トルコ旅行記 ダイジェスト版(3-4日目)
2010年7月22日7月1日(木)3日目 エイドレミット→トルコ石の店→エフェス遺跡→革製品の店→パムッカレ
昨日と同様のスケジュールで朝食ビュッフェ。
バラのジャムとあんずのジャムが珍しかったのでお土産に持ち帰る。皮のないソーセージみたいなのもおいしかった。豚は食べないから鶏だろうか?
ミックスジュースが喉に引っかかる甘さで、残す。たぶん人工甘味料の味だと思う。
バスに乗る際、前から3列目を指定される。今日は一人席。
エイドレミットから南下し、ベルガマ近辺のトルコ石の店に連れて行かれる。
ツアーだから、こういうショッピングの機会が計3回入ってくるのは仕方がない。
ふつうのつるっとしたトルコブルーのトルコ石だけじゃなく、アンティークトルコ石といって土っぽい色の石がまだらに入って複雑な模様になっているものが多い。こっちは地球みたいできれい。かなり緑がかっていて、模様のせいでいかにも一点もの!って感じ。
でも、値段はいちいち店員に聞かないといけなくて、ひとつまみもないほどの石を4つクローバー型に連ねたネックレストップが7万くらいする。「もっと安いのがよければあっちには3万円からあります」と言われて、こりゃないなと思う。
店員がずーっとついてきて説明を続けようとするので、トイレを借りると言って店の外に出る。
しばらくするとFXのおじさんが出てきて、「奥さんにこのデザインを買って来いと厳命されていた」とのことで、小さいのが二列に連なったデザインの指輪を15万円で買ったという。
そのおまけでもらった、小さいトルコ石の粒がついた安全ピンを私にくれた。
添乗員さんが12月生まれなので、トルコ石は誕生石。ちょうど30歳になったとのことで、今回の旅行の記念にとペンダントを購入してさっそくつけていた。
私は確か30歳だからってことで今のデジカメを買ったんじゃなかったかな。私にとっては、カメラは宝石よりずっと大事だし使いでがある。人それぞれ。
エフェスの手前のレストランで昼ごはん。
メニューは野菜スープ、ビーツやニンジンを千切りにして盛り合わせたサラダ(オリーブオイルとレモンをかけて食べる)、ズッキーニとニンジンの入ったやわらかいオムレツ……というかキルシェっぽいもの(すごい薄味)、そしてシシカバブ。牛肉とタマネギとトマトが長い鉄串に刺さってて、下に固いナンがしいてあり、それに挽き割り小麦?のピラフとピリ辛のタマネギ、いためたポテトにヨーグルトソースをかけたポテトサラダが添えてある。デザートはチョコレートムースと丸くくりぬいたスイカ。
エルマチャイ(アップルティー)を3リラで注文。リンゴジュースを温かい紅茶に足したような感じで、薫り高くおいしい。
エフェス遺跡に到着。
ここは古代ギリシャ人が建設した都市国家で、面積が広く、いろいろな建築物が残っていて見ごたえがある。その分観光客も多い。
公衆トイレだったという、穴がいっぱい並んでるところがあって、どれどれと穴に座ってたら「シャッター押しましょうか?」と言ってくれる人がいたのでなんかふんばってるポーズ(笑)で撮ってもらう。
セルスス図書館という、二階建ての建物の入り口部分が非常に大きくて立派。その下の日陰に観光客がびっしり座っている。
文字がいっぱい彫られた石壁の前にモデル立ちで腕を広げてカッコつけて立ち、みんなに写真を撮らせている白人の女の子がいた。謎。
奥へ進むとすごく大きなオデオン(議会にも使われる円形劇場)がある。今でもコンサートなどに使われていて、24000人収容できるらしい。
音響効果がすごくて、舞台に立って声を出すとうまく反響して、すごい後ろのほうの席でもはっきりとよく聞こえる。
クレオパトラとシーザーも歩いたといわれるアルカディアン通りを歩く。本来はこの先は港だったが、今は土砂が堆積して平野が続いている。
エフェスからパムッカレまでの長い移動の最中、今度は革製品の店に寄る。
ツアー客を細長い部屋に入れて冷たいリンゴジュースを配り、ファッションショーを見せる。
カッコいいお兄さんとお姉さんが、タグが付いたままの売り物のジャケットやコートを着たり脱いだりして歩いてみせる。
リバーシブルのジャケットが大変薄くて色がきれい。デザイン的にはまぁまぁ。ベルトが後ろでクロスしたデザインの茶色の半コートがあって、あれはいいなーと思っていた。
すると今度はモデルさんが客席に降りてきて、4人つかまえてモデルに仕立てる。
2番目にイケメンのお兄さんにつかまえられてしまった。
舞台の奥には服がいっぱいかかったハンガーがあって、その中からお兄さんが、さっき私がいいなと思ったコートをさっと引っ張り出して着せてくれた。おお、運命!?
