パリ旅行記6日目
2006年12月13日■12月3日(日)大会5日目 決勝
7時半起床。朝ご飯なし。
決勝の会場はカフェ風の作りになっている。
本物のカフェでも使われている緑の籐椅子を並べ、
お店の名前は「ロータス・ノワール・カフェ」。
「黒蓮カフェ」と訳すとかなり非合法っぽい香りだ。
カフェの店先のガラス窓の中には、マナ・シンボルを
あしらったアクセサリー(会場売店で売ってたけど、
けっこう高かったので買わなかった)が飾られている。
外の観戦スペースにも、スクリーンの前にカフェふうの
わりと狭い空間が作ってあるが、そこだとスクリーンに
近すぎるのか、もっと部屋の後ろのほうで見ている人も
多かった。
日本人たちが三原さんの5ゲーム目を観戦していた。
例の場面。
「やった、引いた」という感じで《炎の儀式》をプレイし、
もう1枚プレイしようとして、サッと引っ込めた。
みんな頭の上にハテナマークを一瞬出しつつ、
「……マナ足りなくない?」と気づく。
8マナしかないのに、うっかり1枚目を唱えてしまった。
画面の中で固まっている三原さんに向かって、
「数えてからやれよ!」と誰かの突っ込み。
かなり長い時間悩んでいて、みんな次のターンのことを
計算し始める。ライフ1はギリギリ残りそう。
苦し紛れに《撤廃》でドロー。
次なる《炎の儀式》をトップデッキ。
「え? 引いてる?」「引いてるよ!」「あいつ何者!?」
と観客席は大盛り上がり。
「落ち着け! 落ち着けよ!」と届かぬ声をかけられ
ながら、三原さんがミラクル勝利。
このまま次のターンを迎えていれば普通に勝っていたのに、
わざわざトップデッキでなければ勝てないような状況に
自分を追い込んでトップデッキする、そういう演出か!
詳しくは、公式カバレッジが面白いので読んでください。
三原さんは、さっきのトップデッキ場面が中継されて
いたと聞いていたく恥ずかしがり、観客席の近くを通り
過ぎるときに、ペコペコ頭を下げていた。
準々決勝の最後の対戦はナシフ対ティアゴ・チャン。
いまだに長々とやっているが、しばらく終わりそうに
ないので、そのわきで小倉さんの準決勝が始まる。
観戦スペースで、プレイの解説を聞きながら見物。
「これはもう何をやっても勝ちだね」とか。
ティアゴ・チャンがもし優勝すると八十岡さんのPoYが
まくられるので、ナシフを応援しているらしい。
ナシフ対ティアゴ・チャンの対戦にカメラが回ると、
ナシフのライフ表記が88になっている。
指差して笑う人々。
そのままライフが増え続けていく。
ティアゴの場にも組み立て作業員トークンが10個以上
出ているのだが……回復速度に追いつかない。
ナシフ、よくこんなデッキで1日目のスタンダードを
勝ってきたなぁ(5-0-1)。普通もっと引き分けるだろ。
みるみるライフが増えていき、最後は340くらいになった。
ティアゴ、ライブラリーを数えてさすがに投了。
今回、ポッドキャストは英語だけでなくフランス語もあり、
コメンタリーブースにはアントワン・ルーエルとラファエル・
レヴィに挟まれてジェフリー・シロン(ベルギー)がいた。
アントワンが、ゲーム後のティアゴに「おつかれー」と
いう感じで肩を叩きに来て、その背中がびっしょりと
汗で濡れているのに驚いていた。
決勝卓はスポットがめちゃめちゃ暑いけど、汗は
そのせいだけではないだろう。
ティアゴは「あのデッキ相手に3-2だよ、よく頑張ったよ」
というようなことを言っていた。
三原さんの対ナシフ戦は、さすがにサイド後の
デッキ相性が悪いからまぁ無理だろう、という雰囲気。
1ゲーム目を負けて、ますます「早くランチにならない
カナー」というムードが立ち込めたが、2ゲーム目で
三原さんが先手4ターン目ドラゴンストームを発動。
