美瑛日記1
2007年8月2日●美瑛旅日記
メモ書きです。「読みやすい」とか「読んで面白い」ことをあまり意識してません。余裕があったら「読んで面白い」ように書きなおしたエッセイ風のものも練習として書くべきだと思っているのですが。
28日(土)
朝7:30起き、出かける前にサカつくをやっておきたかったんだけど全然ログインできず。帰ったら再インストールだな。
8:30に朝ご飯を食べて家を出る。山手線の上行きに間違えて乗ったらジャッジのナカジマさんたちがいた。渋谷で乗り換える時間ロスがあったものの、品川での京急乗り継ぎがすごくスムーズにいき、9:20に空港着。
JALチェックインカウンターの向かいに空弁のお店があったのを見過ごして、1階まで降りて端っこのコンビニで天むす3個230円、お茶ペット130円を買う。プラザでサイクリング中の栄養補給用に小さなスニッカーズ6個入り130円を買う。
1階は意外とおしゃれで、よーじやの和風カフェやDEAN&DELUCAやマフィン屋がある。フードコートにIN THE HARBSがあったり。
荷物検査でペットボトルを出させられ、検査器にはめ込んで判定した。待合室の中に入ったらおいしそうな空弁をたくさん売っていた。
あと何やらパリのお菓子とか売ってる店で血のように真っ赤なウサギのぬいぐるみを売っていた。手足に磁石が入っていて、好きなところに貼り付けられるしくみ。血まみれウサギの人に誕生日じゃない日のお祝いに贈りたいと思ったけど、けっこういいお値段だったのでやめた……。
10:45発の飛行機は子どもだらけで満席。
私は2-4-2の右窓側で、隣は男の子を抱いた父親。その中側の列に母親と女の子2人がいて、その向こうの人がこっちの父親に向かって「代わりましょうか?」と声をかけてきたが、断っていた。窓の外を子どもに見せたかったらしい。でも私も窓側大好きだから絶対席代わってやんないもんねー。
飛行中は飲み物しか出ない。もうおかきすら出ないのか。
天むすを取り出し、製造日が2日前だということに気づく。賞味期限は今日の昼までだけど、すごいな保存料って。
飛行前半は天気がよかったけど、だんだん雲の壁みたいなのが見えてきて、機長アナウンスでも「北海道上空で積乱雲と雷雲を迂回します」と言っていた。心の中で「行こう!竜の巣へ!」とかハルヒの歌とかを再生する。
降りるときに「揺れます」とアナウンスがあって、子どもが連鎖的に泣き出すんじゃないかと危惧していたけど、意外と揺れなかった。操縦うまい。かなり強い雨の中、着陸。着地直前の下の景色が畑のパッチワーク模様で、千歳空港のときと全然違うのが面白い。気温は20度。
迂回のため到着が15分遅れたので、急いで空港を出て目の前の動物園行きバスに乗る。飛行機の遅れに合わせてバスも時間を遅らせ、13時に出発。500円。
道路の水たまりの水を盛大に跳ね飛ばしながら進むのが、雪国らしいなと思う(雪の降る土地ではタイヤのせいで道路が削れて水がたまるから)。道ばたにラベンダーが無造作に植わっている。13:40に動物園に着く。
入園料は580円だが、2回来るつもりなので年間パスポート1000円を買い、名前と性別と年齢を書き込む。
バスから降りる頃にちょうど雨が小降りになった。ラッキー。濡れそぼった観光客も見かけたので、天気予報に従って折り畳み傘を持って来てよかった。
正門すぐのコインロッカーに荷物を預ける。200円。
最初に右にフラミンゴがいて、鳥の大きな檻の中を歩いて進むと、行列のできているペンギン館がある。行列を避けて、外から見えるペンギンをしばし眺める。換羽時期だからか、ずっと羽づくろいをしている。
携帯とかでみんなが写真を撮っているが、フラッシュは禁止ですとしきりに係の人が叫んでいる。フラッシュはペンギンの白内障の原因になるらしい。そうなのかー。ほかの動物園でもちゃんと禁止してるっけ?
