それから明日までまっすぐに。
2010年6月28日いよいよ少年社中「ネバーランド」(青山円形劇場)について書く。
見たあとしばらく放心状態になるほどの傑作だった。
しかしあまりに書きたいことが多く、ごちゃごちゃしていて
とてもまとまる気がしない……。
人に伝わるようにうまく書くのはあきらめる。自分用覚書。
ちなみにもう公演終わってるのでネタばれ全開ですが、
見てない人にはまったく意味わからないと思います。
計3回行った。
初日と千秋楽を予約していて、間の金曜マチネは追加で当日券。
初日の感想。
・席は通路わきで少し張り出していて、見やすい。横を役者がどんどん駆け抜け、迫力があった。うっかり足をひっかけたりしないかハラハラした。衣装も間近で見られた。
・M0のカッコいい照明、見えないドラマが舞台上で動いてる!と思った。
・客がかなり笑っていた。最後の拍手もずっと続いたが、カーテンコールはなし。
・出てきた瞬間から唐橋さんに目がくぎづけ。オープニングで海賊たちにかつがれて進むところは、あまりのカッコよさに思わず声が出るほど。
・カーテン地でできているとおぼしき唐橋さんの衣装の、きれいな裾のひるがえりかた、レイピアを勢いよく構えてヒュッと風を切る音、そして渋い大人なのに時々子どものようになり、クールさと色気と可愛さを兼ね備えた演技、あまりに華のある立ち居振る舞い……久々に舞台で見て圧倒された。やっぱ素敵。
・物語がすごくわかりやすいのに、ところどころの台詞がすごく深い。「いいのよ、子どものまま、大人になれば」とか。大人の覚悟とか、この年になったからこそ書けた作品なんだなと思う。
・また、社中作品には今まで、女性に対する根本的な不信感・恐怖感がにじみ出ているものが多かった気がするんだけど、最近そうでもなくなってきて、今回は母親として包み込んでくれる優しい女性だった。ついにここまでたどりついたんだなぁと思う(偉そう)。
・ナイトウィザードの矢薙さんが出ていることには最後まで気づかなかった。声優の演技っていかにも声優だなって気づくことも多いけど、この人のはそうじゃなかったので。
・廿浦さんの身体がとても同年代とは思えない若々しさだった。ジョンはいいお父さんだ。
・初日とは思えないくらい完成度が高かった。出ハケのタイミング、大勢で同時に言う台詞の揃いかた、間の取り方など。
・舞台の向こう側を向いてしゃべる時の台詞だけがマイクで増幅されて聞こえるという仕様に感動した。これはありがたい。
・最後の挨拶のときにはフック船長の衣装を井俣さんが着ているので、唐橋さんは黒いコートを羽織って黒い帽子をかぶっているんだが、これがまた美しいのなんのって……。
2回目の感想。
・席は1回目より少し後ろで少し横。
・M0の照明が、光の柱に囲まれた森の宮殿に見えた。
・今まで、芝居を何回か見るときというのは、1回目はストーリーのつじつまとか聞き取れない台詞とか細かいところが気になって完全にはのめりこめず、2回目はストーリーを理解した上で安心してのめりこんで見る、というパターンだった。だが、今回は1回目にあまりにストンと腑に落ちたので、2回目のほうが細かいところが気になった。
・たとえば、ジョンが迷子たちに名刺を出すのが片手、とか。子どもだからと軽く見ているにしてはお辞儀してるし……。まぁ別にいいんだけど。
・フック船長が「負けるつもりはない」と宣言しておきながら、ピーターパンに手加減して途中から過去の再現劇を始めるのはなぜだろう?とか。
・レイピアで手は斬れないのでは、とか。でもディズニーのフック船長も曲刀ではなくレイピア持ってるんだな。
・客席にカメラが入っていたのでDVD用だと思うが、何人かで同時に言うセリフがずれたところがちょこちょこあってもったいなかった。
・でも、ラストの飛んだ瞬間に暗転、の飛び方の美しさはこの回が最高だった。ほんとにそのまま夜空に舞いあがる感じで、光が落ちた瞬間に嗚咽がこみあげた。
・2回めが一番泣けた。円形劇場なので、向い側の客がみんなしてハンカチ握りしめているのが見えて、他人が泣いてると冷めるって人もいるだろうけど、私はまわりが泣いてるとつられるほうなので、それもあって号泣モードに。
・フック船長のキャラ作りはジャック・スパロウなんだと遅ればせながら気付いた。正直ジョニデより唐橋フックのほうがカッコいいと思います!
・1回目は「なんかうまいこと言ってるな」って感じでスルーしていたマイケルの「自分にしかできないことをすればいいんじゃないかな」が突然グサッと来た。自分にしかできないことって探せばいっぱいあるのに気付かなくてやらないよね……。
3回目の感想。
・席は1、2回目の反対側、最前列。近い!