さらに、3ゲーム目もナシフの引きがしょぼいところに
普通に殴り勝った。
しかし、最後のほうはライブ中継が休憩に入り、
照明も消されてしまい、みんなランチを食べ始めた。
まだ準決勝が続いてるのに、ひどい扱いだ(笑)
4ゲーム目の手札チェックまですませたところで止め、
三原さんたちもランチ休憩になった。
しかし、そんな宙ぶらりん状態で、よくパクパクご飯
食べられるなぁ。
ランチは美味しかった。
金箔の載ったチョコレートムースとか、お菓子も充実。
格さんが間違えて炭酸入りの水をグラスに注いでしまい、
私が代わりのエビアンの瓶を開けようとしていたときに、
小倉さんが「爪が割れますよ?」と心配してくれた。
私、生まれてこのかたそんな心配をしてもらったのは
初めて。まぁ、生まれてこのかた爪が長かったことは
2回しかないんだけど(笑)
でも、自分がこれから世界選手権の決勝だという時に
他人の爪のことにまで気が遣えるなんて、と感動した。
人となりを垣間見た感じ。
休憩中の三原さんに、モリカツがいろいろと軽快に
突っ込みを入れていて、「今の俺なら勝ってたね」と言う。
朝方は風邪ですごく調子が悪かったらしい。
確かに顔色も良くなかったし、おとなしかった。
「12枚も土地が並んでてトロンが揃ってないなんて
モリカツじゃない」と言われていた。
三原さんの準決勝4ゲーム目が再開。
その裏でチーム戦のドラフトをすることになった。
しかし片山さんがタバコ休憩に行ってしまい、
どこにいるかわからなかったのでしばらく待つ。
準決勝4ゲーム目のほうは、ナシフが首をかしげながら
プレイしているので、また負けるのか?と思った。
「こっちは12点ずつ回復するけど、そっちは11点ずつ
しか入らないよね。まだ続ける?」と言ってナシフ勝利。
ナシフが勝ってるところを珍しく目撃できたかも!
そして5ゲーム目。30くらいあったナシフのライフを
ヘルカイトで削り、最後に「引いたー!」と言いながら
トップデッキしてドラゴンストーム。
その瞬間、フランスのブースがしーんとなった……。
まさかこのデッキ相性で負けるとは思っていなかった
だろうなあ。フランス希望の星が負け、一瞬にして
会場のテンションが下がったのが感じられた。
しかしまたもトップデッキで勝負を決めるとは、
今日の三原さんは相当ヤバイようだ。
ビジネスクラスをツモるだけのことはある。
チーム戦の対戦が始まる。
片山さんと山本さんが両脇から手札を見せ、
モリカツの指示をあおぐゲーム風景。
モリカツははやばやと指示係に徹し、片山さんの
ゲームを途中で止めて、山本さんのゲームに集中。
後がなくなった山本さんのフルアタックに、オランダ
チームは3人で頭を寄せ合ってブロックを割り振る。
この間、モリカツはエリアの外に出て小倉さんと
話をしていたので、もうエリア内と会話はできなくなる。
フルアタックの時点で無理っぽかったんだけど、
相手がさらに除去も持っていたので「You win」と言う。
しかし右手を差し出すまで通じていなかった。
個人戦の決勝が始まる。きらびやかに照らされた
テーブルの上に日本の小旗が2つ立っている光景は
かなり感慨深いものがあるが、観戦スペースは
閑散としてしまっている。デュエルしてる人もいるし。
私が座ってスクリーンを見ていたら、突然「日本人の
サインを集めています」と言う人(英語喋ってたけど
母語ではなさそうだった)がやってきて、日本語版の
《空虚自身》を差し出してきた。見ると、いろんな
プレイヤーたちの名前がぎっしり書き込まれている。
「私、プレイヤーじゃないですよ?」と言ったが
「それでも全然かまわない」と言うので、漢字で書いた。
変わった人だなあ。
決勝はご存知の通り、ラミハルさんの3タテ。