着てみるとやたら軽い。お兄さんと腕を組んで舞台に出、「ベルトをほどいて前を開けてポーズを取れ」と指示されたのでそのようにする。
最後は全員並んで手をつないでお辞儀。
そのあとショップに連れて行かれ、また店長がいろいろ説明する。
日本語が達者で、「みなさんこんにちは。トルコ語で“こんにちは”は、メルハバ。私はご覧のとおり、L幅」とか、皮の見本を持って見せながら「これは羊の皮、こちらは最上級の子羊の皮、そして毛が生えてるのが私の皮です」とか、うまい。
さっき着せてもらったコートを探すと、1225ドルという値札がついている。高っ。
店員が来て「94000円くらいだけど、今はシーズンオフだから84000円まで下げます。店長に相談したら80000円になるかもしれない」と言われる。
ベージュもあったんだけど「茶色のほうが合わせやすい」と言われる。あと「ヨーロッパのトップブランドの革製品はなめしと縫製をトルコでやっているものが多い」のだそうで、「これにバーバリーの裏地がつくと40万円になる」とも。どこまで本当かわかったものじゃないけど。
高いとは思うのだが、今持ってるかなりすりきれたスエード風の上着や、裏地が破けてきたツイード風の茶色のジャケットの代わりとして、長年着られると思えば、これも一つの縁かなぁ……などと考える。
私は基本的に旅先で自分用のお土産をあまり買わないが、服や靴は今までもけっこう買っている。その場所のことを思い出すし、日本では売ってないと思うとちょっとうれしい。
8万よりは安くならないの?と言ってみたら、店長と相談して78000円と言われる。ここでさらに75000円なら買う、とか言ってみればよかったんだけど、それまでにもかなり長時間店員を拘束してしまったしなぁ……と弱気になってしまい、それで買うことに。
契約が成立すると店員さんたちが拍手でレジにご案内。
たぶん値段なんてあってないような商売だから、いくら物がいいとはいっても原価は2、3万円とかなんじゃないかなぁ。もっと頑張ればよかったと後悔するものの、もともと欲しかったこちらの足元を見られてしまった。
とはいえ、ツアーのほかの人たちに「ショーで着せてもらったやつを買いました」と言ったら、みんなに「あれすごく似合ってた」と言われまくる。生涯でこんなに服を「似合う」と言われたことは今までないってくらい連呼されて、気を良くする。
夕方、温泉リゾート地パムッカレのホテル「ポラット・サーマル」に到着。温泉やプール・エステなどがあり敷地がだだっ広い。
部屋は素朴な感じの小さいベッド二つにキルティング風のふとんがかかっている。
ホテルのレストランで晩ご飯。今回もビュッフェ。
その場で作ったパスタを供しているのだが、具は一緒なのに作るたびちょっとずつ味が違う。シェフの気まぐれパスタ?