次に少し並んであざらし館に入る。テレビなどでも有名な、ガラスの筒の中をあざらしが上下に移動するところを見るために待つが、なかなかあざらしが通らない。
人間たちがぎっしり周囲を埋め尽くして、あざらしが白い腹を見せてゆっくり通り過ぎると歓声が起き、たくさんのシャッターが切られる。あざらしにしてみれば、「人間ってアホだなー」と思っているに違いない。
「一度通り過ぎるのを見たら、前の人は入れ替わってください」と言われる。今度は後ろのほうで見ていたら、ひねりを加えながらぐるぐる回って通った。サービス精神旺盛だ。
近くにクラゲの水槽もあって、詳しい解説がついていた。ここの動物園は、飼育係の人たちの手作り解説がすごく充実しているのが特徴のようだ。いちいち読んでいくと、ただの学術的な解説じゃなくリアルさがよく出ていて面白い。
外に出て、水の上からもあざらしを見るが、子どもたちが「かわいー」と言っている。あんまり……かわいくないと思うんだけど……。
近くに激混雑の土産物屋があったので入ってみた。餌をくわえた動物たちのぬいぐるみストラップがすごくかわいい。このペンギン版を買おうと思う。そして一時やたらと欲しかったペンギンの大きめのぬいぐるみ(キングペンギン)もあった。これは買うしか! ただ、今買うと荷物になるので、今日は偵察のみ。
次にしろくま館に並ぶ。ホッキョクグマが2頭いて、オスのほうはしきりに首を振って歩き回り、メスはぐったりしている。水槽の前に張り付いて見るが、全然こっちへ泳ぎに来ない。続いてドームの下からのぞく(ガラスのドームから人が顔を出すと、アザラシと間違えてクマが寄ってくるらしい)。クマはどこにも見えない。このときは雨もやや強くなっていて、向こうで見ている人々がかすんで見えるだけだった。ここも行列していて、短時間で交代しなくてはならない。
順路を進んでいくと今度は中2階。さっきの水槽をやや上から眺める位置なのだが、今度はクマがこっちにたびたび泳いできてよく見えた。大きな足で水中の岩を蹴っている。がんばって写真を撮ろうとするが動きが速いしガラスもあって難しい。
外に出ると、さっき下からのぞいたドームを外から見る形になる。ちょうどクマが出てきていて、ドームの中でクマに迫られてあわあわしているおばさんを眺めるのが面白かった。
小腹がすいたので、骨なしクリスピーチキン200円を買って食べる。レストランは激混雑だったが、外の屋台はすいてた。おいしい。
3時にオランウータンへの餌やりを見に行こうかとも思っていたが、中止のアナウンス。トナカイのいるところと爬虫類館に入り、猿のあたりをぐるっと回って入り口に戻る。結局全然見切れない。まあのんびりじっくり見ていたというのもあるけど。
あと、ここのトイレは「バイオトイレ」という変わったものだった。以下下ネタ注意。
作りはボットン便所みたいなんだけど、穴の底におがくずがいっぱい入っている(昔流行ったエッセイ「負け犬の遠吠え」によれば、いい年をして一人旅に出るような女は結婚できないそうだが、便所の底を好奇心に駆られて覗くような女も絶対に結婚できないことは断言してもいい)。このおがくずで排泄物を分解するらしい。終わったら「作動」ボタンを押すと、おがくずがういーんと機械でかき混ぜられる仕組み。
それと、園内を流れる川に飛び石があって、ちょっと渡ってみたいなと思っていたら、通りがかった男の子たちが渡りはじめ、その母親が「もうーやめてよ、すべって落ちるから。もうーそんなとこばっかり行って、ほんとイヤだ」とこぼしていて、思いとどまった。大人になるってそういうことですよねー。
3時半のバスで旭川駅へ。400円。交差点で、どこまでも道の先が見えるのが北海道だなぁとしみじみ思う。
予定より早く16時に着いたので、駅の売店で動物園特製の塩クッキー150円と、夏みかんブッセ110円を買う。
改札のところにペンギンのぬいぐるみがしばりつけてあって、思わず写真を撮る。さらに中に入ると「ペンギンと写真を撮ろう」というコーナーがあって、ぬいぐるみが大量に置いてある。シュール。
2両編成ワンマンの16:30発富良野線に乗る。530円。学生が多いが、ほとんどが携帯にイヤホンをつないで音楽を聴いているのが印象的だった。今どきはiPodとかじゃなくて携帯なの?