終わると、すぐさま表彰式。
「トロフィーは両手で台座をしっかり持つように」と
受賞者に指示が出る。どうも壊れたのを修理したらしい。
実際に小倉さんのトロフィーが、表彰式の終了直後
3つぐらいに派手に分解した。
三原さんは表彰式の直後、BDMにインタビュー
されていたが、プレイヤーとしての成長の履歴をかなり
詳しく聞かれていたような感じ。出来上がった記事は
「一介のプレイヤーが、いかにして世界チャンピオン
までのぼりつめたか」という感じになっているのでは
ないだろうか(読みこなせないからわかんないけど)。
確かに海外ではあまり知られてないプレイヤーだしね。
進藤さんいわく「日本が誇るシークレットテク」。
CALについて語る会も開催していた。
PoY八十岡さんもインタビューされていた。
ちっとも嬉しそうじゃないのを指摘されると、「PoYには
実益がないから」と答えていた。確かに、せいぜい
ホテルの部屋がスイートになるくらいで、あとの利益は
全部レベル6でも得られる。
とはいえ、そのスイートを取るために、かなりのPoY
予算が組まれているという話だけどね……。
三原さんの写真を外のピラミッドの前で撮るというので、
ついていく。寒い!
池の縁で、トロフィーを持ってポーズを取っている隣を
観光客の群れがひっきりなしに通る。その晒されっぷりは
いまだかつてないものだった。いろんな人が「ヘイ、
チャンピオン?」という感じで声をかけていく。
「何のチャンピオンなのか」とたびたび聞かれ、
「カルテ(カード)」と答えると納得していたが、
たぶんポーカーか何かだと思っているだろうな。
これでプレイヤーカードになることが確定して、
「もう格さんに間違えられない」と喜んでいた。昨日
格さんのカードにサインを求めに来た人がいたらしい。
そんなわけで大会は終了。仕事もおしまい。
絵ハガキに貼る切手を買わねばならないので、ルーブル
美術館の入り口付近にある郵便局に行ってみる。
18:00すぎだったが、もう閉まっていた。
その近くの土産屋を見る。チープな小物はあまりなく、
美術書と高価な置物ばかりだった。しかし、エジプトの
翡翠のカバを模したぬいぐるみがあって、そのすごく
変な顔に惹かれた。
19時になり、土産屋が閉店して追い出される。
まだ開いていたショッピングモールをぶらぶらする。
お菓子の量り売りのお店に行ったら、片山さんと
鉢合わせした。
最後、ジュリアンとの対戦を途中で止められたまま、
山本さんの負けでチーム戦全体が終わってしまったので、
「せっかくだからあの晴れ舞台でもう一戦やりたかった
ですよね」と言う。
「相手マリガンしてて、こっちブン回りの手札だったんで、
やったら勝ってたのに」と残念そうだった。「0-2だと
圧敗っぽいけど、1-2だったら頑張った感じになるし」
あと「決勝ラウンドはすごい雰囲気で、昼ご飯の味が
あまりわからなかった。正直今回は他人の草鞋だったけど、
いつか自分の力でまたあの場に行きたい」と言っていた。
フランスカラーのねじり棒飴と、マキシムのお菓子を
大量に買い込んでいた。
星の王子様グッズをたくさん扱っている店があった。
キツネと王子様のミニチュアが繋がっているキーホルダー
がすごく欲しいと思ったんだけど、キーホルダーって
使わないんだよね……。ぬいぐるみとか文房具とかも
きれいなのがたくさんあったが、こういうものはたぶん
日本でも手に入るだろうと思って買わなかった。
ホラーなプラスチック製ミニチュア(DDMよりは一回り
大きい)が詰め合わせになった玩具があって、DM-SKM
さんにあげたら台座をつけて変なモンスターとして
セッションに登場させてくれそうだなと思った。
ただ、5個くらいしか入っていないのに18ユーロもする
