10月28日の日記

2009年10月28日
●少年社中「ファンタズマゴリア」座・高円寺
※ネタバレあり感想です

昔間違って2本買ってしまったDVDを返却してきた。
かつて私が公演ビデオを手に入れたくて入れられなくて
あんなに苦労したことを思うと、誰かほかの人の手に渡って
ほしいものだ。

2列目中央と、久々の良席。
予定がなかなか決まらなくていつもギリギリで申し込むから、
最近は良い席がとれない。どんなにいい劇場でも、やっぱり
後ろのほうでは臨場感がないし、一歩引いて見てしまってよくない。
今回はめちゃめちゃ近かったのでのめりこめた。

そしてあまりにもなつかしかった。
初演は大学卒業前で、その後パルテノン多摩でのコンクールで
一度だけ特別バージョンが再演されたのを見に行った。
パル多摩のときは就職したばかりで、新人研修を終えて池袋から
多摩センターまですごい勢いで走ってたどり着いて、とても焦った
のを覚えている。

未来をテーマにしたこの作品、1900年の時の未来と、2000年の時の
未来とが語られているんだけど、初演を見たときに自分の未来が
こんなふうに、今みたいになるとは思っていなかった。
当時の自分を思うと、ひたすらに感慨深い。

私でさえそうなのだから、当時の社中メンバーならなおさらだろう。
大竹さんが自由自在に涙を流せることに感心したのや、井俣さんの
声なき絶叫の聞こえるエンディングがカッコよくてしびれたのがなつかしい。

岩田ホームズは当たり役。あのカツラはなんだったんだろう。
音楽はすごい洗練されていて、逆に依田さんの曲じゃないのかと
思ったくらい。いつもの依田節というか、癖がなかった。
初演の時って立体写真銃が撃たれたときに「大きな古時計」が
鳴らなかったっけ? あれはあれでよかったかも。

初演をそんなによく覚えてないんだけど、今回のほうが演出が
かなりわかりやすく説明的になっていた気がする。
その分、第三部(初演のときはハッキリ三部構成だったよね)で
謎解きのラストに役者が全員出てきて「私が幽霊だったのね」って
ときにピシャーン!と全部のピースがはまる感じは、少し弱く
なっていたのは残念。
ただ、一度見ただけでわかりやすいってことも大事だと思うし。

小道具にちょっと慣れてない感じがあって戸惑ったりしてる場面は
散見されたけど、公演の間が二ヶ月しか空いてないとはとても
思えない出来だった。

しかし本当に、昔の目線に立って今を眺めると、夢見た未来に
向かって実際に進んできているんだなとしみじみ思った。
今やっている仕事は20年前から見たら夢そのものだし、
今の仕事場の環境だって少し前には考えられなかったくらい
恵まれていて夢のようだ。
これからさらに叶えたい未来に向かって着実に進んで行けている。
叶えたくて叶えられそうな未来の夢もまだたくさん抱えているし、
100人が100人笑うだろう壮大な夢もまだ持ってる。

久々に大きく心揺さぶられる夜だった。
こういう日がたまにあると本当にいい。

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