ズッキーニにライスを詰めてヨーグルトソースをかけた一種の前菜が、不思議な風味でおいしかった。鶏肉グリルはあまり味がない。マーボー茄子みたいな料理もあった。
その後、部屋でいったん水着に着替え、温泉へ。プールみたいな感じだけど中央に湯が噴き出る火山型の噴水があり、水は泥色に濁っている。
入るための階段がぬるぬるしていて、さらに床に足をつけると砂がいっぱい沈んでいて足指の間からニュルニュルと斬新な感覚。でもあったかくて気持ちいい。
しばらくしてのぼせたので部屋に帰ると、プールの上にきれいに星が出ていた。部屋に眼鏡を取りに戻ってからもう一度、明かりのない中庭に出て空を見上げると木々の間にいっぱい星が見える。でも周りが暗すぎてちょっと怖い。
23時過ぎに寝たが夜中に蚊がいたので、起きて叩き殺す。
7月2日(金) 4日目 パムッカレ→コンヤ(メヴラーナ博物館)
朝ご飯のビュッフェは、フレンチトーストが甘くなかったり、またジュースが人工甘味料の味だったりというのはあったが、コーンフレークにレーズンのジャムを入れたり、パンにあんずジャム(出来合いのじゃなくてちゃんと煮て作ったやつ)をつけてチャイを飲み、満足。
近くのパムッカレ(ギリシャ時代の温泉保養地)へ向かう。山の斜面の一部が真っ白になっていて、遠目に見るとスキー場みたい。
ヒエラポリス遺跡を抜けて、温泉が流れる白い段々畑みたいな石灰棚のところへ。温泉開発によってここには水があまり出なくなり、一部の場所に流しているだけらしい。
そこらじゅうに野良犬がごろごろしていて、暑いので地面でグッタリ死んだようになっているのだが、みんな耳にタグがつけてある。
お湯につかれる場所でいったん解散。
白い段々畑の間にお湯が流れる水路があり、日本人は裸足になってそこに座って足湯。白人たちは水着で寝そべったり、もっと奥の水につかったりと、リゾートを堪能している。日本人はみんな厚着で日傘をさしている。
水路はちょっとぬるっとしているがあったかくて水流が強く気持ちいい。段々畑のほうにたまった青色の水は冷たい。石灰岩のギザギザが一面にあって、裸足で歩くとけっこう痛い。しかも、万一段々畑から転がり落ちたら相当下まで落下すること必至。一応警備員がいて、あまりフチに近づくと笛をピピーと鳴らしている。
足を水たまりで洗って乾かして靴を履いたら、とても気持ちよかった。
集合場所の建物の中に「アンティーク・プール」というのがあり、これはギリシャ時代の本物の遺跡が中に沈んでいるプール。入場料を25リラ(1500円)も取る観光客仕様で、むっちりと肥った白人たちがいっぱい入っていた。
そのまわりに売店があり、ここで飲むヨーグルトの「アイラン」を2リラで買う。まったく甘くなくてスッキリした味。
集合を待ちながらカメラ女子と話す。かわいいストラップですねと言ったら、自分で企画したものらしい。
今朝がたからの写真を見せると(昨日までのはPCに移してしまってもうない)、「レンズが明るいから光って見えますね、いい意味で」と言われる。うーん、そうなのか? よくわからない。
また、彼女はレンズフードを持ってこなかったので、こういうまぶしいくらいの日には持ってくるべきだったと言っていた。それは確かにそうかも。
パムッカレを出て、古都コンヤまで長い道のり。
昼ご飯はレストランの大きな円形ホールにて。
メニューは、よく出てくる千切りにした野菜のサラダ(オリーブオイルとレモン)、いんげんとニンジンのオリーブ煮(味がないので塩をかけて食べる)、そして羊ミンチ肉のケバブ(串からは抜いてある)に焼きトマト。
このケバブがおいしくて、「これこれ、この味をトルコ料理に求めていたんだよ! もっと早くこれを出してくれよ!」と思った。
それから、薄い生地にひき肉を乗せたトルコ風ピザ(トルコ語だとピデ)もおいしい。
デザートはビュッフェで、山積みにしたダークチェリーをたくさん食べた。あとはプディングとか甘いのばかり。
ひたすらバスで寝ていたら大きな町に入った。やたらと新しくて道路幅が広くて路面電車が走りカラフルな集合住宅が整然と並んでいて、ここはどこだろう?と思っていたらもうコンヤの街だった。
メヴラーナ博物館に行く。
白い服を着てグルグル回り続ける「セマー」(俗に回教とも言う)の開祖である、メヴラーナのお墓がここにある。
入り口の上には美しいアラビア文字の額がかかっている。
今までのツアーではギリシャ遺跡ばかり見てきたので、いよいよイスラム文化が始まりテンションあがる。
中に入るときにちょうど、一日五回のお祈りの時間になり、朗々とアザーンが響く。素晴らしい。
