アラスカ旅行記その3
2006年1月4日
(下から続いてます)
しばらく星を見てから北の空に目を移すと、地平線に近い
あたりにぼうっと明るい帯のような光が出ている。
色は白っぽく、横に細長く伸びている。
じっと見ていてもあまり変化はないが、いつの間にか
位置や形が少しずつ変わり、明るさも変化している。
瞬間的に動いているような感じ。
しばらく見ていると明るくなってカーテン状になった。
瞬間的に風に吹かれてはためくような動きをして、
色も少しピンクがかって見えた。
細かく素早い襞のはためきには観客から「おおー」
というどよめきと拍手が起こった。
花火大会みたい。
12時すぎのこの一瞬がオーロラ鑑賞のハイライトだった。
オーロラの帯をバックに記念撮影をしてもらった。
15秒露光して、最後にフラッシュをたいて顔を映す。
できた写真を見たら、白くぼやっとしていたオーロラが
明るい黄色に映っていてびっくりした。
人間の目ではとらえられない光でも、カメラは
しっかり映してくれるらしい。
私も自分のカメラを雪の上に立てて少し撮ったが、
またさっきみたいに明るくなるかもしれない、と
期待してそんなに撮らなかった。
シャッターを開けっ放しにしている時間をどれくらいに
すればいいのかさっぱりわからない。
明るいオーロラなら15〜30秒でOKだろうけど、この
オーロラは暗いから長めに押したりしてみる。
その後オーロラは薄くなり、動きもあまりなくなる。
たまに端が伸びたり、ほんのり明るくなったり、
帯の下にもう一本うっすら出てきたりするくらい。
ロッジに入って少し寝て復活を待つ。
2時になるとほとんどのツアー客が帰ってしまう。
我々は観測時間が長いツアーなので、4時までいられる。
人が減って静かになり、フラッシュもなくいい感じ。
3時半ごろ、今日はもう消えてしまったということで
バスでホテルに帰る。車内で熟睡し、ホテルで
そのままぐっすり。
●アラスカ旅行記2日目(12/30)
目が覚めたらなんと15時。
寝たのが朝の4時半くらいだったとはいえ、こんなに
長い時間まったく目覚めず寝ていたのは信じられない。
ショックを受けつつ、とにかく日が沈んで暗くなって
しまうので急いで支度して、昨日ガイドブックで
調べておいたグロッサリーへ買い物に行く。
1stアベニューの向こうの川を渡ってその先。
昨日より寒く、マイナス15度くらい。頬がこわばり、
鼻の中がくっつく。
グロッサリーは酒屋にコンビニを足してサンドイッチや
コーヒーを出すカウンターがついている感じの店だった。
その場で作ってくれるサンドイッチはやっていなかったので、
出来合いのマフィン2つとツナサラダ、「maruchan」の
カップヌードル(チキン味)2つ、ハードボイルドエッグ
2つ、M&Mひと袋、手作りの砂糖がけドーナツと
ホワイトチョコのクッキーを買う。
あと、1リットルの水が99セントとお買い得だった。
全部で16ドルくらい。
マフィンには、石ころのように巨大なチョコチップが
ごろごろ入っていておいしかった。
ツナサラダも、シーチキンなんてやわなものではなく
もっとガッチリした「まぐろ」って感じのツナだった。
ドーナツやクッキーもおいしかった。さすがアメリカ。
カップヌードルは具がミックスベジタブルだったが、
味は日清カップヌードルのしお味と特に変わらない。
その後、ホテルの売店で5枚1ドルの絵はがきを買い、
何枚か書いて出す。
テレビでは「ワールド・スモウ・チャンピオンシップ」
なるイベントが開催されていた。
会場はマディソン・スクエア・ガーデン。
ブルガリアやハンガリーやポーランド人のアマチュア
力士たちが登場して、ビニールの土俵の上で対決している。
プロレスのような呼び出しがあり、白シャツに蝶ネクタイを
つけた審判が行司役になって「ハッケヨイ」と言う。
まわしの正面に紋章みたいなマークがついていた。
優勝したのは日本人だったが、坊主頭であまり日本人
らしくない凶悪な顔をした選手だった。
また昼寝ののち、夜は2回目のオーロラ鑑賞に出かける。
集合場所のホワイトボードに、アラスカ大学による
「今日のオーロラ予想」が掲示してあり、今夜は
「アクティブ」と書いてあった。ちなみに昨日は「ふつう」。
係の人によると、オーロラベルトがちょうど真上に来ていて
かなり活発なオーロラが期待できるとのこと。ただし
オーロラはベルトのどこに出るかわからないので、