うとうとしつつ美瑛駅に着く。駅前の景色は7年前の記憶とそんなに変わってない。ちょっときれいになったかな。
宿の人に迎えに来てもらい、バンに乗ってペンション「遊岳荘」へ向かう。新栄の丘手前にある、ロッジみたいな建物。運転してくれた女将さん……というか宿主の奥さんに、動物園の話をする。今日は子どもが多かったけど、平日は大人ばっかりらしい。あと今日は雨で気温が低いが、昨日は30度くらいあったらしい。ただ、湿度が低いので暑くないらしい。
受付で宿代6900円を払い、シーツを借りて、部屋に荷物を置く。アイヌ語の長い名前がついた部屋(メモるの忘れた)。4畳くらいの広さで、床に低いベッドが2つあり、頭の上に吊り戸棚(ステンシルつき)。窓は開いていて、晴れていれば正面に山が見えるらしい。さらに階段があって、上に屋根裏みたいな天窓つきのロフトがあり、そこにも布団が二組ある。
コルクボードの案内板とか、白熱球の明かりとか、いい雰囲気。
荷物を置いたらホールに行く。ソファーがあってコーヒーと麦茶のセルフサービス、本棚にいろいろな紀行関係の本や小説がぎっしり入っている。ストーブのまわりにいくつか楽器ケースもあり、ここで合奏したり歌ったりするような風景が目に浮かぶ。ミニコンポからジャズスタンダードがBGMで流れているが、テレビはない。
アイヌ民話の本と、植村直己がグリーンランドで犬ぞり訓練をする本を読んでいたら、お風呂に入っていたお客さんが戻ってきて挨拶をする。30すぎくらいの男の人で、車で1人北海道のあちこちを回っているらしい。
夏休みだから基本的に客は多いはずなんだけど、7月末はなぜか毎年客の谷間なのだそうで、今日の宿泊客は私とその人の2人だけ。
今回の旅で撮ったデジカメの写真を見せてもらう。新潟からフェリーで小樽に出て、函館と札幌大通り公園のビアガーデンを経てここに来たらしい。今日は富良野へそ祭りに行こうと思っていたが、天気が悪くなったので予定を変更してここに泊まったという。つまり天気次第では宿泊客は私1人だったのか。
デジカメは記録用で、フィルムカメラも持って風景を撮っているという。旅行好きでカメラ好きだったらそれだけで話は尽きないので、いろいろと今までの旅行の話を聞いた。
面白そうだったのは、自動車雑誌のツアーで、シルクロードを小さなオアシス町に泊まりながら中国産のチェロキーで走るというもの。砂漠の一本道を無線で連絡とりながら走るらしい。
あと美瑛は昔とずいぶん変わって、絵はがきになるような名所に駐車場や売店ができて景観が損なわれ、ツアーバスがじゃんじゃん来るようになったという話。
しかしこの人はまっ黄色の高そうなオープンカー(湘南ナンバー)に乗っていて、よく旅行に行っていてお金持ってそうなんだけど、なんでそんなに気ままに旅行ができる身分なのかがよくわからない。謎。かといって一人旅慣れした人特有の馴れ馴れしさみたいなのもなくて、話しやすいいい人だった。
写真についてはいろいろ言い訳がある。美瑛は構図と題材なら誰だって絵はがきと同じものが撮れるので、あとは光と雲とか月とか時間をかけて狙うところの勝負になり、すごく難しい。最初からまともに勝負しようという気が起きないのでデジカメしか持っていかなかった。こんなこと書いてもしょうがないと思いつつ書く。
18:30すぎに晩ご飯。テーブルに載った大皿から2人で取り分ける。メニューはラムのにんにく胡椒炒め、豆とひじきのサラダ、大根を鰹節と煮付けたもの、海老のから揚げ、わかめと麩のみそ汁、ごはん、メロン。特にお肉はおいしかった。
夕日は曇ってて見られなかったけど、月がきれいだと宿の人に言われて外に出てみた。静まり返った道路を明るい月が照らし、向こうには残照も。でも手ブレして写真がとれない。三脚があれば。
ごはんのあとコーヒーを飲み、お風呂に入る。こういうところだとタオルないんだね。まぁハンドタオル1枚で風呂全部間に合わせるのは前にもやったことがあるから問題ない。よくあったまり、9:30には部屋にひっこんで、静かで真っ暗な部屋で10:30には寝る。
借りたシーツは、敷いてその上に寝るのか、それともこれを毛布の下に入れて間に挟まるようにするのか、よくわからなかった……。
29日(日)
天窓から光がさして5:30にいったん目が覚める。なんという老人的な睡眠時間だと思いつつ、さわやかな朝の風の中ラジオ体操をする……こともなく二度寝。