のは、この質ではちょっと高すぎる。
どこかでばら売りをしているかもと思って買わず。
しかし、「これは絶対に日本では買えないだろう」と
いうお土産を探すのは難しいね。
20時くらいに会場を出る。
フードコートで晩ご飯を食べると寂しくなってしまう
ので、今日はカフェに行くことにする。
大会1日目の朝に行った、ホテルのすぐそばのカフェへ。
すごく気障な東洋系のウェイターさんが担当だった。
BGMを鼻歌で歌っている。日本だったら何だコイツと
思うところだけど、フランスではなんだか似合ってしまう。
いろいろメニューがあるが、「昔ながらのスタイル」
というコーナーに、「チーズ、オールドスタイルの
ハム、パン、グリーンサラダ……」などと書いてある
ものがあり、いろいろ盛り合わせになったプレートなの
だろうと予想する。
ウェイターさんに「ワンプレート?」と訊いたら、
「Very big one」と言われる。恐れをなしつつ注文。
すると出てきたのは、直径80センチくらいの木の大きな
お盆の上に、ざっくり切ったサラミやパテ、生ハムを
載せたライ麦パン、ピクルス、キュウリ、トマトを
散らした巨大なサラダが、こんもり山になって盛られて
いる、というものだった。その一番上に、大きな三角に
切ったチーズがでんとかぶせてある。
予想していたものと全然違ってびっくりした。
こういうサプライズがあるから、言葉や文化の違う
国は面白いよねぇ。
サラミはちょっと噛み切れなかったんだけど、パテが
とても美味しかった。
すごい大きさだったけど、主な成分はレタスで嵩が
あるので、意外と食べられた。
一緒にオレンジジュースを頼んだが、4.7ユーロも
払って小さい瓶とコップとストローが出てきただけ。
コップ1杯注いだらなくなってしまう量しかない。
生絞りっぽくて、味はおいしかったけど……。
窓際に、何かを読むでもなく煙草を吸うでもなく、
じっと窓の外を見つめ続けている美女がいた。
ホテルに戻って荷造り。23時就寝。
この日の支出:
ルーブルお土産11ユーロ
晩ご飯18.2ユーロ
7時半起床。朝ご飯なし。
決勝の会場はカフェ風の作りになっている。
本物のカフェでも使われている緑の籐椅子を並べ、
お店の名前は「ロータス・ノワール・カフェ」。
「黒蓮カフェ」と訳すとかなり非合法っぽい香りだ。
カフェの店先のガラス窓の中には、マナ・シンボルを
あしらったアクセサリー(会場売店で売ってたけど、
けっこう高かったので買わなかった)が飾られている。
外の観戦スペースにも、スクリーンの前にカフェふうの
わりと狭い空間が作ってあるが、そこだとスクリーンに
近すぎるのか、もっと部屋の後ろのほうで見ている人も
多かった。
日本人たちが三原さんの5ゲーム目を観戦していた。
例の場面。
「やった、引いた」という感じで《炎の儀式》をプレイし、
もう1枚プレイしようとして、サッと引っ込めた。
みんな頭の上にハテナマークを一瞬出しつつ、
「……マナ足りなくない?」と気づく。
8マナしかないのに、うっかり1枚目を唱えてしまった。
画面の中で固まっている三原さんに向かって、
「数えてからやれよ!」と誰かの突っ込み。
かなり長い時間悩んでいて、みんな次のターンのことを
計算し始める。ライフ1はギリギリ残りそう。
苦し紛れに《撤廃》でドロー。
次なる《炎の儀式》をトップデッキ。
「え? 引いてる?」「引いてるよ!」「あいつ何者!?」
と観客席は大盛り上がり。
「落ち着け! 落ち着けよ!」と届かぬ声をかけられ
ながら、三原さんがミラクル勝利。
このまま次のターンを迎えていれば普通に勝っていたのに、
わざわざトップデッキでなければ勝てないような状況に
自分を追い込んでトップデッキする、そういう演出か!