ここではなくヨーロッパのほうに出てしまうかもしれない。
今日はそんなにツアー客が多くなく、バンで山を登って
いくと、もう昨日とほぼ同じ位置にうすい筋が出ている。
今日は気温が昨日より低い上にかなり風があり、寒い。
筋の本数が増えたり少しずつ変化はしているのだが
全体に光がとても弱く、薄い。
ただ空全体がぼうっと明るく、オーロラが空じゅうに
拡散した状態らしい。
しだいに右のほうから黒い雲が伸びてきて、ちょうど
オーロラの筋があるあたりだけをきれいに隠してしまった。
雲にぎりぎり隠れていない、左端(はるか北端のバローの
上空のあたり)で少し動いているのが見えたが、遠すぎる。
右のほうでちょっと明るさが増したときにシャッターを
切ったが、焦っていて最初蓋をしたまま撮っていた。
雲に隠れ、光も拡散したまま強まらず、今日はもう駄目かと
思ったが、最後に雲の中から上に向かって縦長に光が
薄く伸びた。雲の後光のような感じ。雲がなければ光の
下端がカーテンのようになっていたのかもしれない。
縦長の光はわずかの時間のうちに上と横のほうまで広がり、
一瞬ながら雄大さを実感させてくれた。
その後は雲にほぼ隠れてしまい、4時に撤収。
ずっと空を見上げていたので流れ星はたくさん見た。
帰りにバンがガソリンスタンドに直結したコンビニに
寄り道してくれて、ターキーのサンドイッチ
(パックの中で水が出てびしょびしょになっていた)、
クラッカー・切ったチーズ・ハムがセットになった
「ランチパック」、謎の丸いチョコ菓子と水を買う。
気持ち悪い色の巨大な錠剤(小指の先くらいの大きさ)が
詰め合わせになった栄養剤セットが並べて売ってある。
栄養ドリンクの感覚なんだろうか。
でかくて喉にひっかかりそう……。
あと計り売りのビーフジャーキーがあった。
ホテルでターキーのサンドを食べて朝6時に寝る。
こっちの朝6時はちょうど日本で年が変わる時間。
紅白がたけなわのころ、私は道端にムースの姿を探し
ながら山を降りているところだった。
毎年テレビ東京ででコンサートを見ながら年越しするのが
恒例だったので、今年の第九がうまく12時ちょうどに
終わったのかどうかが気になる。
(続きます)
しばらく星を見てから北の空に目を移すと、地平線に近い
あたりにぼうっと明るい帯のような光が出ている。
色は白っぽく、横に細長く伸びている。
じっと見ていてもあまり変化はないが、いつの間にか
位置や形が少しずつ変わり、明るさも変化している。
瞬間的に動いているような感じ。
しばらく見ていると明るくなってカーテン状になった。
瞬間的に風に吹かれてはためくような動きをして、
色も少しピンクがかって見えた。
細かく素早い襞のはためきには観客から「おおー」
というどよめきと拍手が起こった。
花火大会みたい。
12時すぎのこの一瞬がオーロラ鑑賞のハイライトだった。
オーロラの帯をバックに記念撮影をしてもらった。
15秒露光して、最後にフラッシュをたいて顔を映す。
できた写真を見たら、白くぼやっとしていたオーロラが
明るい黄色に映っていてびっくりした。
人間の目ではとらえられない光でも、カメラは
しっかり映してくれるらしい。
私も自分のカメラを雪の上に立てて少し撮ったが、
またさっきみたいに明るくなるかもしれない、と
期待してそんなに撮らなかった。
シャッターを開けっ放しにしている時間をどれくらいに
すればいいのかさっぱりわからない。
明るいオーロラなら15〜30秒でOKだろうけど、この
オーロラは暗いから長めに押したりしてみる。
その後オーロラは薄くなり、動きもあまりなくなる。
たまに端が伸びたり、ほんのり明るくなったり、
帯の下にもう一本うっすら出てきたりするくらい。
ロッジに入って少し寝て復活を待つ。
2時になるとほとんどのツアー客が帰ってしまう。
我々は観測時間が長いツアーなので、4時までいられる。
人が減って静かになり、フラッシュもなくいい感じ。
3時半ごろ、今日はもう消えてしまったということで
バスでホテルに帰る。車内で熟睡し、ホテルで
そのままぐっすり。
●アラスカ旅行記2日目(12/30)
目が覚めたらなんと15時。
寝たのが朝の4時半くらいだったとはいえ、こんなに
長い時間まったく目覚めず寝ていたのは信じられない。
ショックを受けつつ、とにかく日が沈んで暗くなって
しまうので急いで支度して、昨日ガイドブックで
調べておいたグロッサリーへ買い物に行く。