7時起き、7:30朝ご飯。メニューは厚切りのトースト、手作りバターと山ぶどうジャム、スクランブルエッグと輪切りの皮付きじゃがいもとサラダをワンプレートにしたもの、キャベツとベーコンのスープ。
トースターにパンを入れたまま喋ってて焼きすぎた。
今日は晴れるという天気予報だが、まだ空は曇っている。
駅まで歩いて行こうとするが、黄色いオープンカーの人が送ってくれるというので、8:50に宿を出る。入り口で写真をとる。母親の知り合いが友達だということで教えてくれた宿なんだけど、すごく静かでごはんもおいしくてよかった。
オープンカーで美瑛の道を走るのは大変気分がよくて、テンションがあがった。オープンカーはやっぱり都会じゃなくて自然の中を走るものだね。歩いたら荷物を抱えて40分かかったはずだけど、あっという間に駅に着いた。
7年前と同じく、駅前の店で自転車を借りる。かなり客は多いらしく、自転車の台数も増えていた。前回同様、手書きの地図をもらい道案内もしてもらう。
自転車はマウンテンバイクだと1日1500円で、普通のシティサイクルだと1000円。マウンテンバイクのほうにしようと思ったけど、機構が複雑なだけにチェーンが外れたりしたら自分では直せないし、お尻が痛くなるよと言われ確かにそうだったなと思い出して、普通の自転車にする。こっちも3段切り替えつきでライト自動点灯の新車だそうだ。荷物もお店に預けて9:15に出発。
もう何年ぶりだかわからないくらい久しぶりに自転車に乗ったけど、漕ぎ出した瞬間すごく軽くてすいすい走れて、とても気持ちがよかった。自転車ってこんなに気持ちいいのかーと感動。
あと、立ちこぎという技術の存在を思い出すまでにかなり時間がかかった。
まずは来た道を戻ってペンションの前を通過し、新栄の丘を目指す。途中、7年前に写真を撮った記憶があるトウモロコシ畑があって、そこの坂に同じように自転車を止めて写真を撮った。あと、大きな犬3匹とヤギ3匹を飼っているペンションがあった。
上り坂は歩いて押したりしつつ、新栄の丘へ。昔来たときには観光客のおじさんが1人だけ写真を撮っていた何にもない展望台だったけど、今では売店ができて記念写真を撮るためのベンチがあり、広い花畑が作られ、景色じゃなくて花がメインになっている。家族連れが切ったメロンを食べていた。
坂を快調に下り、次は「クリスマスツリーの木」を目指す。坂を登るとすぐに暑くなるけど、湿気がないので風がさわやかで、普通に走っているととても涼しい。
クリスマスツリーの木のあたりは、昔来たとき雨が降ってたような記憶がある。
このへんから後ろを追ってきた自転車の人がいたのでちょっと後ろを気にしつつ、美馬牛の中学校まで坂を登ったり下ったりして出て、町中を通り踏切を渡る。
郵便局の前を通る。昔この郵便局からアングルードのボックスを買うために某氏に振り込みをしたのだった……。
絵はがきを送るための切手をここで買おうと思っていたんだけど、日曜なので休みだった。
美馬牛小学校の正面を通る。ここのきれいな白い塔は有名で、私のデスクトップPCの本体の横にはここの写真のポスターが貼ってある。小学校の前に「ここは学校です。窓からのぞかないなど、マナーを守ってください」という大きな看板が設置されている。うーむ、観光客って……。
ここの道路で、巨大麦刈り機とすれ違う。最初に先導車が来て、なんか奥から工事車両みたいのが来るなぁ……と思って見ていたら、二車線分くらいの大きさの麦刈り機がゴゴゴと通っていった。その大きさにあっけにとられて見送ってから、写真撮ればよかったと思うが遅い。恐ろしげな刃がびっしりあって、アメリカの映画ではこれに巻き込まれるホラーシーンがさぞかしたくさんあるんだろうなと思った。
11時ごろ「四季彩の丘」という展望台に着く。こんなところは昔はなかった。ここも大きな花畑に売店がある。トラクターで牽く観光トロッコのようなものに観光客をたくさん乗せて、花畑をぐるっと一周していた。
あと、銀杏で作った人形を売っているコーナーがあって、アンパンマンが口から長い舌をビローンと突き出しユラユラさせているのはかなりグロかった。似てないピカチュウやドラえもんもあって面白かったんだけど、その場で作っているのでさすがに写真は撮れず。