詳しくは、公式カバレッジが面白いので読んでください。
三原さんは、さっきのトップデッキ場面が中継されて
いたと聞いていたく恥ずかしがり、観客席の近くを通り
過ぎるときに、ペコペコ頭を下げていた。
準々決勝の最後の対戦はナシフ対ティアゴ・チャン。
いまだに長々とやっているが、しばらく終わりそうに
ないので、そのわきで小倉さんの準決勝が始まる。
観戦スペースで、プレイの解説を聞きながら見物。
「これはもう何をやっても勝ちだね」とか。
ティアゴ・チャンがもし優勝すると八十岡さんのPoYが
まくられるので、ナシフを応援しているらしい。
ナシフ対ティアゴ・チャンの対戦にカメラが回ると、
ナシフのライフ表記が88になっている。
指差して笑う人々。
そのままライフが増え続けていく。
ティアゴの場にも組み立て作業員トークンが10個以上
出ているのだが……回復速度に追いつかない。
ナシフ、よくこんなデッキで1日目のスタンダードを
勝ってきたなぁ(5-0-1)。普通もっと引き分けるだろ。
みるみるライフが増えていき、最後は340くらいになった。
ティアゴ、ライブラリーを数えてさすがに投了。
今回、ポッドキャストは英語だけでなくフランス語もあり、
コメンタリーブースにはアントワン・ルーエルとラファエル・
レヴィに挟まれてジェフリー・シロン(ベルギー)がいた。
アントワンが、ゲーム後のティアゴに「おつかれー」と
いう感じで肩を叩きに来て、その背中がびっしょりと
汗で濡れているのに驚いていた。
決勝卓はスポットがめちゃめちゃ暑いけど、汗は
そのせいだけではないだろう。
ティアゴは「あのデッキ相手に3-2だよ、よく頑張ったよ」
というようなことを言っていた。
三原さんの対ナシフ戦は、さすがにサイド後の
デッキ相性が悪いからまぁ無理だろう、という雰囲気。
1ゲーム目を負けて、ますます「早くランチにならない
カナー」というムードが立ち込めたが、2ゲーム目で
三原さんが先手4ターン目ドラゴンストームを発動。
さらに、3ゲーム目もナシフの引きがしょぼいところに
普通に殴り勝った。
しかし、最後のほうはライブ中継が休憩に入り、
照明も消されてしまい、みんなランチを食べ始めた。
まだ準決勝が続いてるのに、ひどい扱いだ(笑)
4ゲーム目の手札チェックまですませたところで止め、
三原さんたちもランチ休憩になった。
しかし、そんな宙ぶらりん状態で、よくパクパクご飯
食べられるなぁ。
ランチは美味しかった。
金箔の載ったチョコレートムースとか、お菓子も充実。
格さんが間違えて炭酸入りの水をグラスに注いでしまい、
私が代わりのエビアンの瓶を開けようとしていたときに、
小倉さんが「爪が割れますよ?」と心配してくれた。
私、生まれてこのかたそんな心配をしてもらったのは
初めて。まぁ、生まれてこのかた爪が長かったことは
2回しかないんだけど(笑)
でも、自分がこれから世界選手権の決勝だという時に
他人の爪のことにまで気が遣えるなんて、と感動した。
人となりを垣間見た感じ。
休憩中の三原さんに、モリカツがいろいろと軽快に
突っ込みを入れていて、「今の俺なら勝ってたね」と言う。
朝方は風邪ですごく調子が悪かったらしい。
確かに顔色も良くなかったし、おとなしかった。
「12枚も土地が並んでてトロンが揃ってないなんて
モリカツじゃない」と言われていた。
三原さんの準決勝4ゲーム目が再開。
その裏でチーム戦のドラフトをすることになった。
しかし片山さんがタバコ休憩に行ってしまい、
どこにいるかわからなかったのでしばらく待つ。
準決勝4ゲーム目のほうは、ナシフが首をかしげながら
プレイしているので、また負けるのか?と思った。
「こっちは12点ずつ回復するけど、そっちは11点ずつ
しか入らないよね。まだ続ける?」と言ってナシフ勝利。
ナシフが勝ってるところを珍しく目撃できたかも!