1stアベニューの向こうの川を渡ってその先。
昨日より寒く、マイナス15度くらい。頬がこわばり、
鼻の中がくっつく。
グロッサリーは酒屋にコンビニを足してサンドイッチや
コーヒーを出すカウンターがついている感じの店だった。
その場で作ってくれるサンドイッチはやっていなかったので、
出来合いのマフィン2つとツナサラダ、「maruchan」の
カップヌードル(チキン味)2つ、ハードボイルドエッグ
2つ、M&Mひと袋、手作りの砂糖がけドーナツと
ホワイトチョコのクッキーを買う。
あと、1リットルの水が99セントとお買い得だった。
全部で16ドルくらい。
マフィンには、石ころのように巨大なチョコチップが
ごろごろ入っていておいしかった。
ツナサラダも、シーチキンなんてやわなものではなく
もっとガッチリした「まぐろ」って感じのツナだった。
ドーナツやクッキーもおいしかった。さすがアメリカ。
カップヌードルは具がミックスベジタブルだったが、
味は日清カップヌードルのしお味と特に変わらない。
その後、ホテルの売店で5枚1ドルの絵はがきを買い、
何枚か書いて出す。
テレビでは「ワールド・スモウ・チャンピオンシップ」
なるイベントが開催されていた。
会場はマディソン・スクエア・ガーデン。
ブルガリアやハンガリーやポーランド人のアマチュア
力士たちが登場して、ビニールの土俵の上で対決している。
プロレスのような呼び出しがあり、白シャツに蝶ネクタイを
つけた審判が行司役になって「ハッケヨイ」と言う。
まわしの正面に紋章みたいなマークがついていた。
優勝したのは日本人だったが、坊主頭であまり日本人
らしくない凶悪な顔をした選手だった。
また昼寝ののち、夜は2回目のオーロラ鑑賞に出かける。
集合場所のホワイトボードに、アラスカ大学による
「今日のオーロラ予想」が掲示してあり、今夜は
「アクティブ」と書いてあった。ちなみに昨日は「ふつう」。
係の人によると、オーロラベルトがちょうど真上に来ていて
かなり活発なオーロラが期待できるとのこと。ただし
オーロラはベルトのどこに出るかわからないので、
ここではなくヨーロッパのほうに出てしまうかもしれない。
今日はそんなにツアー客が多くなく、バンで山を登って
いくと、もう昨日とほぼ同じ位置にうすい筋が出ている。
今日は気温が昨日より低い上にかなり風があり、寒い。
筋の本数が増えたり少しずつ変化はしているのだが
全体に光がとても弱く、薄い。
ただ空全体がぼうっと明るく、オーロラが空じゅうに
拡散した状態らしい。
しだいに右のほうから黒い雲が伸びてきて、ちょうど
オーロラの筋があるあたりだけをきれいに隠してしまった。
雲にぎりぎり隠れていない、左端(はるか北端のバローの
上空のあたり)で少し動いているのが見えたが、遠すぎる。
右のほうでちょっと明るさが増したときにシャッターを
切ったが、焦っていて最初蓋をしたまま撮っていた。
雲に隠れ、光も拡散したまま強まらず、今日はもう駄目かと
思ったが、最後に雲の中から上に向かって縦長に光が
薄く伸びた。雲の後光のような感じ。雲がなければ光の
下端がカーテンのようになっていたのかもしれない。
縦長の光はわずかの時間のうちに上と横のほうまで広がり、
一瞬ながら雄大さを実感させてくれた。
その後は雲にほぼ隠れてしまい、4時に撤収。
ずっと空を見上げていたので流れ星はたくさん見た。
帰りにバンがガソリンスタンドに直結したコンビニに
寄り道してくれて、ターキーのサンドイッチ
(パックの中で水が出てびしょびしょになっていた)、
クラッカー・切ったチーズ・ハムがセットになった
「ランチパック」、謎の丸いチョコ菓子と水を買う。
気持ち悪い色の巨大な錠剤(小指の先くらいの大きさ)が
詰め合わせになった栄養剤セットが並べて売ってある。
栄養ドリンクの感覚なんだろうか。
でかくて喉にひっかかりそう……。
あと計り売りのビーフジャーキーがあった。
ホテルでターキーのサンドを食べて朝6時に寝る。
こっちの朝6時はちょうど日本で年が変わる時間。
紅白がたけなわのころ、私は道端にムースの姿を探し
ながら山を降りているところだった。
毎年テレビ東京ででコンサートを見ながら年越しするのが
恒例だったので、今年の第九がうまく12時ちょうどに
終わったのかどうかが気になる。
(続きます)
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