白樺林一周コースをバギーで走る、というのがあって、500円払って1人用に乗った。ゴーカート大好き。アクセルのレバーを押すだけで進む単純なものだけど、150ccだかあるらしくて予想外にスピードが出る。砂利道を飛ばすのがかなり面白くて、ぶわーっと走ったら「もう戻って来たの」と言われた。道が狭いので曲がるのが難しいが、楽しい。
向かいのロッジ風の店で神戸ビーフカレーとかいうメニューが出ていていいなと思うが、まだ11:30なので次の拓真館で昼ご飯にしようと思う。
メモ書きです。「読みやすい」とか「読んで面白い」ことをあまり意識してません。余裕があったら「読んで面白い」ように書きなおしたエッセイ風のものも練習として書くべきだと思っているのですが。
28日(土)
朝7:30起き、出かける前にサカつくをやっておきたかったんだけど全然ログインできず。帰ったら再インストールだな。
8:30に朝ご飯を食べて家を出る。山手線の上行きに間違えて乗ったらジャッジのナカジマさんたちがいた。渋谷で乗り換える時間ロスがあったものの、品川での京急乗り継ぎがすごくスムーズにいき、9:20に空港着。
JALチェックインカウンターの向かいに空弁のお店があったのを見過ごして、1階まで降りて端っこのコンビニで天むす3個230円、お茶ペット130円を買う。プラザでサイクリング中の栄養補給用に小さなスニッカーズ6個入り130円を買う。
1階は意外とおしゃれで、よーじやの和風カフェやDEAN&DELUCAやマフィン屋がある。フードコートにIN THE HARBSがあったり。
荷物検査でペットボトルを出させられ、検査器にはめ込んで判定した。待合室の中に入ったらおいしそうな空弁をたくさん売っていた。
あと何やらパリのお菓子とか売ってる店で血のように真っ赤なウサギのぬいぐるみを売っていた。手足に磁石が入っていて、好きなところに貼り付けられるしくみ。血まみれウサギの人に誕生日じゃない日のお祝いに贈りたいと思ったけど、けっこういいお値段だったのでやめた……。
10:45発の飛行機は子どもだらけで満席。
私は2-4-2の右窓側で、隣は男の子を抱いた父親。その中側の列に母親と女の子2人がいて、その向こうの人がこっちの父親に向かって「代わりましょうか?」と声をかけてきたが、断っていた。窓の外を子どもに見せたかったらしい。でも私も窓側大好きだから絶対席代わってやんないもんねー。
飛行中は飲み物しか出ない。もうおかきすら出ないのか。
天むすを取り出し、製造日が2日前だということに気づく。賞味期限は今日の昼までだけど、すごいな保存料って。
飛行前半は天気がよかったけど、だんだん雲の壁みたいなのが見えてきて、機長アナウンスでも「北海道上空で積乱雲と雷雲を迂回します」と言っていた。心の中で「行こう!竜の巣へ!」とかハルヒの歌とかを再生する。
降りるときに「揺れます」とアナウンスがあって、子どもが連鎖的に泣き出すんじゃないかと危惧していたけど、意外と揺れなかった。操縦うまい。かなり強い雨の中、着陸。着地直前の下の景色が畑のパッチワーク模様で、千歳空港のときと全然違うのが面白い。気温は20度。
迂回のため到着が15分遅れたので、急いで空港を出て目の前の動物園行きバスに乗る。飛行機の遅れに合わせてバスも時間を遅らせ、13時に出発。500円。
道路の水たまりの水を盛大に跳ね飛ばしながら進むのが、雪国らしいなと思う(雪の降る土地ではタイヤのせいで道路が削れて水がたまるから)。道ばたにラベンダーが無造作に植わっている。13:40に動物園に着く。
入園料は580円だが、2回来るつもりなので年間パスポート1000円を買い、名前と性別と年齢を書き込む。
バスから降りる頃にちょうど雨が小降りになった。ラッキー。濡れそぼった観光客も見かけたので、天気予報に従って折り畳み傘を持って来てよかった。
正門すぐのコインロッカーに荷物を預ける。200円。
最初に右にフラミンゴがいて、鳥の大きな檻の中を歩いて進むと、行列のできているペンギン館がある。行列を避けて、外から見えるペンギンをしばし眺める。換羽時期だからか、ずっと羽づくろいをしている。
携帯とかでみんなが写真を撮っているが、フラッシュは禁止ですとしきりに係の人が叫んでいる。フラッシュはペンギンの白内障の原因になるらしい。そうなのかー。ほかの動物園でもちゃんと禁止してるっけ?
