでおもしろい。

グランドバザールの駅で降りて(駅名忘れた)、人波の行くほうへ流されていくと、すぐに門があり、中はアーケード。
アーケードは格子状にずっと広がっていて、道幅がけっこう広い。
金や宝石(アクセサリーもあれば塊や粒になった地金もある)、ぴかぴかの銀器、アンティーク道具(六分儀、カメラ、ランプ、懐中時計、剣、水差しなどなど宝の山)、絵皿と鍋敷き、色とりどりのモザイクランプ、螺鈿細工の飾り箱やバックギャモン&チェス

盤(表裏で両方遊べる。小さい箱になっていて中にコマが入っているものもある)、絨毯、革の服、あやしげなお土産用Tシャツ、明らかに偽物くさいブランドのカバンやコート、お菓子とティーバッグ……といった、おもに観光客向けの小さい店がびっしりと並ん

でいる。地元民はあまり来なさそう。
ところどころにカフェがある。

片隅に、チャイのコップをせっせと洗ったり並べたりしている狭いスペースがあった。ここからそこらのお店にチャイを配達するのだろう。
配達のおぼんを担ぎ、料理なんかも載せてる男の子を見かけた。

折りたたみのチェス箱がかわいくていいなと思ったが、30リラとか40リラとかするので買えない。この辺の小さな店ではクレジットカードも使えないし。
あと、青い目玉が表紙の皮から飛び出ているような作りの手帳があって、ネクロノミコンっぽくていい!いやがらせのプレゼントとかにもうってつけ!と思ったが、やはり40リラとかする。手づくりの一品モノなので高いらしい。

グランドバザールの外に出て歩いていたら、さっきの目玉がついた手帳を店の前に出しているところを発見。しかもお店のドアにはクレジットカードが使えるシールが貼ってある。
これなら買える!と思い、交渉する。
45リラのアルバムに今回の旅行の写真をまとめて入れたらすごくいい!と思った。
「30リラなら買うよ」「40じゃないと売れない」「35リラはどう?」「5リラの差はたいした額じゃないけど、それが僕のプロフィットになるんだ、40じゃないとだめ」などと話すが、なんとクレジットカードが使えないと言われる。
「向こうに銀行があるからATMでおろしてきて」と言われるが、「account balance not enough」と表示が出て、意味がわからない(ちなみに残高不足という意味だった)。
よく考えてみたら、もしかしてクレジットカード作るときにキャッシング枠を作らなかったのかもしれない。そんなことってあるのかな……全然覚えてないけど。
結局あきらめる。
まぁ表紙はかっこよかったけどアルバム自体の作りはすごい安っぽかったし、mixiのアルバムで写真公開したほうがみんなに簡単に見てもらえていいよね、と前向きに考える。

鍋敷きが欲しかったので絵皿の店を見て歩く。だいたいはチューリップとかタイルの絵柄なんだけど、珍しくアラビア文字でアラーの名前が書いてあるのがあって、印刷はチープなんだけど、神様の名前を鍋敷きにしちゃうってのが逆にありがたいというか、鍋が

おいしくなりそうだなと思った。

6リラだと言われたが、財布を開けて「もうこれしかない」と言いながら小銭入れに入っていた4.5リラのコインを出したら、「日本人だからOK」と言われる。
丁稚みたいな若い男の子が新聞紙に包んでくれたので「テシェッケルエデリム」(ありがとう)と言ったら、「なんで感謝するの?」みたいな返事をされた。新聞紙で包むのは当たり前でしょってことか。

ちなみにトルコ語でしゃべれるようになったのはメルハバ(こんにちは)とギュナイドゥン(おはよう)とテシェッケルエデリム(ありがとう)だけだった。どこに行っても日本語が通じるからトルコ語をしゃべる必要がなく、しゃべらないから覚えない。

ぼちぼち時間なので集合場所のヌルオスマニエ門に行く。
修復中のモスクがあり、白と青の、王子様のような衣装を着て杓?ロッド?を持った男の子が、親(こっちは普通の服)に連れられて中に入っていくのを見かけた。七五三みたいなものか?と思ったがあとで調べたら割礼式の前のお祈りらしい。文化の違いを感じ