・見る位置が変わるとまた受ける印象が全然違う。こっち側はジュニアがはしゃいでた。
・唐橋さんが「怖い」と泣くシーンが目の前だった。後ろにウェンディの声を聞きながら、泣きやんで顔をあげ、空を見上げるところがすっごい綺麗だった。
・3回目にしてやっと、唐橋さんが出ているときにほかの役者さんをちゃんと見る余裕ができたw「コーケコッコー!」と誰も言わないときに、ジョンの子どもたちが言いたそうにするんだけど誰も言わないから言えない、という動きを細かくやっていたりしてよかった。
・3回目はさあ泣くぞ泣くぞと思いすぎていたせいか、たいして泣かなかった。でも「あなたの思う通りにすればいいのよ」のところは何度見てもいい。
・客電がついて退場アナウンスも入った後でカーテンコールが入った!主役二人だけだったけど。たぶん初めて?
・毎回、あまりによすぎてツイッターとかブログとかで他の人の感想を探したけど、みんなべた褒めだった。「見に行ってつまらなかったら私がお金を返します!」とか。私、昔はよく人に芝居を勧めてたけど、やっぱ好き好きだから難しいなと思って(映画ほど安くないし)最近はなかなか誘えない。しかしこれはもっと宣伝してもよかったかもしれないな……2回目は平日昼で席あいてたし。
音楽について。
・今回は金管楽器も入ってだいぶオーケストラっぽくなっていた。
・相変わらず、ただのBGMではなくて印象的な音楽で、オープニングのダンスでけっこう動きが激しいのにゆったりめな音楽なのとか、面白い。
・ハッピーバースデイトゥーユーの音楽が、一般的な節と違うオリジナルだったので最初けっこう違和感があった。なんか複雑な節まわしで音とれないし。でも最後には聞きなれて歌えるくらいになっていた。
まとめ。
アンケートにも書いたけど……。
・社中の好きな作品第一位は光之帝国(初演)で、これは天高くそびえるテントの作りもすごかったし思い出補整もかかっていて、一生これを超える芝居を見ることはないだろうと思っているんだけど、「ネバーランド」が第二位に躍り出た。これを超えるのは「ネバーランド」(再演)しかないはず。
役者さんたちは同年代で「オジサン」「オバサン」と呼ばれても文句は言えない年齢だけど、舞台の上の彼らはあまりに若々しくエネルギーに満ちあふれていてとてもそんな年には見えない。社中結成20周年くらいのときに、もうちょっとだけお腹がまるくなった井俣さんやもうちょっとだけ化粧のノリが悪くなった大竹さんたちの、この名作の再演が見られたら嬉しいと思う。
その頃私は何してんのかなあ。しかしこういうのを見ると、「子どもにお話を聞かせてあげる」とか、あこがれてしまうね。
うーんまだ何か書き足りないけど……。
生きてて良かった。
見たあとしばらく放心状態になるほどの傑作だった。
しかしあまりに書きたいことが多く、ごちゃごちゃしていて
とてもまとまる気がしない……。
人に伝わるようにうまく書くのはあきらめる。自分用覚書。
ちなみにもう公演終わってるのでネタばれ全開ですが、
見てない人にはまったく意味わからないと思います。
計3回行った。
初日と千秋楽を予約していて、間の金曜マチネは追加で当日券。
初日の感想。
・席は通路わきで少し張り出していて、見やすい。横を役者がどんどん駆け抜け、迫力があった。うっかり足をひっかけたりしないかハラハラした。衣装も間近で見られた。
・M0のカッコいい照明、見えないドラマが舞台上で動いてる!と思った。
・客がかなり笑っていた。最後の拍手もずっと続いたが、カーテンコールはなし。
・出てきた瞬間から唐橋さんに目がくぎづけ。オープニングで海賊たちにかつがれて進むところは、あまりのカッコよさに思わず声が出るほど。
・カーテン地でできているとおぼしき唐橋さんの衣装の、きれいな裾のひるがえりかた、レイピアを勢いよく構えてヒュッと風を切る音、そして渋い大人なのに時々子どものようになり、クールさと色気と可愛さを兼ね備えた演技、あまりに華のある立ち居振る舞い……久々に舞台で見て圧倒された。やっぱ素敵。
・物語がすごくわかりやすいのに、ところどころの台詞がすごく深い。「いいのよ、子どものまま、大人になれば」とか。大人の覚悟とか、この年になったからこそ書けた作品なんだなと思う。
・また、社中作品には今まで、女性に対する根本的な不信感・恐怖感がにじみ出ているものが多かった気がするんだけど、最近そうでもなくなってきて、今回は母親として包み込んでくれる優しい女性だった。ついにここまでたどりついたんだなぁと思う(偉そう)。
・ナイトウィザードの矢薙さんが出ていることには最後まで気づかなかった。声優の演技っていかにも声優だなって気づくことも多いけど、この人のはそうじゃなかったので。
・廿浦さんの身体がとても同年代とは思えない若々しさだった。ジョンはいいお父さんだ。
・初日とは思えないくらい完成度が高かった。出ハケのタイミング、大勢で同時に言う台詞の揃いかた、間の取り方など。
・舞台の向こう側を向いてしゃべる時の台詞だけがマイクで増幅されて聞こえるという仕様に感動した。これはありがたい。