次に少し並んであざらし館に入る。テレビなどでも有名な、ガラスの筒の中をあざらしが上下に移動するところを見るために待つが、なかなかあざらしが通らない。
人間たちがぎっしり周囲を埋め尽くして、あざらしが白い腹を見せてゆっくり通り過ぎると歓声が起き、たくさんのシャッターが切られる。あざらしにしてみれば、「人間ってアホだなー」と思っているに違いない。
「一度通り過ぎるのを見たら、前の人は入れ替わってください」と言われる。今度は後ろのほうで見ていたら、ひねりを加えながらぐるぐる回って通った。サービス精神旺盛だ。
近くにクラゲの水槽もあって、詳しい解説がついていた。ここの動物園は、飼育係の人たちの手作り解説がすごく充実しているのが特徴のようだ。いちいち読んでいくと、ただの学術的な解説じゃなくリアルさがよく出ていて面白い。
外に出て、水の上からもあざらしを見るが、子どもたちが「かわいー」と言っている。あんまり……かわいくないと思うんだけど……。
近くに激混雑の土産物屋があったので入ってみた。餌をくわえた動物たちのぬいぐるみストラップがすごくかわいい。このペンギン版を買おうと思う。そして一時やたらと欲しかったペンギンの大きめのぬいぐるみ(キングペンギン)もあった。これは買うしか! ただ、今買うと荷物になるので、今日は偵察のみ。
次にしろくま館に並ぶ。ホッキョクグマが2頭いて、オスのほうはしきりに首を振って歩き回り、メスはぐったりしている。水槽の前に張り付いて見るが、全然こっちへ泳ぎに来ない。続いてドームの下からのぞく(ガラスのドームから人が顔を出すと、アザラシと間違えてクマが寄ってくるらしい)。クマはどこにも見えない。このときは雨もやや強くなっていて、向こうで見ている人々がかすんで見えるだけだった。ここも行列していて、短時間で交代しなくてはならない。
順路を進んでいくと今度は中2階。さっきの水槽をやや上から眺める位置なのだが、今度はクマがこっちにたびたび泳いできてよく見えた。大きな足で水中の岩を蹴っている。がんばって写真を撮ろうとするが動きが速いしガラスもあって難しい。
外に出ると、さっき下からのぞいたドームを外から見る形になる。ちょうどクマが出てきていて、ドームの中でクマに迫られてあわあわしているおばさんを眺めるのが面白かった。
小腹がすいたので、骨なしクリスピーチキン200円を買って食べる。レストランは激混雑だったが、外の屋台はすいてた。おいしい。
3時にオランウータンへの餌やりを見に行こうかとも思っていたが、中止のアナウンス。トナカイのいるところと爬虫類館に入り、猿のあたりをぐるっと回って入り口に戻る。結局全然見切れない。まあのんびりじっくり見ていたというのもあるけど。
あと、ここのトイレは「バイオトイレ」という変わったものだった。以下下ネタ注意。
作りはボットン便所みたいなんだけど、穴の底におがくずがいっぱい入っている(昔流行ったエッセイ「負け犬の遠吠え」によれば、いい年をして一人旅に出るような女は結婚できないそうだが、便所の底を好奇心に駆られて覗くような女も絶対に結婚できないことは断言してもいい)。このおがくずで排泄物を分解するらしい。終わったら「作動」ボタンを押すと、おがくずがういーんと機械でかき混ぜられる仕組み。
それと、園内を流れる川に飛び石があって、ちょっと渡ってみたいなと思っていたら、通りがかった男の子たちが渡りはじめ、その母親が「もうーやめてよ、すべって落ちるから。もうーそんなとこばっかり行って、ほんとイヤだ」とこぼしていて、思いとどまった。大人になるってそういうことですよねー。
3時半のバスで旭川駅へ。400円。交差点で、どこまでも道の先が見えるのが北海道だなぁとしみじみ思う。
予定より早く16時に着いたので、駅の売店で動物園特製の塩クッキー150円と、夏みかんブッセ110円を買う。
改札のところにペンギンのぬいぐるみがしばりつけてあって、思わず写真を撮る。さらに中に入ると「ペンギンと写真を撮ろう」というコーナーがあって、ぬいぐるみが大量に置いてある。シュール。
2両編成ワンマンの16:30発富良野線に乗る。530円。学生が多いが、ほとんどが携帯にイヤホンをつないで音楽を聴いているのが印象的だった。今どきはiPodとかじゃなくて携帯なの?