そして5ゲーム目。30くらいあったナシフのライフを
ヘルカイトで削り、最後に「引いたー!」と言いながら
トップデッキしてドラゴンストーム。
その瞬間、フランスのブースがしーんとなった……。
まさかこのデッキ相性で負けるとは思っていなかった
だろうなあ。フランス希望の星が負け、一瞬にして
会場のテンションが下がったのが感じられた。
しかしまたもトップデッキで勝負を決めるとは、
今日の三原さんは相当ヤバイようだ。
ビジネスクラスをツモるだけのことはある。
チーム戦の対戦が始まる。
片山さんと山本さんが両脇から手札を見せ、
モリカツの指示をあおぐゲーム風景。
モリカツははやばやと指示係に徹し、片山さんの
ゲームを途中で止めて、山本さんのゲームに集中。
後がなくなった山本さんのフルアタックに、オランダ
チームは3人で頭を寄せ合ってブロックを割り振る。
この間、モリカツはエリアの外に出て小倉さんと
話をしていたので、もうエリア内と会話はできなくなる。
フルアタックの時点で無理っぽかったんだけど、
相手がさらに除去も持っていたので「You win」と言う。
しかし右手を差し出すまで通じていなかった。
個人戦の決勝が始まる。きらびやかに照らされた
テーブルの上に日本の小旗が2つ立っている光景は
かなり感慨深いものがあるが、観戦スペースは
閑散としてしまっている。デュエルしてる人もいるし。
私が座ってスクリーンを見ていたら、突然「日本人の
サインを集めています」と言う人(英語喋ってたけど
母語ではなさそうだった)がやってきて、日本語版の
《空虚自身》を差し出してきた。見ると、いろんな
プレイヤーたちの名前がぎっしり書き込まれている。
「私、プレイヤーじゃないですよ?」と言ったが
「それでも全然かまわない」と言うので、漢字で書いた。
変わった人だなあ。
決勝はご存知の通り、ラミハルさんの3タテ。
終わると、すぐさま表彰式。
「トロフィーは両手で台座をしっかり持つように」と
受賞者に指示が出る。どうも壊れたのを修理したらしい。
実際に小倉さんのトロフィーが、表彰式の終了直後
3つぐらいに派手に分解した。
三原さんは表彰式の直後、BDMにインタビュー
されていたが、プレイヤーとしての成長の履歴をかなり
詳しく聞かれていたような感じ。出来上がった記事は
「一介のプレイヤーが、いかにして世界チャンピオン
までのぼりつめたか」という感じになっているのでは
ないだろうか(読みこなせないからわかんないけど)。
確かに海外ではあまり知られてないプレイヤーだしね。
進藤さんいわく「日本が誇るシークレットテク」。
CALについて語る会も開催していた。
PoY八十岡さんもインタビューされていた。
ちっとも嬉しそうじゃないのを指摘されると、「PoYには
実益がないから」と答えていた。確かに、せいぜい
ホテルの部屋がスイートになるくらいで、あとの利益は
全部レベル6でも得られる。
とはいえ、そのスイートを取るために、かなりのPoY
予算が組まれているという話だけどね……。
三原さんの写真を外のピラミッドの前で撮るというので、
ついていく。寒い!