中は写真撮影禁止とのことなので、必死に目を凝らす。
小さい字を連ねて大きい字を書いたり、文字の芸術作品がたくさんある。木でメッカの風景を浮き彫りにしたものや、とても古くて価値がつけられないほど立派なお祈り用の絨毯もある。
メヴラーナ本人と、父親と息子の大きなお墓があり、豪華な布で棺が覆われ、ターバンがついている。ほかにも棺はいっぱいあるが、ターバンの色や形で生前の職業などがわかるらしい。
メヴラーナが着ていた服や当時の楽器も展示されている。バイオリンにそっくりの弦楽器があるが、指板や弦を巻くところなど、つまりバイオリンなら黒くなっている部分がみんな象牙細工でできていて、さらに「f」型の共鳴板の穴がアラビア文字のような不思議な形の切りこみになっている。美しい。
ミフラーブ(メッカの方角を示す簡素な祭壇)の隣には、もっとも価値のある古いじゅうたんがかけられ、ムハンマドのあごひげ一本をおさめた黄金の箱が安置されている。
「ムハンマドのあごひげはバラの香りがする」と言われ、箱を入れたガラスケースには空気穴が開けてあり、みんなそこに鼻をくっつけて匂いを嗅ぐ。
私も嗅いでみたら、箱の下に敷いてある織物に炊きしめてあるとおぼしき、お香の香りがした。
それから手書きの古いクルアーン(コーラン)の本がいっぱいある。
金銀色とりどりで緻密に飾り立てた豪華本に、人差し指と親指をくっつけて作った丸くらいの大きさしかない八角形の豆本もあれば、両手でやっと抱えられるかどうかという巨大な本もあるし、ページ全体がぜんぶ金で塗られ、その上に羽根と花の装飾をちりばめたもの、黒地に金で文字を書いたものなどなど。
今日のホテル、「デデマン・コンヤ」にかなり早い時間にチェックイン。
洗練された高級ホテルで、プールに入るのに25リラもとる。
部屋の窓から広場に立つ大きなトルコ国旗が見える。今まで書き忘れてたけど、トルコにはあちこちに巨大な国旗がはためいている。街中にも未開の地にもどこにでもあり、色あせないあざやかな赤色で、風が強いのでよくはためいている。
テレビをつけたらちょうどオランダ対ポルトガル戦が終わろうというところだったので、最後まで見る。
その後、晩ご飯まで時間があるので、ホテルの向かいにある大きなスーパーへ行く。
目立つところにはお試し、というかプロモーション商品のお菓子や飲み物が積み上げてあって、べらぼうに安い。
よくイベント会場に設置してある、タンクに入った水が1つ60円だったり、スイカが1キロあたり30円だったりする。
お湯を注いで作るトルコ風のスープを2つ買った。あとヘーゼルナッツペーストの小瓶が3個セットになってるやつも。
ハリボーのグミの、日本だと300円くらいするピーチの袋が1リラだったのでカッとなって買う。
あとお土産のガム、歯みがき粉、ビスケットなど、小さくて軽いものを探す。
ピクルスを買おうかなと思ったけど、万一瓶が割れたりしたら目も当てられないからやめる。
合計20.57リラをレジで払う。
トルコではウェイトレスという職業がないようで、飲食店のウェイターや店の売り子は全員男性なんだけど、レジ打ち係は女性だった。
20時からホテルのレストランで晩ご飯。
今回はビュッフェじゃない。高級ホテルだけあって飲み物の単価がだいぶ高かったので、頼まなかった。
まずマッシュルームのスープ(うまい)が出てきて、次にペンネアラビアータ、それからローストビーフ。肉が赤くなくて大味。マッシュポテトはおいしい。でもこれってトルコ料理じゃない……。
同卓の夫婦の旦那さんが、仕事で台湾の行きつけのホテルで、「日本人が立てこもって包丁持って暴れてるから何とかしてよ」と支配人に言われ、「同じ日本人なんだしここはひとつ」などとよくわからない説得をさせられて生きた心地がしなかったとか、北京発イラン行きの飛行機がオイル漏れを起こしてスチュワーデスがお祈りを始め、もうだめかと思ったがウルムチに不時着し、北朝鮮から積んでいたミサイルの可能性もある謎の荷物を積み替えるまで36時間ホテルに缶詰めにされたとか、面白い話を聞かせてくれた。
部屋に戻り、ウルグアイ対ガーナ戦をテレビで流しつつ風呂に入る。バスルームのスピーカーからテレビの音声が流れる仕様になっていた。
全体的にこの日はやや中休みっぽい日だった。ちょっと疲れがたまってきたころだったのでちょうどよかった。
つづく
昨日と同様のスケジュールで朝食ビュッフェ。
バラのジャムとあんずのジャムが珍しかったのでお土産に持ち帰る。皮のないソーセージみたいなのもおいしかった。豚は食べないから鶏だろうか?