うとうとしつつ美瑛駅に着く。駅前の景色は7年前の記憶とそんなに変わってない。ちょっときれいになったかな。
宿の人に迎えに来てもらい、バンに乗ってペンション「遊岳荘」へ向かう。新栄の丘手前にある、ロッジみたいな建物。運転してくれた女将さん……というか宿主の奥さんに、動物園の話をする。今日は子どもが多かったけど、平日は大人ばっかりらしい。あと今日は雨で気温が低いが、昨日は30度くらいあったらしい。ただ、湿度が低いので暑くないらしい。
受付で宿代6900円を払い、シーツを借りて、部屋に荷物を置く。アイヌ語の長い名前がついた部屋(メモるの忘れた)。4畳くらいの広さで、床に低いベッドが2つあり、頭の上に吊り戸棚(ステンシルつき)。窓は開いていて、晴れていれば正面に山が見えるらしい。さらに階段があって、上に屋根裏みたいな天窓つきのロフトがあり、そこにも布団が二組ある。
コルクボードの案内板とか、白熱球の明かりとか、いい雰囲気。
荷物を置いたらホールに行く。ソファーがあってコーヒーと麦茶のセルフサービス、本棚にいろいろな紀行関係の本や小説がぎっしり入っている。ストーブのまわりにいくつか楽器ケースもあり、ここで合奏したり歌ったりするような風景が目に浮かぶ。ミニコンポからジャズスタンダードがBGMで流れているが、テレビはない。
アイヌ民話の本と、植村直己がグリーンランドで犬ぞり訓練をする本を読んでいたら、お風呂に入っていたお客さんが戻ってきて挨拶をする。30すぎくらいの男の人で、車で1人北海道のあちこちを回っているらしい。
夏休みだから基本的に客は多いはずなんだけど、7月末はなぜか毎年客の谷間なのだそうで、今日の宿泊客は私とその人の2人だけ。
今回の旅で撮ったデジカメの写真を見せてもらう。新潟からフェリーで小樽に出て、函館と札幌大通り公園のビアガーデンを経てここに来たらしい。今日は富良野へそ祭りに行こうと思っていたが、天気が悪くなったので予定を変更してここに泊まったという。つまり天気次第では宿泊客は私1人だったのか。
デジカメは記録用で、フィルムカメラも持って風景を撮っているという。旅行好きでカメラ好きだったらそれだけで話は尽きないので、いろいろと今までの旅行の話を聞いた。
面白そうだったのは、自動車雑誌のツアーで、シルクロードを小さなオアシス町に泊まりながら中国産のチェロキーで走るというもの。砂漠の一本道を無線で連絡とりながら走るらしい。
あと美瑛は昔とずいぶん変わって、絵はがきになるような名所に駐車場や売店ができて景観が損なわれ、ツアーバスがじゃんじゃん来るようになったという話。
しかしこの人はまっ黄色の高そうなオープンカー(湘南ナンバー)に乗っていて、よく旅行に行っていてお金持ってそうなんだけど、なんでそんなに気ままに旅行ができる身分なのかがよくわからない。謎。かといって一人旅慣れした人特有の馴れ馴れしさみたいなのもなくて、話しやすいいい人だった。
写真についてはいろいろ言い訳がある。美瑛は構図と題材なら誰だって絵はがきと同じものが撮れるので、あとは光と雲とか月とか時間をかけて狙うところの勝負になり、すごく難しい。最初からまともに勝負しようという気が起きないのでデジカメしか持っていかなかった。こんなこと書いてもしょうがないと思いつつ書く。
18:30すぎに晩ご飯。テーブルに載った大皿から2人で取り分ける。メニューはラムのにんにく胡椒炒め、豆とひじきのサラダ、大根を鰹節と煮付けたもの、海老のから揚げ、わかめと麩のみそ汁、ごはん、メロン。特にお肉はおいしかった。
夕日は曇ってて見られなかったけど、月がきれいだと宿の人に言われて外に出てみた。静まり返った道路を明るい月が照らし、向こうには残照も。でも手ブレして写真がとれない。三脚があれば。
ごはんのあとコーヒーを飲み、お風呂に入る。こういうところだとタオルないんだね。まぁハンドタオル1枚で風呂全部間に合わせるのは前にもやったことがあるから問題ない。よくあったまり、9:30には部屋にひっこんで、静かで真っ暗な部屋で10:30には寝る。
借りたシーツは、敷いてその上に寝るのか、それともこれを毛布の下に入れて間に挟まるようにするのか、よくわからなかった……。
29日(日)
天窓から光がさして5:30にいったん目が覚める。なんという老人的な睡眠時間だと思いつつ、さわやかな朝の風の中ラジオ体操をする……こともなく二度寝。
7時起き、7:30朝ご飯。メニューは厚切りのトースト、手作りバターと山ぶどうジャム、スクランブルエッグと輪切りの皮付きじゃがいもとサラダをワンプレートにしたもの、キャベツとベーコンのスープ。
トースターにパンを入れたまま喋ってて焼きすぎた。