池の縁で、トロフィーを持ってポーズを取っている隣を
観光客の群れがひっきりなしに通る。その晒されっぷりは
いまだかつてないものだった。いろんな人が「ヘイ、
チャンピオン?」という感じで声をかけていく。
「何のチャンピオンなのか」とたびたび聞かれ、
「カルテ(カード)」と答えると納得していたが、
たぶんポーカーか何かだと思っているだろうな。
これでプレイヤーカードになることが確定して、
「もう格さんに間違えられない」と喜んでいた。昨日
格さんのカードにサインを求めに来た人がいたらしい。
そんなわけで大会は終了。仕事もおしまい。
絵ハガキに貼る切手を買わねばならないので、ルーブル
美術館の入り口付近にある郵便局に行ってみる。
18:00すぎだったが、もう閉まっていた。
その近くの土産屋を見る。チープな小物はあまりなく、
美術書と高価な置物ばかりだった。しかし、エジプトの
翡翠のカバを模したぬいぐるみがあって、そのすごく
変な顔に惹かれた。
19時になり、土産屋が閉店して追い出される。
まだ開いていたショッピングモールをぶらぶらする。
お菓子の量り売りのお店に行ったら、片山さんと
鉢合わせした。
最後、ジュリアンとの対戦を途中で止められたまま、
山本さんの負けでチーム戦全体が終わってしまったので、
「せっかくだからあの晴れ舞台でもう一戦やりたかった
ですよね」と言う。
「相手マリガンしてて、こっちブン回りの手札だったんで、
やったら勝ってたのに」と残念そうだった。「0-2だと
圧敗っぽいけど、1-2だったら頑張った感じになるし」
あと「決勝ラウンドはすごい雰囲気で、昼ご飯の味が
あまりわからなかった。正直今回は他人の草鞋だったけど、
いつか自分の力でまたあの場に行きたい」と言っていた。
フランスカラーのねじり棒飴と、マキシムのお菓子を
大量に買い込んでいた。
星の王子様グッズをたくさん扱っている店があった。
キツネと王子様のミニチュアが繋がっているキーホルダー
がすごく欲しいと思ったんだけど、キーホルダーって
使わないんだよね……。ぬいぐるみとか文房具とかも
きれいなのがたくさんあったが、こういうものはたぶん
日本でも手に入るだろうと思って買わなかった。
ホラーなプラスチック製ミニチュア(DDMよりは一回り
大きい)が詰め合わせになった玩具があって、DM-SKM
さんにあげたら台座をつけて変なモンスターとして
セッションに登場させてくれそうだなと思った。
ただ、5個くらいしか入っていないのに18ユーロもする
のは、この質ではちょっと高すぎる。
どこかでばら売りをしているかもと思って買わず。
しかし、「これは絶対に日本では買えないだろう」と
いうお土産を探すのは難しいね。
20時くらいに会場を出る。
フードコートで晩ご飯を食べると寂しくなってしまう
ので、今日はカフェに行くことにする。
大会1日目の朝に行った、ホテルのすぐそばのカフェへ。
すごく気障な東洋系のウェイターさんが担当だった。
BGMを鼻歌で歌っている。日本だったら何だコイツと
思うところだけど、フランスではなんだか似合ってしまう。
いろいろメニューがあるが、「昔ながらのスタイル」
というコーナーに、「チーズ、オールドスタイルの
ハム、パン、グリーンサラダ……」などと書いてある
ものがあり、いろいろ盛り合わせになったプレートなの
だろうと予想する。
ウェイターさんに「ワンプレート?」と訊いたら、
「Very big one」と言われる。恐れをなしつつ注文。
すると出てきたのは、直径80センチくらいの木の大きな
お盆の上に、ざっくり切ったサラミやパテ、生ハムを
載せたライ麦パン、ピクルス、キュウリ、トマトを
散らした巨大なサラダが、こんもり山になって盛られて
いる、というものだった。その一番上に、大きな三角に
切ったチーズがでんとかぶせてある。
予想していたものと全然違ってびっくりした。
こういうサプライズがあるから、言葉や文化の違う
国は面白いよねぇ。
サラミはちょっと噛み切れなかったんだけど、パテが
とても美味しかった。
すごい大きさだったけど、主な成分はレタスで嵩が
あるので、意外と食べられた。
一緒にオレンジジュースを頼んだが、4.7ユーロも
払って小さい瓶とコップとストローが出てきただけ。
コップ1杯注いだらなくなってしまう量しかない。
生絞りっぽくて、味はおいしかったけど……。
窓際に、何かを読むでもなく煙草を吸うでもなく、
じっと窓の外を見つめ続けている美女がいた。
ホテルに戻って荷造り。23時就寝。
この日の支出:
ルーブルお土産11ユーロ
晩ご飯18.2ユーロ
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