ミックスジュースが喉に引っかかる甘さで、残す。たぶん人工甘味料の味だと思う。
バスに乗る際、前から3列目を指定される。今日は一人席。
エイドレミットから南下し、ベルガマ近辺のトルコ石の店に連れて行かれる。
ツアーだから、こういうショッピングの機会が計3回入ってくるのは仕方がない。
ふつうのつるっとしたトルコブルーのトルコ石だけじゃなく、アンティークトルコ石といって土っぽい色の石がまだらに入って複雑な模様になっているものが多い。こっちは地球みたいできれい。かなり緑がかっていて、模様のせいでいかにも一点もの!って感じ。
でも、値段はいちいち店員に聞かないといけなくて、ひとつまみもないほどの石を4つクローバー型に連ねたネックレストップが7万くらいする。「もっと安いのがよければあっちには3万円からあります」と言われて、こりゃないなと思う。
店員がずーっとついてきて説明を続けようとするので、トイレを借りると言って店の外に出る。
しばらくするとFXのおじさんが出てきて、「奥さんにこのデザインを買って来いと厳命されていた」とのことで、小さいのが二列に連なったデザインの指輪を15万円で買ったという。
そのおまけでもらった、小さいトルコ石の粒がついた安全ピンを私にくれた。
添乗員さんが12月生まれなので、トルコ石は誕生石。ちょうど30歳になったとのことで、今回の旅行の記念にとペンダントを購入してさっそくつけていた。
私は確か30歳だからってことで今のデジカメを買ったんじゃなかったかな。私にとっては、カメラは宝石よりずっと大事だし使いでがある。人それぞれ。
エフェスの手前のレストランで昼ごはん。
メニューは野菜スープ、ビーツやニンジンを千切りにして盛り合わせたサラダ(オリーブオイルとレモンをかけて食べる)、ズッキーニとニンジンの入ったやわらかいオムレツ……というかキルシェっぽいもの(すごい薄味)、そしてシシカバブ。牛肉とタマネギとトマトが長い鉄串に刺さってて、下に固いナンがしいてあり、それに挽き割り小麦?のピラフとピリ辛のタマネギ、いためたポテトにヨーグルトソースをかけたポテトサラダが添えてある。デザートはチョコレートムースと丸くくりぬいたスイカ。
エルマチャイ(アップルティー)を3リラで注文。リンゴジュースを温かい紅茶に足したような感じで、薫り高くおいしい。
エフェス遺跡に到着。
ここは古代ギリシャ人が建設した都市国家で、面積が広く、いろいろな建築物が残っていて見ごたえがある。その分観光客も多い。
公衆トイレだったという、穴がいっぱい並んでるところがあって、どれどれと穴に座ってたら「シャッター押しましょうか?」と言ってくれる人がいたのでなんかふんばってるポーズ(笑)で撮ってもらう。
セルスス図書館という、二階建ての建物の入り口部分が非常に大きくて立派。その下の日陰に観光客がびっしり座っている。
文字がいっぱい彫られた石壁の前にモデル立ちで腕を広げてカッコつけて立ち、みんなに写真を撮らせている白人の女の子がいた。謎。
奥へ進むとすごく大きなオデオン(議会にも使われる円形劇場)がある。今でもコンサートなどに使われていて、24000人収容できるらしい。
音響効果がすごくて、舞台に立って声を出すとうまく反響して、すごい後ろのほうの席でもはっきりとよく聞こえる。
クレオパトラとシーザーも歩いたといわれるアルカディアン通りを歩く。本来はこの先は港だったが、今は土砂が堆積して平野が続いている。
エフェスからパムッカレまでの長い移動の最中、今度は革製品の店に寄る。
ツアー客を細長い部屋に入れて冷たいリンゴジュースを配り、ファッションショーを見せる。
カッコいいお兄さんとお姉さんが、タグが付いたままの売り物のジャケットやコートを着たり脱いだりして歩いてみせる。
リバーシブルのジャケットが大変薄くて色がきれい。デザイン的にはまぁまぁ。ベルトが後ろでクロスしたデザインの茶色の半コートがあって、あれはいいなーと思っていた。
すると今度はモデルさんが客席に降りてきて、4人つかまえてモデルに仕立てる。
2番目にイケメンのお兄さんにつかまえられてしまった。
舞台の奥には服がいっぱいかかったハンガーがあって、その中からお兄さんが、さっき私がいいなと思ったコートをさっと引っ張り出して着せてくれた。おお、運命!?