今日は晴れるという天気予報だが、まだ空は曇っている。
駅まで歩いて行こうとするが、黄色いオープンカーの人が送ってくれるというので、8:50に宿を出る。入り口で写真をとる。母親の知り合いが友達だということで教えてくれた宿なんだけど、すごく静かでごはんもおいしくてよかった。
オープンカーで美瑛の道を走るのは大変気分がよくて、テンションがあがった。オープンカーはやっぱり都会じゃなくて自然の中を走るものだね。歩いたら荷物を抱えて40分かかったはずだけど、あっという間に駅に着いた。
7年前と同じく、駅前の店で自転車を借りる。かなり客は多いらしく、自転車の台数も増えていた。前回同様、手書きの地図をもらい道案内もしてもらう。
自転車はマウンテンバイクだと1日1500円で、普通のシティサイクルだと1000円。マウンテンバイクのほうにしようと思ったけど、機構が複雑なだけにチェーンが外れたりしたら自分では直せないし、お尻が痛くなるよと言われ確かにそうだったなと思い出して、普通の自転車にする。こっちも3段切り替えつきでライト自動点灯の新車だそうだ。荷物もお店に預けて9:15に出発。
もう何年ぶりだかわからないくらい久しぶりに自転車に乗ったけど、漕ぎ出した瞬間すごく軽くてすいすい走れて、とても気持ちがよかった。自転車ってこんなに気持ちいいのかーと感動。
あと、立ちこぎという技術の存在を思い出すまでにかなり時間がかかった。
まずは来た道を戻ってペンションの前を通過し、新栄の丘を目指す。途中、7年前に写真を撮った記憶があるトウモロコシ畑があって、そこの坂に同じように自転車を止めて写真を撮った。あと、大きな犬3匹とヤギ3匹を飼っているペンションがあった。
上り坂は歩いて押したりしつつ、新栄の丘へ。昔来たときには観光客のおじさんが1人だけ写真を撮っていた何にもない展望台だったけど、今では売店ができて記念写真を撮るためのベンチがあり、広い花畑が作られ、景色じゃなくて花がメインになっている。家族連れが切ったメロンを食べていた。
坂を快調に下り、次は「クリスマスツリーの木」を目指す。坂を登るとすぐに暑くなるけど、湿気がないので風がさわやかで、普通に走っているととても涼しい。
クリスマスツリーの木のあたりは、昔来たとき雨が降ってたような記憶がある。
このへんから後ろを追ってきた自転車の人がいたのでちょっと後ろを気にしつつ、美馬牛の中学校まで坂を登ったり下ったりして出て、町中を通り踏切を渡る。
郵便局の前を通る。昔この郵便局からアングルードのボックスを買うために某氏に振り込みをしたのだった……。
絵はがきを送るための切手をここで買おうと思っていたんだけど、日曜なので休みだった。
美馬牛小学校の正面を通る。ここのきれいな白い塔は有名で、私のデスクトップPCの本体の横にはここの写真のポスターが貼ってある。小学校の前に「ここは学校です。窓からのぞかないなど、マナーを守ってください」という大きな看板が設置されている。うーむ、観光客って……。
ここの道路で、巨大麦刈り機とすれ違う。最初に先導車が来て、なんか奥から工事車両みたいのが来るなぁ……と思って見ていたら、二車線分くらいの大きさの麦刈り機がゴゴゴと通っていった。その大きさにあっけにとられて見送ってから、写真撮ればよかったと思うが遅い。恐ろしげな刃がびっしりあって、アメリカの映画ではこれに巻き込まれるホラーシーンがさぞかしたくさんあるんだろうなと思った。
11時ごろ「四季彩の丘」という展望台に着く。こんなところは昔はなかった。ここも大きな花畑に売店がある。トラクターで牽く観光トロッコのようなものに観光客をたくさん乗せて、花畑をぐるっと一周していた。
あと、銀杏で作った人形を売っているコーナーがあって、アンパンマンが口から長い舌をビローンと突き出しユラユラさせているのはかなりグロかった。似てないピカチュウやドラえもんもあって面白かったんだけど、その場で作っているのでさすがに写真は撮れず。
白樺林一周コースをバギーで走る、というのがあって、500円払って1人用に乗った。ゴーカート大好き。アクセルのレバーを押すだけで進む単純なものだけど、150ccだかあるらしくて予想外にスピードが出る。砂利道を飛ばすのがかなり面白くて、ぶわーっと走ったら「もう戻って来たの」と言われた。道が狭いので曲がるのが難しいが、楽しい。
向かいのロッジ風の店で神戸ビーフカレーとかいうメニューが出ていていいなと思うが、まだ11:30なので次の拓真館で昼ご飯にしようと思う。
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