・最後の挨拶のときにはフック船長の衣装を井俣さんが着ているので、唐橋さんは黒いコートを羽織って黒い帽子をかぶっているんだが、これがまた美しいのなんのって……。
2回目の感想。
・席は1回目より少し後ろで少し横。
・M0の照明が、光の柱に囲まれた森の宮殿に見えた。
・今まで、芝居を何回か見るときというのは、1回目はストーリーのつじつまとか聞き取れない台詞とか細かいところが気になって完全にはのめりこめず、2回目はストーリーを理解した上で安心してのめりこんで見る、というパターンだった。だが、今回は1回目にあまりにストンと腑に落ちたので、2回目のほうが細かいところが気になった。
・たとえば、ジョンが迷子たちに名刺を出すのが片手、とか。子どもだからと軽く見ているにしてはお辞儀してるし……。まぁ別にいいんだけど。
・フック船長が「負けるつもりはない」と宣言しておきながら、ピーターパンに手加減して途中から過去の再現劇を始めるのはなぜだろう?とか。
・レイピアで手は斬れないのでは、とか。でもディズニーのフック船長も曲刀ではなくレイピア持ってるんだな。
・客席にカメラが入っていたのでDVD用だと思うが、何人かで同時に言うセリフがずれたところがちょこちょこあってもったいなかった。
・でも、ラストの飛んだ瞬間に暗転、の飛び方の美しさはこの回が最高だった。ほんとにそのまま夜空に舞いあがる感じで、光が落ちた瞬間に嗚咽がこみあげた。
・2回めが一番泣けた。円形劇場なので、向い側の客がみんなしてハンカチ握りしめているのが見えて、他人が泣いてると冷めるって人もいるだろうけど、私はまわりが泣いてるとつられるほうなので、それもあって号泣モードに。
・フック船長のキャラ作りはジャック・スパロウなんだと遅ればせながら気付いた。正直ジョニデより唐橋フックのほうがカッコいいと思います!
・1回目は「なんかうまいこと言ってるな」って感じでスルーしていたマイケルの「自分にしかできないことをすればいいんじゃないかな」が突然グサッと来た。自分にしかできないことって探せばいっぱいあるのに気付かなくてやらないよね……。
3回目の感想。
・席は1、2回目の反対側、最前列。近い!
・見る位置が変わるとまた受ける印象が全然違う。こっち側はジュニアがはしゃいでた。
・唐橋さんが「怖い」と泣くシーンが目の前だった。後ろにウェンディの声を聞きながら、泣きやんで顔をあげ、空を見上げるところがすっごい綺麗だった。
・3回目にしてやっと、唐橋さんが出ているときにほかの役者さんをちゃんと見る余裕ができたw「コーケコッコー!」と誰も言わないときに、ジョンの子どもたちが言いたそうにするんだけど誰も言わないから言えない、という動きを細かくやっていたりしてよかった。
・3回目はさあ泣くぞ泣くぞと思いすぎていたせいか、たいして泣かなかった。でも「あなたの思う通りにすればいいのよ」のところは何度見てもいい。
・客電がついて退場アナウンスも入った後でカーテンコールが入った!主役二人だけだったけど。たぶん初めて?
・毎回、あまりによすぎてツイッターとかブログとかで他の人の感想を探したけど、みんなべた褒めだった。「見に行ってつまらなかったら私がお金を返します!」とか。私、昔はよく人に芝居を勧めてたけど、やっぱ好き好きだから難しいなと思って(映画ほど安くないし)最近はなかなか誘えない。しかしこれはもっと宣伝してもよかったかもしれないな……2回目は平日昼で席あいてたし。
音楽について。
・今回は金管楽器も入ってだいぶオーケストラっぽくなっていた。
・相変わらず、ただのBGMではなくて印象的な音楽で、オープニングのダンスでけっこう動きが激しいのにゆったりめな音楽なのとか、面白い。
・ハッピーバースデイトゥーユーの音楽が、一般的な節と違うオリジナルだったので最初けっこう違和感があった。なんか複雑な節まわしで音とれないし。でも最後には聞きなれて歌えるくらいになっていた。
まとめ。
アンケートにも書いたけど……。
・社中の好きな作品第一位は光之帝国(初演)で、これは天高くそびえるテントの作りもすごかったし思い出補整もかかっていて、一生これを超える芝居を見ることはないだろうと思っているんだけど、「ネバーランド」が第二位に躍り出た。これを超えるのは「ネバーランド」(再演)しかないはず。
役者さんたちは同年代で「オジサン」「オバサン」と呼ばれても文句は言えない年齢だけど、舞台の上の彼らはあまりに若々しくエネルギーに満ちあふれていてとてもそんな年には見えない。社中結成20周年くらいのときに、もうちょっとだけお腹がまるくなった井俣さんやもうちょっとだけ化粧のノリが悪くなった大竹さんたちの、この名作の再演が見られたら嬉しいと思う。
その頃私は何してんのかなあ。しかしこういうのを見ると、「子どもにお話を聞かせてあげる」とか、あこがれてしまうね。
うーんまだ何か書き足りないけど……。
生きてて良かった。
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