着てみるとやたら軽い。お兄さんと腕を組んで舞台に出、「ベルトをほどいて前を開けてポーズを取れ」と指示されたのでそのようにする。
最後は全員並んで手をつないでお辞儀。
そのあとショップに連れて行かれ、また店長がいろいろ説明する。
日本語が達者で、「みなさんこんにちは。トルコ語で“こんにちは”は、メルハバ。私はご覧のとおり、L幅」とか、皮の見本を持って見せながら「これは羊の皮、こちらは最上級の子羊の皮、そして毛が生えてるのが私の皮です」とか、うまい。
さっき着せてもらったコートを探すと、1225ドルという値札がついている。高っ。
店員が来て「94000円くらいだけど、今はシーズンオフだから84000円まで下げます。店長に相談したら80000円になるかもしれない」と言われる。
ベージュもあったんだけど「茶色のほうが合わせやすい」と言われる。あと「ヨーロッパのトップブランドの革製品はなめしと縫製をトルコでやっているものが多い」のだそうで、「これにバーバリーの裏地がつくと40万円になる」とも。どこまで本当かわかったものじゃないけど。
高いとは思うのだが、今持ってるかなりすりきれたスエード風の上着や、裏地が破けてきたツイード風の茶色のジャケットの代わりとして、長年着られると思えば、これも一つの縁かなぁ……などと考える。
私は基本的に旅先で自分用のお土産をあまり買わないが、服や靴は今までもけっこう買っている。その場所のことを思い出すし、日本では売ってないと思うとちょっとうれしい。
8万よりは安くならないの?と言ってみたら、店長と相談して78000円と言われる。ここでさらに75000円なら買う、とか言ってみればよかったんだけど、それまでにもかなり長時間店員を拘束してしまったしなぁ……と弱気になってしまい、それで買うことに。
契約が成立すると店員さんたちが拍手でレジにご案内。
たぶん値段なんてあってないような商売だから、いくら物がいいとはいっても原価は2、3万円とかなんじゃないかなぁ。もっと頑張ればよかったと後悔するものの、もともと欲しかったこちらの足元を見られてしまった。
とはいえ、ツアーのほかの人たちに「ショーで着せてもらったやつを買いました」と言ったら、みんなに「あれすごく似合ってた」と言われまくる。生涯でこんなに服を「似合う」と言われたことは今までないってくらい連呼されて、気を良くする。
夕方、温泉リゾート地パムッカレのホテル「ポラット・サーマル」に到着。温泉やプール・エステなどがあり敷地がだだっ広い。
部屋は素朴な感じの小さいベッド二つにキルティング風のふとんがかかっている。
ホテルのレストランで晩ご飯。今回もビュッフェ。
その場で作ったパスタを供しているのだが、具は一緒なのに作るたびちょっとずつ味が違う。シェフの気まぐれパスタ?