る。

最終的に財布の残金は2リラ10クルシュ。わずかに126円。

オプショナルツアーに行っていた人とも合流し、バスに乗って昼ご飯。海沿いのレストランへ。
メニューはくだいたレンズ豆のスープ、野菜入りの春巻、そしてドネルケバブ。最後の食事でついに来た。日本でもよく見かける、筒状につるした肉をこそげとる奴。マッシュポテトとピラフつき。おしかったが、けっこうみんな残してて、残すくらいなら欲しか

った。チャイは4リラでお金が足りなかった。

そこからすぐ空港につき、ガイドさんとお別れ。
みんながそれぞれここでチップをあげる決まりだとすると、私2リラしか持ってないから困るなと思ったが、そういうことはなかった。
ただ、みんなが飛行機に持って入れない水のペットボトル(トルコでもらったやつじゃなくて日本からわざわざ持ってきたやつ)をあげていた。

中に入り、搭乗時間まで2時間余裕があるので1時間かけてお土産屋と免税店めぐり。
カフェやスタバがあり、トルコ物価なら何か飲めるかな?と思ったが、カフェラテのショートが6リラと、普通に日本と同等の値段。
待合所に座って日記メモを手帳に小さい字でちまちま書いていたら、隣に座ったトルコ人のおじさんに、「それってあとで読めるの?」と聞かれ、「メイビー(笑)」と答える。
手荷物チェックしてさらに中の待合室に移ると水のペットボトルの自販機があって、ちょうど2リラだったので1本買う。

帰りの飛行機はトルコブルーの椅子で、足置きがあるのがすごくよかった。ゲームはちょっと少なくて、マインスイーパがあったけどコントローラーだとやりづらい。
逆に映画とCDは多い。のだめの映画があった。
エルトン・ジョンのベスト盤を聴きながら夜ご飯。

チキンかパスタが選べて、パスタにしたらトマトとナスのペンネで、ペロリと全部たいらげる。キドニー豆の煮込みと、トマト・キュウリ・チーズにオリーブオイルとレモンをかけるやつ、くるみと洋ナシのケーキはおいしかった。
食後に「ティー」をもらったら緑茶だった。
そのあと朝ごはんまで寝たり起きたり。

7月6日(火)8日目

朝ごはんはフィル・コリンズのベスト盤を聴きながらスクランブルエッグ、焼きトマトとソーセージ入りのホットサンド、オリーブとチーズの盛り合わせ、ベリーヨーグルト。これが最後のチェリージュースを飲む。チェリージュースだけは人工甘味料の味がしな

い。

トルコ時間の18:30に出発して、トルコ時間朝4:00、日本時間10:00ごろに到着。13:00には帰宅。
気温はそんなに変わらないが、湿度がまるで違うので日本のほうがはるかに暑苦しく感じる。

まとめ

・トルコは物価が安く、ごはんがおいしく、治安があまり悪くないので暮らしやすい。
・観光客の行くところばかりに行ったというのもあるが、日本語の通じる割合はハワイ並み。
・今回の旅のハイライトは、夜行列車の中でリンゴかじってるところだった。
・リュステム・パシャ・ジャーミイもよかった。エフェスのでっかいオデオンと、トロイ遺跡の寂れた雰囲気も良かった。
・カッパドキアは洞窟の中に入れなかったのが残念だった。また機会があったら洞窟ホテルに泊まったりしたい。10日間のツアーだったら泊まれたな。
・今回ほとんど前情報なしに出かけたので、「テレビでよく見るあれがココかー」というような、確認するだけにならなくてよかった。
・「他人と当たり障りのない世間話をする」というスキルがもともとほぼゼロなので(趣味が共通してればその話はできる)、今回の旅でそのスキルは上がった。といっても、レベル99まであるうちの4~5レベルくらいだけど。
英会話教室でのフリートークみたいに、相手の話す内容からどんどん糸口をつかんで話を広げていかないと会話が続かないんだけど、もともと他人に興味がないので続かない。別にあなたの家族のこととかどうでもいいしー、みたいな。かといって自分のことばか

りべらべらしゃべってもやはり話がおもしろくないという自覚はあるので、結局話が続かない。
・添乗員さんが「何度ツアーに行ってもやはり一期一会の縁」みたいな挨拶をしていて思ったけど、私は物との縁はけっこう大切にするけど、人との縁はあまり大切にしてないなと。というか、無意識的に縁を切りたがってるフシすらある。もう二度と会うことの

ないであろう人と仲良くしてもあんま意味ない、みたいに思っちゃうんだけど、本来それも旅のだいご味の一つだよね。いわんや日常においてをや。

おわり

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