ズッキーニにライスを詰めてヨーグルトソースをかけた一種の前菜が、不思議な風味でおいしかった。鶏肉グリルはあまり味がない。マーボー茄子みたいな料理もあった。
その後、部屋でいったん水着に着替え、温泉へ。プールみたいな感じだけど中央に湯が噴き出る火山型の噴水があり、水は泥色に濁っている。
入るための階段がぬるぬるしていて、さらに床に足をつけると砂がいっぱい沈んでいて足指の間からニュルニュルと斬新な感覚。でもあったかくて気持ちいい。
しばらくしてのぼせたので部屋に帰ると、プールの上にきれいに星が出ていた。部屋に眼鏡を取りに戻ってからもう一度、明かりのない中庭に出て空を見上げると木々の間にいっぱい星が見える。でも周りが暗すぎてちょっと怖い。
23時過ぎに寝たが夜中に蚊がいたので、起きて叩き殺す。
7月2日(金) 4日目 パムッカレ→コンヤ(メヴラーナ博物館)
朝ご飯のビュッフェは、フレンチトーストが甘くなかったり、またジュースが人工甘味料の味だったりというのはあったが、コーンフレークにレーズンのジャムを入れたり、パンにあんずジャム(出来合いのじゃなくてちゃんと煮て作ったやつ)をつけてチャイを飲み、満足。
近くのパムッカレ(ギリシャ時代の温泉保養地)へ向かう。山の斜面の一部が真っ白になっていて、遠目に見るとスキー場みたい。
ヒエラポリス遺跡を抜けて、温泉が流れる白い段々畑みたいな石灰棚のところへ。温泉開発によってここには水があまり出なくなり、一部の場所に流しているだけらしい。
そこらじゅうに野良犬がごろごろしていて、暑いので地面でグッタリ死んだようになっているのだが、みんな耳にタグがつけてある。
お湯につかれる場所でいったん解散。
白い段々畑の間にお湯が流れる水路があり、日本人は裸足になってそこに座って足湯。白人たちは水着で寝そべったり、もっと奥の水につかったりと、リゾートを堪能している。日本人はみんな厚着で日傘をさしている。
水路はちょっとぬるっとしているがあったかくて水流が強く気持ちいい。段々畑のほうにたまった青色の水は冷たい。石灰岩のギザギザが一面にあって、裸足で歩くとけっこう痛い。しかも、万一段々畑から転がり落ちたら相当下まで落下すること必至。一応警備員がいて、あまりフチに近づくと笛をピピーと鳴らしている。
足を水たまりで洗って乾かして靴を履いたら、とても気持ちよかった。
集合場所の建物の中に「アンティーク・プール」というのがあり、これはギリシャ時代の本物の遺跡が中に沈んでいるプール。入場料を25リラ(1500円)も取る観光客仕様で、むっちりと肥った白人たちがいっぱい入っていた。
そのまわりに売店があり、ここで飲むヨーグルトの「アイラン」を2リラで買う。まったく甘くなくてスッキリした味。
集合を待ちながらカメラ女子と話す。かわいいストラップですねと言ったら、自分で企画したものらしい。
今朝がたからの写真を見せると(昨日までのはPCに移してしまってもうない)、「レンズが明るいから光って見えますね、いい意味で」と言われる。うーん、そうなのか? よくわからない。
また、彼女はレンズフードを持ってこなかったので、こういうまぶしいくらいの日には持ってくるべきだったと言っていた。それは確かにそうかも。
パムッカレを出て、古都コンヤまで長い道のり。
昼ご飯はレストランの大きな円形ホールにて。
メニューは、よく出てくる千切りにした野菜のサラダ(オリーブオイルとレモン)、いんげんとニンジンのオリーブ煮(味がないので塩をかけて食べる)、そして羊ミンチ肉のケバブ(串からは抜いてある)に焼きトマト。
このケバブがおいしくて、「これこれ、この味をトルコ料理に求めていたんだよ! もっと早くこれを出してくれよ!」と思った。
それから、薄い生地にひき肉を乗せたトルコ風ピザ(トルコ語だとピデ)もおいしい。
デザートはビュッフェで、山積みにしたダークチェリーをたくさん食べた。あとはプディングとか甘いのばかり。
ひたすらバスで寝ていたら大きな町に入った。やたらと新しくて道路幅が広くて路面電車が走りカラフルな集合住宅が整然と並んでいて、ここはどこだろう?と思っていたらもうコンヤの街だった。
メヴラーナ博物館に行く。
白い服を着てグルグル回り続ける「セマー」(俗に回教とも言う)の開祖である、メヴラーナのお墓がここにある。
入り口の上には美しいアラビア文字の額がかかっている。
今までのツアーではギリシャ遺跡ばかり見てきたので、いよいよイスラム文化が始まりテンションあがる。
中に入るときにちょうど、一日五回のお祈りの時間になり、朗々とアザーンが響く。素晴らしい。
中は写真撮影禁止とのことなので、必死に目を凝らす。
小さい字を連ねて大きい字を書いたり、文字の芸術作品がたくさんある。木でメッカの風景を浮き彫りにしたものや、とても古くて価値がつけられないほど立派なお祈り用の絨毯もある。
メヴラーナ本人と、父親と息子の大きなお墓があり、豪華な布で棺が覆われ、ターバンがついている。ほかにも棺はいっぱいあるが、ターバンの色や形で生前の職業などがわかるらしい。
メヴラーナが着ていた服や当時の楽器も展示されている。バイオリンにそっくりの弦楽器があるが、指板や弦を巻くところなど、つまりバイオリンなら黒くなっている部分がみんな象牙細工でできていて、さらに「f」型の共鳴板の穴がアラビア文字のような不思議な形の切りこみになっている。美しい。
ミフラーブ(メッカの方角を示す簡素な祭壇)の隣には、もっとも価値のある古いじゅうたんがかけられ、ムハンマドのあごひげ一本をおさめた黄金の箱が安置されている。
「ムハンマドのあごひげはバラの香りがする」と言われ、箱を入れたガラスケースには空気穴が開けてあり、みんなそこに鼻をくっつけて匂いを嗅ぐ。
私も嗅いでみたら、箱の下に敷いてある織物に炊きしめてあるとおぼしき、お香の香りがした。
それから手書きの古いクルアーン(コーラン)の本がいっぱいある。
金銀色とりどりで緻密に飾り立てた豪華本に、人差し指と親指をくっつけて作った丸くらいの大きさしかない八角形の豆本もあれば、両手でやっと抱えられるかどうかという巨大な本もあるし、ページ全体がぜんぶ金で塗られ、その上に羽根と花の装飾をちりばめたもの、黒地に金で文字を書いたものなどなど。
今日のホテル、「デデマン・コンヤ」にかなり早い時間にチェックイン。
洗練された高級ホテルで、プールに入るのに25リラもとる。
部屋の窓から広場に立つ大きなトルコ国旗が見える。今まで書き忘れてたけど、トルコにはあちこちに巨大な国旗がはためいている。街中にも未開の地にもどこにでもあり、色あせないあざやかな赤色で、風が強いのでよくはためいている。
テレビをつけたらちょうどオランダ対ポルトガル戦が終わろうというところだったので、最後まで見る。
その後、晩ご飯まで時間があるので、ホテルの向かいにある大きなスーパーへ行く。
目立つところにはお試し、というかプロモーション商品のお菓子や飲み物が積み上げてあって、べらぼうに安い。
よくイベント会場に設置してある、タンクに入った水が1つ60円だったり、スイカが1キロあたり30円だったりする。
お湯を注いで作るトルコ風のスープを2つ買った。あとヘーゼルナッツペーストの小瓶が3個セットになってるやつも。
ハリボーのグミの、日本だと300円くらいするピーチの袋が1リラだったのでカッとなって買う。
あとお土産のガム、歯みがき粉、ビスケットなど、小さくて軽いものを探す。
ピクルスを買おうかなと思ったけど、万一瓶が割れたりしたら目も当てられないからやめる。
合計20.57リラをレジで払う。
トルコではウェイトレスという職業がないようで、飲食店のウェイターや店の売り子は全員男性なんだけど、レジ打ち係は女性だった。
20時からホテルのレストランで晩ご飯。
今回はビュッフェじゃない。高級ホテルだけあって飲み物の単価がだいぶ高かったので、頼まなかった。
まずマッシュルームのスープ(うまい)が出てきて、次にペンネアラビアータ、それからローストビーフ。肉が赤くなくて大味。マッシュポテトはおいしい。でもこれってトルコ料理じゃない……。
同卓の夫婦の旦那さんが、仕事で台湾の行きつけのホテルで、「日本人が立てこもって包丁持って暴れてるから何とかしてよ」と支配人に言われ、「同じ日本人なんだしここはひとつ」などとよくわからない説得をさせられて生きた心地がしなかったとか、北京発イラン行きの飛行機がオイル漏れを起こしてスチュワーデスがお祈りを始め、もうだめかと思ったがウルムチに不時着し、北朝鮮から積んでいたミサイルの可能性もある謎の荷物を積み替えるまで36時間ホテルに缶詰めにされたとか、面白い話を聞かせてくれた。
部屋に戻り、ウルグアイ対ガーナ戦をテレビで流しつつ風呂に入る。バスルームのスピーカーからテレビの音声が流れる仕様になっていた。
全体的にこの日はやや中休みっぽい日だった。ちょっと疲れがたまってきたころだったのでちょうどよかった。
つづく
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